モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは1982年の世界耐久選手権を戦った『ランチアLC1』です。
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1982年、燃費性能が要となった新たなプロトタイプカーの車両規定である“グループC”が施行された。この新車両規定に沿って作られたポルシェの956などをはじめとするグループCカーは、施行初年度から世界耐久選手権の主役となった。
それと同時にエントリー台数確保のため、グループCとは異なる規定の車両の出場も同年の世界耐久選手権では認められていた。この点に目をつけたのがイタリアの自動車メーカーのランチアだった。
当時のランチアは、WRC世界ラリー選手権ヘの参戦が決まっていたことによる親会社のフィアットの意向もあり、当初、サーキットレースへリソースを割くことに対して消極的だった。
しかし、ランチアは、限られた予算のなかで1年限り認められたオープンプロトタイプカーのグループ6車両を使う参戦プランを打ち出した。これをフィアットが承認し、世界耐久選手権への参戦にゴーサインが出たのは1981年半ばのこと。
わずか半年ほどで新しいグループ6カーを開発することになったランチアは、まず同じイタリアのレーシングカーコンストラクターであるダラーラにシャシーとサスペンションの製作を依頼。F1のノウハウも使って、アルミモノコックシャシーが作り上げられた。
一方で、ボディワーク等の空力開発は、ランチアが担当した。特に空力には重点が置かれ、ボディカウルは、流麗なラインで空気抵抗を減らし、ダウンフォースを床下で稼ぐというコンセプトの元、フィアットの風洞を使って開発が行なわれた。
このような過程で生まれた車体に、シルエットフォーミュラとも呼ばれたグループ5規定に沿って作られたランチア・ベータモンテカルロ用の1.4リッターターボエンジンを搭載。そうして誕生したのが『ランチアLC1』というグループ6マシンだった。
LC1は、イタリアのモンツァで開催された1982年の開幕戦で世界耐久選手権へデビューすると、イギリスのシルバーストンで行なわれた第2戦から登場したグループCカーのポルシェ956と互角の戦いを披露した。
グループCカーとは異なり、規定により燃料使用総量の制限がなかったグループ6カーの強みも活かして、8戦中3勝を記録した。
その結果、LC1をドライブしたリカルド・パトレーゼがドライバーズチャンピオンを最終戦まで争ったが、惜しくもポルシェ956のジャッキー・イクスに王座を奪われてしまった。
しかし、この活躍によって、フィアットからグループCカー製作が許諾され、1983年に向けランチアはニューウエポン、『ランチアLC2』を開発にするに至るのであった。
[オートスポーツweb 2025年03月05日]
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みんなのコメント
因みにLC2はランチアのワークスチームでは走らせていないと思います。