この記事をまとめると
■韓国には軽車、中国には微型車という日本の軽自動車のような小型車規格がある
軽が日本のガラパゴスカーだなんてとんでもない! 排気量こそ違えど日本の「軽トラ」&「軽バン」は世界で愛されていた!!
■6年ぶりに上海モーターショーを訪れると小微型車トレンドが少しサイズアップしていた
■中国メーカーでは小微型車を世界戦略車として位置づけようとしている動きが見られる
日本が世界に誇る軽自動車がいま注目されている
中国BYDオート(比亜迪汽車)の日本法人であるBYD Auto Japan(以下BYD)は、2025年4月24日に、2026年後半に日本専用設計(日本の軽自動車規格に準拠した専用設計)となる「軽BEV」の日本国内導入を決定したことを発表した。
登録車であり5ナンバーサイズBEV(バッテリー電気自動車)となる、韓国ヒョンデのインスターが2025年4月10日より国内で発売となった。インスターは韓国ではキャスパー・エレクトリックと名乗り、ベースとなるICE(内燃機関)車となるキャスパーという車種が韓国版軽自動車「軽車(キョンチャ)」として韓国ではラインアップされている。
軽車規格は排気量、ボディサイズともに日本の軽自動車規格より拡大されているのだが、キャスパー開発当初は、日本の軽自動車規格に収まる仕様を用意し日本市場導入も検討されたようだといった話も聞いたことがある。しかし、キャスパーのボディサイズをみると、日本の軽自動車規格まで小さくするのは現実的ではないように見えた。
中国には「微型車」という中国版軽自動車といっていい規格がある。調べてみると、ホイールベースが2000mmから2300mm、全幅の規制はないようだが、全長が3650mm以内となっている。かなり以前からICE(内燃機関)を搭載してこのカテゴリーは存在していたのだが、ここ最近はBEVとなり、「小微型電動車」とも呼ばれているようなモデルが注目されていた。
日本でも50万円BEVとして話題となった、上海通用五菱汽車(ウーリン)の「宏光(ホンガン)ミニ」などが小微型電動車となるようだ。そして、小微型電動車のなかでも「A00級」という、より小さなサイズのクラスとなる。宏光ミニに続けとウーリン以外の中国メーカー各社もマイクロコンパクトと呼んでもいいような、2ドアのより小さい小微型BEVを相次いでラインアップしていた。
しかし、6年ぶりに中国を訪れ上海モーターショー(第21回上海国際自動車工業展覧会)の会場内を見渡すと、小微型車のトレンドがA00から少しサイズの大きいA0級に移っているように見えた。サイズは別としても日本の軽自動車を強く意識したようなモデルが目立っていたのである。
宏光シリーズをラインアップするウーリンブースへ行くと、背が高くリヤスライドドアを採用する、ホンダN-BOXやスズキ・スペーシア、ダイハツ・タントのような(どちらかといえばN-VAN?)「五菱之光EV」が展示してあった。
五菱之光シリーズはそもそも日本の軽バンのような商用車シリーズとなり、全中国で人気の高いモデルなのだが、五菱之光EVの見た目は日本のスーパーハイト系軽乗用車のようなモデルのようである。日本の軽自動車規格が全長3400×全幅1480×全高2000mmに収まらなければならないのに対し、五菱之光EV標準型は全長3685×全幅1530×全高1750mmなので、前出のキャスパーよりは日本の軽自動車規格に合わせることは難しくないようにも見える。
中国ではちょっとサイズアップした小微型車が人気
また、ウーリンではスズキ・アルトやダイハツ・ミライースのような宏光EV 4ドア版というモデルもラインアップしている。こちらのボディサイズは全長3256×全幅1510×全高1578mmなので、日本の軽自動車規格にさらに近づいている。
スズキ・ジムニーにインスパイアされているのか、ジムニー的モデル(あるいはハスラーか)も目立っていた。吉利汽車の熊猫 騎士(パンダナイト)のボディサイズは全長3065×全幅1522×全高1600mmとなっている。
地元メディアによると、2023年あたりからA00ではなくA0級の小微型車が人気になってきているとのこと。韓国ではステイタスを誇示するために大きいクルマを好んで乗る傾向にあるのだが、ここのところは景気低迷が続き軽車が注目されている。
中国も報道を見たり、実際に今回の上海の街なかを歩いていると、経済はけっしていいとは思えない印象を受けるので、小微型車に流れているのかもしれない。ただ街なかには大きなクルマも目立っているので、二極化が進んでいるのかもしれない(もしくは沿岸部と内陸部のような地域差が出ているのかもしれない)。
つまり、今後BYDが日本市場に日本の軽自動車規格BEVを導入して一定の成功を納めれば、それに続けと相次いで日本市場へ参入体制がとれる中国メーカーが存在しているように見える。メーカー自体ではなくとも、日本の商社は現状でも中国メーカーのBEVバスやBEV商用車の輸入販売にかなりご執心とも聞いている。商社ルートで中国から日本の軽自動車規格に合わせた中国製BEVが大挙して押しかけるというのもまるっきり絵空事ともいえない状況になっているように見える。
ある家電量販店は、オール電化住宅、そして家電製品、さらにはBEVまでワンストップでそろえることができることをすでにアピールしている。残念ながら発想の柔軟性では中国のひとのほうが一枚上手であるし、新車販売総台数の4割に迫ろうとする日本の軽自動車の販売状況を見れば、中国メーカーも興味を示さないわけはない。
また、東南アジアのような新興国だけではなく、先進国でも日本の軽自動車の優秀性が注目され、日本から個人輸入して所有するということはそれほど珍しくなくなっている。とくに軽トラックは世界的に高い評価を得ているしBEVに馴染みやすいとも聞いている。N-BOXとスペーシアを海外で地元のひとが比較試乗する動画などもアップされているぐらい、いま世界で日本の軽自動車が注目されているのは間違いない。
中国メーカーのなかには小微型車を新たなグローバル戦略モデルとして位置づけようとしているのではないかともショー会場で思わず深読みしてしまった。
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みんなのコメント
クルマの業界も今後は海外のメーカーに取って代わられる日が来ないとも言い切れません。本当に我が日本の製造業が頑張って欲しいと願ってます。軽自動車も日本の強みを生かして販路を拡げて欲しいですね。