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「神が宿ったエンジン」を積む至高のフェラーリ! 812 スーパーファストの800psを味わう 【Playback GENROQ 2018】

Ferrari 812 Superfast

フェラーリ 812 スーパーファスト

「神が宿ったエンジン」を積む至高のフェラーリ! 812 スーパーファストの800psを味わう 【Playback GENROQ 2018】

800psの理由

最新の最速フェラーリ、812スーパーファストがついに日本の路上に放たれた。そのすごさは800ps、718Nmというエンジンの数字だけではない。超高性能を極めて扱いやすく、安全快適に味わえるという事実、それこそこのクルマの真髄だ。

清水和夫「V12自然吸気の鼓動と温かい血。このクルマにはエンジンの神が宿っている」

現在のフェラーリのラインナップの中でも最高峰の存在となる812 スーパーファストが、ついに日本に上陸した。フロントに搭載されるエンジンは800psを絞り出すV12気筒だ。

ところで馬が800頭とはどのくらいすごいのか。600psや700psとはどう違うのか。さすがに800psとなると想像を超えている数字だ。フェラーリの公式データでは0-100km/h加速で3秒を切るというから、文字通りフェラーリ史上最強最速なのだ。これは先月号でレポートした、恐ろしい速さを誇るマクラーレン 720Sよりもさらに+80ps。言葉では簡単に書けるが、この世界の差別化を体験することはかなり困難だ。

「完全バランスの自然吸気エンジンであるフェラーリのV12に惹き込まれる」

だが、812 スーパーファストの魅力は800psだけではない。もちろんパワーも重要な要素だが、私は完全バランスの自然吸気エンジンであるフェラーリのV12にやはり惹き込まれる。クランクシャフトに発生する振動は6次までゼロ。アイドリングしているV12の上にエンピツが立つほどなのだ。テスラが魅力的なのは振動がなく静かなモーターで鋭い加速をするからだと言えるが、モーターで走るEVは呼吸が止まっても生きているサイボーグのようなもの。一方、812 スーパーファストは心臓の鼓動を感じるし、血管には温かい血が流れている。この息づかいと温かい血がエンジン車の魅力なのだ。特にV12はその鼓動が素晴らしい。

今まで原稿に書いたりしたことはなかったが、私はこの完全バランスのV12に乗らずに死ねるか、と常々考えている。フロントにV12を搭載する中古の456が欲しいと思ったことが何度もある。それほどフェラーリのV12に憧れるのだ。日本ではミッドシップのV8フェラーリのほうが人気が高いようだが、本当のモノゴトを知り尽くした大人が乗るべきフェラーリは「フロントエンジンのV12」なのだ。

「V12の2シーターFRは、もっとも贅沢で大人チックなスポーツカーだ」

そう言えば、3月の始めに開催されるジュネーブ・ショーでは、新たなフェラーリのスーパースポーツカーが登場するという。その中身はV8ターボでチューンされた488 GTBのバージョンアップのようだ。一部ではラスト・フェラーリとも呼ばれているらしいが、なぜかというとこのモデルをもって、エンジンだけの馬力競争が終わるかもしれないからだ。これ以降のモデルは、何らかの形で電気モーターが組み合わされるか、または電気だけで走るEVのスーパーカーになるかもしれない。ラ フェラーリという例があるが、フェラーリは電動化に関しては決して前向きだった訳ではない。しかし現在のF1はすでにハイブリッド化されているし、フェラーリの市販モデルがF1とリンクするならば、ハイブリッド化はマストだろう。そういう意味でも、812 スーパーファストは貴重な存在なのだ。

フェラーリの現在の系譜はV12エンジンとV8エンジン。搭載位置はフロントまたはミッドシップ。さらに2シーターと4シーターがラインナップされている。最近はRWDだけでなくAWDも用意されているが、やはり本流はV12とV8の後輪駆動だろう。そのポートフォリオの中でV12の2シーターFRは、もっとも贅沢で大人チックなスポーツカーなのだ。中古の456を漁るくらいなら、812の契約書にサインしたほうがスッキリしそうだ。

「812 スーパーファストにはエンジンの神が宿っている」

これほどの性能を持つクルマの性能を完全に引き出すなら本来はサーキットへ行くしかないのだが、今回は公道での試乗だ。しかし公道で800psの812 スーパーファストをテストドライブするのは実に酷な話だ。スロットルを一踏みするだけで、あっという間に速度は100km/hを超えてしまいそうになる。812 スーパーファストはF12 ベルリネッタの後継となるモデルだが、ロードカーとしてはるかに洗練されている。乗り心地は湿った、しっとりとした感じがあるし、ロードホールディングも悪くない。そして横風が強い東京湾アクアラインを走っている時に感じたのは、直進性の素晴らしさだ。地味な性能かもしれないが、運動性能が高いスポーツカーは直進性も高いのだ。もっと言うと、コーナーを速く曲がることよりも、まっすぐ走ることのほうが難しい。812 スーパーファストは、そんな基本中の基本をしっかりと守っている。これはミッドシップの488にはない世界だ。

そしてこのクルマは最先端のエレクトロニクスデバイスが備わっており、リヤアクスルにはZF製のリヤステアが備わっている。ロジックはフェラーリ社が独自でチューニングしたらしいが、超高速域では安定性を得るために、リヤタイヤを同位相に制御する。圧倒的な直進性の高さは、この4WSの恩恵もあるのだろう。だが、正直そんなものはどうでも良いとさえ思える。何しろ812 スーパーファストにはエンジンの神が宿っているのだから、それだけで十分だ。

