「バッテリー上がり」の悩みを解消
日本自動車連盟(JAF)のロードサービス出動理由を見ると、「バッテリー上がり」は常に上位に位置している。2023年度の四輪車における出動理由のトップは「過放電バッテリー」であり、件数は73万5194件。構成比は全体の約34.8%に達した。バッテリー上がりは、ドライバーにとって極めて身近で深刻なトラブルといえる。
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発生要因のひとつは、
・短距離走行を繰り返すドライバー
・月に数回しか車を使わないユーザー
に見られる「使用頻度の低さ」である。こうした使い方は、バッテリーへの負荷を高め、トラブルを招きやすくする。また、寒冷地では低温によってバッテリー性能が低下するため、冬季にリスクが高まる点も広く認識されている。
従来は、バッテリーが上がった場合、ブースターケーブルを使い他車から電力を供給してもらう方法が一般的だった。しかし、交通量の少ない場所や深夜など、他車の協力が得られない場面では、この手段が現実的でないことも多い。
こうした課題に対応する手段として、近年はジャンプスターターの導入が進んでいる。ジャンプスターターは、他車を必要とせず、単独でバッテリー上がりに対応できる点が特長だ。周囲に車がいない状況でも、ユーザー自身の手でエンジンを始動できる。その利便性の高さから、短距離利用が中心のドライバーや、車の使用頻度が低いユーザー、寒冷地での運転者を中心に常備が広がっている。
進化と手軽さが普及を加速
近年、ジャンプスターターは軽量化とコンパクト化が進み、価格も手ごろになってきた。この進化はドライバーにとって大きな利便性をもたらしている。
さらに、多くのジャンプスターターはモバイルバッテリーやLEDライトなど多機能を備えている。災害時やアウトドアでスマートフォンの充電や照明として活用可能だ。例えば、2万1800mAhや2万4000mAhの大容量バッテリーを搭載したモデルも登場し、複数回のエンジン始動や長時間の充電に対応する。車に常備するだけで、緊急時の安心感が大幅に向上する。
安全面でも進化が進んでいる。逆接続防止や過電流保護、ショート保護など、初心者でも安心して使える機能が標準装備の製品が多い。ロードサービスの到着に時間がかかる場合も多く、JAF未加入の場合、バッテリー上がりの対処だけで2万円以上の費用がかかることもある。そうしたコスト面でもジャンプスターターの常備は大きなメリットになる。
このように、ジャンプスターターはバッテリー上がりの対策だけでなく、車載の“お守り”としての役割も果たしている。
防災意識の高まり
近年、災害や停電に備えるため、ジャンプスターターの需要が高まっている。スマートフォンの充電や照明としても利用できるため、単なる車載アイテムにとどまらず、
「防災グッズ」
としての価値が注目されている。都市部では停電や孤立リスクが意識され、防災意識の高いユーザーを中心に常備が広がっている。
内閣府の『防災白書』でも、災害時の電力確保手段としてモバイルバッテリーの活用が推奨されている。ジャンプスターターも、スマホ充電や照明用途で自動車メディアやユーザーレビューで注目を集めている。東日本大震災や令和元年房総半島台風などの大規模災害の経験から、防災意識の高いユーザーが常備を増やしている。
このようにジャンプスターターは、バッテリー上がり対策だけでなく、災害や停電時の備えとしても重要な役割を果たしている。特にスマホ充電や照明機能を備えた多機能モデルは、若年層やファミリー層に人気が高い。
普及の背景と今後の展望
インドの調査会社360iResearchが2024年12月に発表したレポートは注目に値する。2023年のジャンプスターター市場規模は4億779万ドルだった。2024年には4億2357万ドル、2030年には5億3947万ドル(約782億円)に達すると予測されている。年平均成長率は
「4.07%」
と報告されている。需要増加の背景には、小型化や多機能化による利便性の向上がある。
かつては大型で高価だったジャンプスターターも、現在は手のひらサイズで数千円から購入可能となった。これにより、一般ユーザーでも気軽に車載できる環境が整っている。
今後はさらなる多機能化やIoT化が進む見込みだ。スマートフォンアプリと連動し、バッテリー状態を遠隔監視できるモデルや、AIによる故障診断機能を搭載した製品の登場も期待されている。
市場拡大にともない価格競争も激化している。技術革新とともに、多機能化や安全性、耐久性の向上がさらに進むことが期待される。(木村義孝(フリーライター))
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みんなのコメント
車で電力を多く消費するには、スターターモーターを回す時だ。
車が止まる度にエンジンを止めて、再スタートの度にエンジンを掛けていたら、そりゃバッテリーも劣化するよ。