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日産の新型EVは大型SUV! 「N8」と見られるその中身を提携メーカーの「eπ008」から占う

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日産の新型EVは大型SUV! 「N8」と見られるその中身を提携メーカーの「eπ008」から占う

N7と同じ流れで大型SUVを導入か

日産が中国市場でスマッシュヒットを飛ばしているN7に続く新型EVについて、売れ筋の中大型SUVを投入してくるのではないかという最新動向を、そのベースとなる車種の存在、そして現在中国市場で盛り上がる3列シート搭載大型SUVセグメントの最新動向を含めて解説します。

日産の起死回生の一撃がスゴイ! 「この中身でこんな安いの?」驚きしかない最新EVセダン「N7」

まず、今回取り上げていきたいのが日産の新型EV動向です。日産は4月末に中国市場でミッドサイズセダンN7の正式発売をスタートさせて、すでに発売開始50日間で2万台の受注を獲得。さらに、6月中に世界戦略車として三代目となる新型リーフを発表しました。さらに欧州市場ではマイクラEVを2025年末までに投入予定です。

そして、欧州以上にEVシフトが進んでいる中国市場には、2027年夏までにN7を含めて合計9車種の新エネルギー車を展開する方針を表明しています。すでに2車種目は、フロンティアプロというピックアップトラックのPHEVを2025年末までに導入する方針です。

そして、日産は2024年の北京オートショー内にて、今後の新型EVのベースとなるコンセプトモデルを4車種も発表していたという背景が存在します。

まずセダンのEvoコンセプトはPHEVであると説明されており、もしかしたら2025年後半に投入予定のN7のEREV(レンジエクステンダーEV)を指しているのかもしれません。

次にEraコンセプトは都市型コンパクトSUVのPHEVと発表されています。日産の売れ筋であるキャッシュカイやエクストレイルのPHEVバージョンとしてラインアップされるのかもしれません。

そして、今回取り上げていきたいのがEpochコンセプトの存在です。このEpochコンセプトはBEVであると説明されており、より大型のSUVと推測可能です。もしかしたらエクストレイルよりも大きく、パスファインダー級のフラグシップSUVとしてラインアップされるのかもしれません。

じつは、このパスファインダーのような3列シート搭載の大型SUVセグメントは、現在多くのEVがラインアップされています。とくに豪華シート、リヤエンタメスクリーン、冷温庫という「三種の神器」が重要視されており、このような豪華装備内容を網羅した大型電動SUVが人気となっているのです。

そして、とくにEpochコンセプトとともに、日産の大型
SUV導入の可能性が高まっていると推測できる理由が、合弁先であるDongfengのEV専門ブランド「eπ」から、すでに大型SUVがラインアップされているという点です。じつはeπからは007というミッドサイズセダンが発売済みであり、日産も同じくミッドサイズセダンのN7を発売しています。

Dongfengとの車両パーツ調達などで協調しているはずであり、よって似たようなセグメントからEVが投入されることになるのは当然の流れといえるでしょう。つまり、eπ007だけではなく、eπ008と同セグメント、つまり大型SUVセグメントのEVを日産も導入してくる可能性が高いのです。

今回取り上げていきたいeπ008は、全長5002mm、全幅1972mm、全高1732mm、ホイールベースが3025mmという中大型SUVセグメントに分類されます。日本国内ではフルサイズSUVに該当しますが、中国市場では一般的に全長5200mm級がフルサイズ大型SUVと分類されるためです。

また、eπ008で重要なポイントが、BEVとともにEREVもラインアップしている点です。このグラフは中大型以上の電動SUVの月間販売台数の変遷を示したものです。とくにモデル名の後ろに記載されている値段設定を見てみれば、30万元(約600万円)以上というプレミアムセグメントに該当する車種が多いことがわかります。他方で、eπ008やリープモーターC16はどちらも日本円換算で300万円台で発売。今後はプレミアムセグメントだけではなく大衆セグメントでも大型電動SUVのラインアップが拡大していくはずです。