大谷達也「驚異的なパフォーマンスと優れた日常性。すべてはラグジュアリーな世界観のために」

ロードカーで800psなんて常軌を逸している。まして、それをフロントエンジン+後輪駆動で成立させるなんて狂気の沙汰としかいいようがない。けれども、フェラーリ 812 スーパーファストは混雑した都市部を走ってもストレスを感じさせないし、高速道路のクルージングも余裕でこなす。それでいながらワインディングロードでは絹を裂くようなエキゾーストノートと正確なハンドリングでドライバーの心を鷲づかみにする。どうしてこんなスーパースポーツカーができあがったのか? おもにテクノロジーの面からその秘密を探ってみよう。

800psを生み出すV12自然吸気エンジンは前作F12用の改良版だが、実に75%のパーツが新規に設計された。そのレシピは以下の通り。まず、ストローク増大によって排気量を6.3リッターから6.5リッターに引き上げるとともに、バルブのリフト量を拡大して絶対的なパフォーマンスを獲得。ここに可変長インテークマニフォールドを組み合わせて全域のドライバビリティを改善することで、800psもの超絶パワーとタウンスピードでの扱い易さを両立させたのである。燃料噴射圧を前作の200barから350barに強化し、さらにトリプルインジェクションで均質な混合気を作り出したことも、燃焼の改善に大きく役立っているはずだ。

「タイヤのサイズアップと4WSによりコーナリング性能を向上」

濁りのない澄み切ったエキゾーストノートは、メカニカルバランスの優れた超高回転型エンジンの魅力を6 in 1の等長エキマニと各バンクから伸びる2本の排気管を途中で結ぶセントラルパイプが見事に引き出しているからだろう。

一方、ワインディングロードやサーキットで発揮されるコーナリング性能は、フロントタイヤのサイズアップ(255/35R20から275/35R20に変更)と4WSの採用によってポテンシャルを向上。さらに、フェラーリのシャシー統合制御技術であるSSCを5.0に進化させ、前述の4WSに加えて電子制御デフ、トラクションコントロール、電子制御ダンパーなどが持つパフォーマンスをフルに発揮させた結果だ。

「スタビリティの改善には可変エアロダイナミクスの効果も見逃せない」

国際試乗会の会場では、4WSがリヤグリップの改善に大きな役割を果たしたとの説明があった。4WSの原理に関しては誤解も多いようなので改めて確認しておくと、タイヤの横グリップを引き出すには、サイドスリップといって車両の進行方向とタイヤの回転方向の間に微妙なズレを設けることが重要となる。フロントタイヤであれば、ややアンダーステア気味の設定とすればこのサイドスリップが発生し、高いグリップを得られるが、リヤタイヤではこれが難しい。そこでコーナリングに合わせて後輪のスリップアングルを生み出すために開発されたのが4WS。横グリップが重要である高速域でフロントと同相にステアするのは、サイドスリップ量を理想値に近づけることが目的だったのである。

高速コーナリングにおけるスタビリティ改善では可変エアロダイナミクスの効果も見逃せない。まず、前輪手前の内側にあたるフロア部にフラップ付きの特別なダクトを設定。このフラップは空気流の力により200km/h以上になると上昇し、車両底面を流れる気流をフロントのホイールハウス内に導いてダウンフォースを増強する。一方、リヤのディフューザー部には電子制御される3枚のフラップを設定。車速に応じて角度を調整することでダウンフォースの量を制御している。

「フェラーリのライバルはもはやランボルギーニではなく、ロールス・ロイスか」

数えきれないほどのテクノロジーが投入された812 スーパーファストだが、これだけでは説明しきれないのがスーパースポーツカーとは思えないほど快適なあの乗り心地。これは私の推測だが、低重心化やマスの集中化に加え、トレッドやホイールベースを適切に設定して得た優れた基本諸元が、しなやかな足まわりのまま高度な運動性能を実現する最大の要因だったのではないか。電子制御ダンパーのチューニングも、乗り心地の改善には間違いなく役立っているはずだ。

こうして驚異的なパフォーマンスと優れた日常性を両立させた812 スーパーファストだが、個人的には、フェラーリはスーパースポーツカーではなくウルトラハイパフォーマンスなラグジュアリーカーを造りたかったのではないかと睨んでいる。上質な素材と洗練されたデザインのキャビンは、フロントエンジン・レイアウトのおかげでスペースにゆとりがあり、ゆったりと寛げる。タウンスピードでの優れた静粛性もフロントエンジンによるところが大きいはず。すべてはラグジュアリーな世界観のために・・・。そう考えると、フェラーリのライバルはもはやランボルギーニではなく、ロールス・ロイスなのではないかとさえ思えてくる。

PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)

【SPECIFICATIONS】

フェラーリ 812 スーパーファスト

ボディサイズ:全長4657 全幅1971 全高1276mm
ホイールベース:2720mm
車両重量:1630kg
エンジン:V型12気筒DOHC
総排気量:6496cc
最高出力:588kW(800ps)/8500rpm
最大トルク:718Nm(73.2kgm)/7000rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ(リム幅):前275/35ZR20(10J) 後315/35ZR20(11.5J)
最高速度:340km/h
0-100km/h加速:2.9秒
燃料消費率:14.9L/100km(EU複合モード)
CO2排出量:340g/km(EU複合モード)
車両本体価格:3910万円

※GENROQ 2018年 4月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

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