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F1分析|レッドブルが席巻した2023年シーズン前半戦。データで見る勢力図の移り変わり

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F1分析|レッドブルが席巻した2023年シーズン前半戦。データで見る勢力図の移り変わり

 2023年のF1シーズンも、先日行なわれたベルギーGPをもって前半戦が終了。12戦の全てでレッドブルが勝利するという圧倒的な強さを見せた。

 開幕12連勝は、1988年のマクラーレン・ホンダがもっていた開幕からの連勝記録を超え、最長記録更新ということになる。またレッドブルは昨年最終戦のアブダビGPでも勝利を手にしているため、13連勝中。この13連勝という記録も、1952~1953年のフェラーリが持っていた記録(途中インディ500不出走のため、参考記録ではあるが)に並んだということになる。

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 では、今季ここまでのレッドブルは、どれほど強かったのだろうか? その戦闘力を数値化し、その推移を折れ線グラフで表してみることとしよう。

 このグラフの算出方法は、各チーム2台のうち、各セクターごとに速かった方を予選、決勝それぞれで抽出。もっとも速かったマシンを100%として、そこからの遅れをパーセンテージで算出し、それを折れ線で繋いだものだ。

■予選パフォーマンスの推移

 このグラフは、予選パフォーマンスの推移を、上記の算出方法でグラフ化したものだ。

 グラフを見ると一目瞭然、青い線で示したレッドブルが、シーズンを通して圧倒的に速かったことを示している。カナダGPの予選は雨絡みになったこともあり、Q2でドライタイヤを履いたウイリアムズとマクラーレンがレッドブルのパフォーマンスを凌いだが、結果的にはレッドブルのフェルスタッペンがポールポジションを獲得している。

 ただ、勢力図という面では、開幕直後と前半戦の終盤では、少し異なっていることが読み取れる。

 開幕直後は、レッドブルに次ぐ位置にフェラーリがおり、その後方をアストンマーチンとメルセデスが争うという順位だった。

 実はこの勢力図は、開幕からベルギーGPまで、実はそう大きくは変わらなかった。時折アルピーヌやウイリアムズ、ハースなどが上位に分け入ってくることもあったが、それは概ね1戦限り。アストンマーチンはシーズンが進んでいくにつれてパフォーマンスを落としたとよく言われるが、開幕戦で0.65%だった差は、ハンガリーGPでは0.74%。もっともパフォーマンスを落としたオーストリアGPでは1.26%遅れとなったが、それはその1戦限りであった(ベルギーGPは雨絡みの予選だったのでカウントせず)。

■マクラーレン、実はスペインGPでパフォーマンス向上を果たしていた?

 ただその4強に分け入る立場になったのが、マクラーレンである。マクラーレンはスペインGPでトップ4の一角となり、その後はベルギーGPまでずっとトップ4入している。

 ただ不思議なのは、その転機となったのはオーストリアGPではなかったということだ。

 マクラーレンはオーストリアGPでアップデートを投入し、それが功を奏して一躍表彰台の常連となった。ただ実は、予選のパフォーマンスという面では、スペインGPの時点からトップ4入りを果たしていたのだ。

 スペインとカナダでは、予選こそ好調だったが、レースペースは低迷。最終的には大きく順位を落とす結果となった。

 つまり、オーストリアGPで投入されたアップデートは、レースペースの面でもっとも効果を発揮し、マシンの理解などが進んだことで、実はそれ以前に絶対的なパフォーマンスは引き上げられていたということになるだろう。

 しかし開幕戦ではマシンパフォーマンスの面で9番手、マイアミGPでは最下位だったマクラーレンが、トップ4、ひいてはレッドブルに次ぐ2番手に躍進するとは。現代のF1の難しさをよく表した好例だと言えよう。

 なお一方で大きくパフォーマンスを落としたのが、アルファロメオだ。アルファロメオは、カナダ、オーストリア、イギリスの3戦で大きくパフォーマンスを落とすことになった。ただ、続くハンガリーGPでは一気に4番手のパフォーマンスを発揮している。これはアルファロメオのマシンが超低速のコースにマッチし、高速系のコースには合っていないということを示しているように思われる。

 しかしオーストリアとイギリスは高速コーナーが存在する高速コース、カナダはトラクション重視の高速コースであり、その特性はまるで違う。これも今シーズンの不思議さを表している顕著な一例と言えよう。

■アルファタウリは終始苦戦。しかしベルギーでは巻き返しの兆候

 角田裕毅が所属するアルファタウリ(紺色の折れ線)は、開幕直後から下位2チームのという立ち位置。その後も、アゼルバイジャンとモナコでは6番手のパフォーマンスを発揮したが、それ以外は安定して下位のパフォーマンスに終始してしまっていた。

 このグラフは、決勝でのパフォーマンスも加味した、総合力のパフォーマンス推移を示したものである。決勝レース終盤にタイヤを交換し、例えばファステストラップ狙いの戦略に切り替えたり、レース途中でリタイアしてしまうと、正確な数値が出ないのであくまで参考レベルであるが、ざっくりとした傾向は読み取れるはずだ。

 これを見ても、アルファタウリの相対的なパフォーマンスは、シーズンを追うごとに低下していっているのが分かる。そんな中でも、前半戦最後のベルギーGPでは、アルピーヌから僅差の7番手となっている。これがアップデートの効果だったのかどうかは、夏休み明け初戦のオランダGPで明らかになるだろう。

 とはいえ、マシンのパフォーマンスが低迷する中で入賞争いを繰り広げた角田に高い評価が集まっているのは、当然と言えるデータかもしれない。

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