世界三大レースのひとつ、F1モナコGPを今年制したのはマクラーレンのランド・ノリスだった。
シーズン第8戦、ヨーロッパ3連戦の2レース目として設定された今回のモナコGP。週末を通して、モンテカルロ市街地サーキットには青空が広がり、決勝日の5月25日(日)も地中海の暖かい日差しが照らした。現地15時の気温は22度、路面温度は45度だった。
【リザルト】ノリスが初制覇!|F1 2025 モナコGP決勝
前日の予選では、マクラーレンのランド・ノリスが地元戦となるフェラーリのシャルル・ルクレールを下してポールポジションを獲得。2列目にはマクラーレンのオスカー・ピアストリとレッドブルのマックス・フェルスタッペンが並んだ。
今回のモナコGP決勝では特別ルールとして、3つの異なるタイヤセットを使用することが義務づけられ、レース中にはタイヤ交換を2回実施することとなった。例年、各車が数珠つなぎで面白みがないと批判の対象となってきたレースに”スパイス”を加えることができるのか? そうした点も注目を集めた。
この特別ルール適用により、各チームのタイヤ戦略は未知数。気になるスタートタイヤでは考えが別れ、トップ3がミディアムタイヤを選んだ一方で、フェルスタッペンはハードタイヤを選択した。
全体的にはミディアムタイヤ、もしくはハードタイヤというのが基本的な戦略だったが、12番手スタートとなったレッドブルの角田裕毅などはソフトタイヤを履いた。
20台がグリッドに並び、78周で争われる決勝レースの火蓋が切られると、ノリスがターン1でルクレールの攻撃を抑えて首位をキープした。後方では大きな順位変動こそなかったものの、ザウバーのガブリエル・ボルトレトが、メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリとのバトルの中でポルティエでクラッシュ。再始動することができたが、コースにはバーチャル・セーフティーカー(VSC)が提示された。
1周目終わりにはソフトスタートの角田や、ダメージを負ったボルトレトを含む4台がピットイン。VSCでタイムロスを最小限に抑えつつ1回目のピットインを終えた。同じ戦略を取ったハースのオリバー・ベアマンはタイヤ交換に手間取りタイムを大きく失った。
VSCは4周目途中に解除。全車がレーシングスピードへと戻った。すると、1周目終わりにピットへ飛び込んだひとりであったアルピーヌのピエール・ガスリーが9周目のヌーベル・シケインで角田に追突する形でクラッシュ。幸いガスリーはピットまでマシンを戻し、角田も走行を継続することができた。どうやらガスリーにはブレーキ系統のトラブルがあったようだ。
このアクシデントでセーフティーカー(SC)やVSCが提示されることはなくレースは続行。この時点で既に、大きく分けて首位ノリスから8番手エステバン・オコン(ハース)までの集団、そして9番手リアム・ローソン(レーシングブルズ)から最後方までという2つの集団に20台が分断された。
ローソンがペースを落としていたのは、5番手を走行していたチームメイトのアイザック・ハジャーにピットストップ後も前に行かせるため。これによりチームは14周目終わりにハジャーをピットに呼び込み、ローソン前方の広く空いたスペースに送り出すことができた。
ソフトタイヤを履いたハジャーは19周目終わりに2回目のピットイン。ここまでローソンは10番手以下を抑え込むレースを続けていたたため、レーシングブルズは8番手のままハジャーをコースへ送り出した。
レーシングブルズの後ろでレースをかき乱された形となったウイリアムズだったが、同様の戦略を採った。カルロス・サインツJr.がペース落としてメルセデス以下の後続を抑え込み、前を走るアレクサンダー・アルボンを先行させたのだ。これでアルボンはトラックポジションを大きく失うことなくタイヤ交換義務を全て済ませた。
加えてウイリアムズはアルボンが義務を終えると2台のポジションを入れ替え、今度はアルボンが後続を抑え込み、サインツJr.が2度のフリーストップを行なうという戦略に出た。
メルセデス勢はライバルの術中にまんまとハマり、1度もピットストップができずにウイリアムズ勢に封じ込められた。痺れを切らしたメルセデスのジョージ・ラッセルはヌーベル・シケインをショートカットし、タイム加算ペナルティ覚悟でアルボンを抜いたが、これが意図的なコースオフだとしてドライブスルーペナルティが下った。チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも同様にシケインでアルボンをランオフエリアで抜いたが、こちらはポジションを元に戻した。
なおペースを意図的に落とす戦略を取るドライバーが現れたため、レース折り返しを過ぎた時点で、2度タイヤ交換を済ませた中で最上位となる6番手ハジャー以下がラップダウンとなった。
順当にレースができていたトップ5に目を移すと、49周目以降から続々と2回目のピットストップを実施。4番手にいたフェルスタッペンは逆転勝利の目を狙うため、第2スティントを引っ張ることを選んだ。後方には既に義務を消化したノリスやルクレール、ピアストリが後方に迫っていたが、こちらは赤旗中断でポジションを失うことなくタイヤを変えるというチャンスに賭けた。
しかしレッドブルとフェルスタッペンが願ったチャンスは最終盤まで訪れず、ファイナルラップを前にピットへ入り4番手に後退。これでノリスが首位に戻り、自身のスピードを見せつけるかのように1分13秒221のファステストラップを叩き出してトップチェッカーを受けた。2位にルクレール、3位にピアストリという表彰台の顔ぶれだった。
マクラーレンにとっては18年ぶり、ノリスにとってはこれが初のモナコ制覇。タイトル争いでもチームメイトに流れを持っていかれつつある中で開幕戦ぶりの優勝を掴み、ヘルメットを脱いだノリスはどこかホッとした表情だった。
4位フェルスタッペン以下は、ハミルトン、ハジャー、エステバン・オコン(ハース)、ローソン、そしてレース終盤にポジションを入れ替え直したアルボン、サインツJr.というトップ10の並び。熾烈な中団争いで1手、2手先を読み、チェスマッチを制したレーシングブルズとウイリアムズが貴重なダブル入賞を果たした。
角田は1周目終わりにピットへ飛び込む戦略が裏目に出て、悔しい17位。意図的にペースを落とし、2台のうち1台を先行させて義務を消化するというチーム戦略をレーシングブルズ、ウイリアムズ、そしてメルセデスが取ったことで身動きが取れなかったことが主な要因だ。しかし予選順位次第では、また違った展開があったのかもしれない。
次戦は1週間後のスペインGPだ。
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