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【試乗】次なるBYDの一手は日本でも人気のクーペSUV! 「シーライオン7」は静粛性とコンフォート性がスゴイ!!

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【試乗】次なるBYDの一手は日本でも人気のクーペSUV! 「シーライオン7」は静粛性とコンフォート性がスゴイ!!

 この記事をまとめると

■BYDの最新モデルとなるクロスオーバーの「シーライオン7」に試乗

BYDが「まるでランクル」な強力PHEVを出してきた! その名も「フォーミュラ・レパード」とは?

■加速時のスムースなトルクピックアップで電動車特有の軽快な走りを楽しめる

■BYDのシーライオン7は高い完成度をもつ一方で官能的な走る喜びは少ない

 BYD日本導入第4のモデルはクロスオーバーSUV

 BYDの最新クロスオーバーEV「シーライオン7」に試乗する機会を得た。このモデルは、同社の電動サルーン「シール」をベースに元アウディおよびランボルギーニのチーフデザイナーであるヴォルフガング・エッガー氏が率いるチームによってSUVスタイルに融合された先進的なモデルだ。デザイン、性能、快適性の各面の完成度を走らせながら探ってみよう。

 シーライオン7の外観は、クーペとSUVを流麗かつエレガントに融合したクロスオーバースタイルが特徴だ。全長4830mm、全幅1925mm、全高1620mmのボディサイズに2930mmのホイールベースが与えられている。

 広々とした室内空間は快適な居住空間と大容量で使い勝手のいいラゲッジを両立している。大きな開口部をもつ電動ハッチゲートを備え、荷室容量は後席使用時で500リットル、後席格納時には最大1789リットルを確保している。

 さらに、フロントフード下にも58リットルのフランク(フロントトランク)も設けられており、実用性も高い。4輪駆動のAWDと後輪駆動RWDが用意されているが、フランクは意外にも両モデルに共通していた。

 インテリアと装備

 車内に足を踏み入れると、ナッパレザーを多用した高級感あふれるインテリアが迎えてくれる。ダッシュボード中央には、縦横に回転可能な15.6インチの大型タッチスクリーンが配置され、最新のインフォテインメントシステムを操作できる。画面は高精細で、エアコンなどのショートカットメニューも常時表示されており、使い勝手がいい。

 ただし、タッチスクリーンを縦長に回転配置したときは偏向レンズのサングラスを装着していると、まったく見えなくなってしまった。また、HUD(ヘッドアップディスプレイ)も偏向レンズに対応していない。

 シートはプレミアムキルティングナッパレザーで仕立てられ、快適な座り心地が提供されている。フロントシートは左右電動アジャスト機構を備え、シートヒーターやシートベンチレーションも標準装備する。後席はシートヒーターのみだが、シートバックがリクライニングするのはありがたい。

 シールなどセダンのEVで気になる後席足もとフロア面が高く、長時間の乗車ではやや疲れを感じた部分はSUVとなってルーフが高くなったこととヒップポジションが高く改善され、気にならなくなった。

 パワートレインと性能

 シーライオン7は、4WDモデルではフロントに160kW、リヤに230kWの駆動モーターを搭載している。システム合計出力は390kWに達し、車両重量が2340kgであるにもかかわらず、力強い加速性能を発揮する。0-100km/h発進加速タイムは4.5秒とスーパースポーツに匹敵する。一方、RWDはリヤアクスルに230kWの駆動モーターのみだが、0-100km/h発進加速は6.7秒で実用上十分以上の性能が与えられている。

 駆動バッテリーには82.5kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、航続距離はAWDでWLT C値540km(RWDは590km)とされている。

 実際の走行では、加速時のトルクピックアップレスポンスは非常にスムースで、電動車特有の軽快な走りを楽しめる。高速道路の流入時も自在な速度コントロールで、流れに乗るのも早い。

 官能度は低いが総合的な完成度は高い

 シャシーとハンドリング

 シャシーには、フロントにダブルウイッシュボーン式、リヤにマルチリンク式のサスペンションを採用し、FSD(Frequency Selective Damping)ショックアブソーバーと組み合わせることで、快適性と運動性能の両立を図っている。フロントサスペンションアームにはアルミが多用されていて、見た目の作り込みも精度を増したようだ。

 今回は、クローズドコースで限界特性も試せたが、サスペンションがややソフトすぎる印象を受けた。とくにコーナリング時には車体のロールが大きく感じられる。一般道での実用速度では快適で、申し分ない。

 シーライオン7は、パワーステアリングをダブルピニオンで仕立てており、操舵フィールも優れている。ただ、シールの操縦性、操舵フィールが非常に優秀だったので、シールには及ばない印象を受けた。

 高速スラロームではリヤのリバースが早く、リバウンドストロークの不足感があるが、乗員が増えると解消されるレベル。その際にはアンダーステアが露見しそうだ。コーナリング特性を制御するブレーキベクタリングなどは危険回避制御しか盛り込まれていないようだった。

 乗り心地と静粛性

 乗り心地は快適だ。とくに静粛性の高さには目をみはるものがある。EVゆえパワートレインが静かなのは当然だが、フロントガラス、両サイドのフロント窓ガラスに遮音性をもたせ、外界の音を高レベルで遮断している。隣を走る大型トラックやバイクのエンジン音などもほとんど遮断され、窓越しに話しかけられても聞こえないほどだ。

 路面の凹凸に対しては、しなやかに吸収し、ハーシュも弱く快適だ。ただし、AWDに装着されるミシュランの20インチタイヤはEV用の専用タイヤだということだが、トレッドパターンが細かくブロックの高さが大きい。インナーに吸音スポンジを内包していてロードノイズは小さいが、細かなシミーをステアリングが拾っていて高級感に乏しい。RWDはコンチネンタル社の19インチで、こちらのほうが好印象だった。

 総評

 BYDのシーライオン7は、デザイン、性能、快適性の各面で高い完成度を持つクロスオーバーEVとして完成させられていた。とくにエクステリアのデザインや高級感あふれるインテリア、力強い加速性能は大きな魅力だ。

 一方で、走行フィールには細やかなセッティングの妙がない。数値的に優れていても、感応的な走る喜び味が少ない。総じて、シーライオン7は、BYDの技術力とデザイン力を示す一台であり、今後の進化にも期待したい。

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