豪華な装備にも期待できる

販売台数で圧倒的なのがAITO M8とM9の存在です。とくにベストセラーモデルのM9は日本円で1000万円級の高級車であるものの、月間1.5万台級と大ヒットしています。三種の神器に加えて、ファーウェイ独自OS「Harmony OS」や自動運転システム「ADS4」など、独自機能を網羅することでドイツ高級車を凌駕するベストセラー高級車となっているのです。

そして、これらの全モデルがEREV、もしくはPHEVであり、一部モデルではBEVもラインアップしているものの、その販売構成は基本的にPHEV/EREVが圧倒的マジョリティです。他方でeπ008とリープモーターC16のBEVとEREVの販売シェア率は約2:3程度と、大衆セグメントではBEVが選ばれている様子も見て取れます。よって、日産の中大型SUV、仮称「N8」にもEREVだけでなくBEVをラインアップしてくる可能性があります。

次に、具体的なEV性能について、EREVの場合は熱効率45.18%の発電用エンジンを搭載しながら、34.32kWhの大容量バッテリーを搭載することでEV航続距離は210kmを達成。

燃費性能もWLTCモードで5.75L/100kmと、大型SUVのEREVとしては優れた効率性を実現しています。BEVの場合は82.28kWhのLFPバッテリーを搭載することで636kmの航続距離を確保。また、キャプテンシートを採用する6人乗りとともに、5人乗りもラインアップすることで多様なニーズをカバーしています。

これらの車両性能を兼ね備えながら、eπ008は日本円で362万円からのスタートです。とくに3列シート搭載の大型ファミリーSUVとしては、中国市場でも最安レベルのコスト競争力を実現しており、実際に月間2000台以上の販売台数を実現しています。

そして、このeπ008に対して注目するべきは車両性能という観点だけでなく、豪華装備内容という観点でしょう。とくにeπ008の上級グレードUltraには、

・15.6インチのセンタースクリーンとともに、後席向けの21.4インチの折りたたみ吊り下げスクリーンを搭載

・シート周りについて、運転席には8方向電動調整、4方向ランバーサポート、シートメモリー、ヒーター、ベンチレーション、マッサージを搭載

・2列目キャプテンシートにも4方向電動調整とレッグレスト、シートヒーター、ベンチレーション、メモリー、さらにオプションでマッサージ機能も搭載可能

・64色のアンビエントライト

・ヒートポンプシステム

・ガラスルーフ

・フレグランスシステム

・5℃から50℃に対応する6.5リットルの冷温庫(センターコンソールから分離して3列目まで電動でスライド可能)

・V2X機能は最大6kWに対応

・ハイエンドADASはハイウェイNOAに対応

・20スピーカーシステムは7.1.2対応

・高張力鋼の配合割合は70.8%、最大1500MPaの超高張力鋼を採用

これらの豪華装備内容を網羅している最上級Ultraグレードでも、現在日本円で約380万円と驚異的なコスト競争力です。

いずれにしても、中国市場で苦戦している日産はN7だけでなく、これから発売していくすべてのEVを成功に導くことが不可欠です。そのような状況で期待されているのがeπ008と同等となる3列シート搭載の中大型SUV、仮称「N8」の存在なのです。eπ008と似たような三種の神器は当然として、とくにN7から採用されている新型シートや、Momentaと共同開発するハイエンドADASの搭載、日産の独自内製OS「Nissan OS」の採用によってeπ008を上まわる完成度に期待したいところです。

さらに、EV性能も、とくに日産初となるEREVテクノロジーがどれほどの完成度を実現してくるのか。おそらく2025年後半に投入予定のN7のEREVグレード発売の際に詳細に説明されるはずです。e-POWERの知見が存分に生かされた専用エンジンとなるのか。熱効率や燃費性能をはじめとする性能の高さにも注目でしょう。

eπ007よりも総合的な完成度で優れるN7と同じように、eπ008よりも優れたパッケージを実現する日産「N8」の登場にも大きく期待していきたいと思います。

文:THE EV TIMES 高橋 優
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みんなのコメント

30件
  • nig********
    中々かっこいいな。
  • gnt********
    悪くないね。くるまのニュースもこういう記事書けっての。何度も何度も使い回した詐欺みたな記事書いてないで。と、新鮮なニュースを見るとそう思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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