ハミルトンのフェラーリ適応、みんな期待高すぎ？ 中国スプリント勝利も「少し落ち着け」とバスール代表

　フェラーリのフレデリック・バスール代表は、今季からチームに加わったルイス・ハミルトンが中国GPのF1スプリントで勝利を収め注目を集めたからといって、期待を高めすぎず落ち着きを保つ必要があると語った。

　ハミルトンは12年間を過ごしたメルセデスを離れてフェラーリに加入すると、第2戦中国GPのスプリント予選でポールポジションを獲得。そのままレースを逃げ切り、F1スプリントではあるが、フェラーリでいきなり勝利を手にした。

　ただその後のハミルトンは順風満帆のシーズンとはなっていない。中国GP決勝はスキッドブロックが規定以上に摩耗したことで失格となり、日本GPでは7位、バーレーンGPでは5位と表彰台には届いていない。

　サウジアラビアGPを前に、フェラーリのバスール代表はハミルトンがチームにより慣れるために、何かできることはあるかと尋ねられた。すると、バスール代表は中国GPの興奮から落ち着かなくてはと語った。

「ルイスはマクラーレン、メルセデスで戦ってきた20年の経験を持ってこのチームに加わった。そうした経験とビジョンを持ち、チームの向上の助けとなるドライバーが加入するというのは、いつであれ素晴らしいことだ」

「そしてこれはルイスだけという話ではなく、シャルル（ルクレール／現チームメイト）であれ、昨年のカルロス（サインツJr.／ハミルトンの前任）であれ、我々はドライバーのために常にベストを尽くし、彼らにとってベストなマシンバランスを見つけようと努めている。そして、2台のマシンで同じように全力でプッシュしている」

「中国GPの土曜日夜には、皆さんが（ランキング3位以上が出席するFIAの）年間表彰式について熱く語っていたと思うが、少し落ち着かなくてはいけないと思う」

「我々は新しいマシンを投入した。昨年のマシンをそのまま使っているわけではない。恐らく適切なバランスとセットアップを見つけるのに、少し苦労してしまっているのだ」

「だがそれはグリッドにつく全てのチームにとっての日常だ。コンマ1秒の違いで、バランスは全く良くない、それともそれほど悪くないと感じることもあるだろう」

「とてもポジティブな点は、我々がチーム一丸として作業に取り組んでいることだ。ドライバーふたりは、同じ方向に向かってプッシュしている」

　バスール代表は、フェラーリに成功に向けた要素は全て揃っていると感じるか？　とも尋ねられた。その問に、彼はこう答えた。

「材料は全て揃っているが、今はそれを料理する必要がある、といったところだ。適切なところで、適切なモノを組み合わせていかなければならない」

「正直なところ、今のところはマシンからベストパフォーマンスは期待できないと感じている。だが、それは我々だけではなく他のチームにとっても当てはまることだと思う」

「（ランキング首位の）マクラーレンでさえもだ。彼らは他のチームに比べて前進しているが、時には少し苦労するマシンが出ることもある」

「数年前はミディアムタイヤでQ1を1度計測すれば、Q2に進むことができた。しかし今では、トップチームでさえも、ソフトタイヤでのタイヤが必要なんだ」

「つまり争いは非常にタイトになっているということで、ミスをしてしまうたびに、5～6ポジションを失う可能性があるんだ。結果的に外から見ると、ドラマに満ちた展開になるんだ」

「我々は純粋なパフォーマンスにさらに集中して、改善したいのなら落ち着きを保って分析を進める必要があるということだ」

「昨年のチームの強みのひとつは、チャンスを活かすということだった。私としては、今年も同じようにできればと思っているよ」

　なお第5戦サウジアラビアGPの初日、ハミルトンは予選と決勝と同じ時間帯に行なわれたFP2で13番手タイム。苦しい蹴り出しとなっている。

Comments

[tnw]

冷静であることは実施しても本当に落ち着いているのか自分でもわからない。排除には排除するしか無いと思われる。