現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「コイツでレースしたらカッコイイじゃん?」ホンダCB1000SFに衝撃を受けた’92年からCBにぞっこん!~丸山浩のBIG-1レース挑戦録~

ここから本文です

「コイツでレースしたらカッコイイじゃん?」ホンダCB1000SFに衝撃を受けた’92年からCBにぞっこん!~丸山浩のBIG-1レース挑戦録~

掲載 8
「コイツでレースしたらカッコイイじゃん?」ホンダCB1000SFに衝撃を受けた’92年からCBにぞっこん!~丸山浩のBIG-1レース挑戦録~

“戦うBIG-1乗り”の思い出を本人が語る!

初代BIG-1ことCB1000SFから、33年の長きに渡りホンダネイキッドのフラッグシップとして君臨してきたCB1300シリーズが、いよいよ生産終了を迎えた。CB1000Fの正式発表までカウントダウン状態と思われる今、BIG-1と共に数々の伝説を残し、現CBアンバサダーとなった丸山浩が、なぜBIG-1を愛してやまなかったのか述懐する。

→【画像】「コイツでレースしたらカッコイイじゃん?」ホンダCB1000SFに衝撃を受けた’92年からCBにぞっこん!~丸山浩のBIG-1レース挑戦録~

●まとめ:宮田健一 ●外部リンク:ホンダ

CBで戦うことにロマンがあった

’91年の東京モーターショーに参考出品されたCB1000SFのプロトタイプを見たときは、純粋に「カッコイイ!」と衝撃を受けた。そして’92年に市販版が出るや早速手に入れ、最初はツーリングメインで楽しんでいたんだ。

―― TOFで伝説的な強さを誇った丸山浩のWITH ME・CB1000SFも最初は自走で参戦。まだカラーリングもノーマルだった。

そのうち「こんな大きいバイクでレースをやったらもっとカッコイイよね」と仲間内と盛り上がった勢いでTOF=テイスト・オブ・フリーランス(現テイスト・オブ・ツクバ)に挑戦。なんと初戦は自走で行ったんだ。現地で保安部品を外してレースだなんて、いかにも草レースらしい楽しみ方でしょ。

で、戦ってみるとそこはプロレーサーの私。中途半端じゃ気が済まず、本気になって続けていくことになった。当時のTOFはXJR1200の戸田隆やミハラスペシャリティのGPZ900R、そして私のCB1000SFが3強と呼ばれ、毎回バチバチの激戦。そのうち私の活躍に感化されてCBで参戦する他のライダーも増えていった。

残念なのはそうした彼らが長続きしなかったことだが、それについては仕方がないことだった。単純にリザルトのみを求めるなら、もっと楽に速く走れるマシンがあったんだもん。いや、ホントにCBで勝つのは大変だったんだ。XJRにしたって排気量が200ccも違ったからね。

―― TOF最強の初代BIG-1【’92・CB1000SF(SC30)】初代BIG-1ことCB1000SFは、998cc直4にダブルクレードルフレーム+2本サスでビッグNKブームを牽引。’93からTOFに参戦した丸山浩の走りはCB乗りたちの憧れに。

でも、私は大好きなCBにこだわった。CBで勝つために毎戦ごとに仕様を変えてたよ。もうリヤサスなんて何本換えただろう。フロントフォークはHRCキットを入れたRC30用がベースだったな。マフラーもサーキットではエキパイがどうしても擦っちゃうし、パワー特性を含めて結局は自分で納得いくものを作ってしまった。

―― 【’98・初代CB1300SF(SC40)】’98発売の初代CB1300SF(SC40)。排気量は1284ccでRサスのダブルプロリンク機構がユニークだった。マフラーは左右2本出し。車重273kg。

そしてコースレコードも打ち破り、やれるとこまでやり切り3連勝したところでCB1000SFによるTOF挑戦は終了したんだ。

次にBIG-1は’98年に初代1300のSC40型に進化した。最初は排気量もアップしているし、これで再びレースか! と思ったんだけど、当時のビッグネイキッドはとにかく重厚長大がもてはやされた時代でバランス的にスポーツ性は二の次。だからウィズミーでのチューンもストリート向けに留まっていたよ。

SC54の登場で再びレースに挑戦

SC40もリヤサスのダブルプロリンクは理論的には優れていたんだ。1000時代は奥で踏ん張ってタイヤをグリップさせるためにスプリングをダブルレートにしたりなど苦労したけど、それをリンクのプログレッシブ効果で解消しようという……。だが、いかんせんSC40は車重が重すぎて活かしきれなかったんだ。

そんな反省もあったのか、CBは再びスポーツ性を手に入れた。今回のファイナルエディションまで続くSC54型だ。そのデカさとスポーツ性のバランスの良さはご存じのとおり。

個人的にニンマリしたのはエキパイの集合方式だった。4-2-1ながら1-4番・2-3番を最初につなぐのは、私が1000SF用に作ったマフラーと同じ。1-2番・3-4番をつなぐノーマルマフラーに対しレースで勝つため試行錯誤して作り出したもので、ホンダの開発者も参考に購入していたという裏話も。実車を前にやっぱりスポーツ性を求めるならあれが正解だったんだと思った記憶がある。

かくしてSC54でレースマシンを作り、もう一度TOFに挑むことに。初戦で2位と好調な滑り出しとなった。ほどなくホンダがこのSC54で鈴鹿8耐に挑戦することになり、なんとライダーに私とエイミングスポーツの前田淳(故人)が選ばれることに。

―― 【’03・2代目CB1300SF(SC54)】車重254kgと大きく軽量化したSC54型は’03デビュー。翌’04には開発陣自らがチームを作って鈴鹿8耐に挑戦。CB乗りたちのロマンに応えて見せた。

ファイアーブレードなど並みいるスーパースポーツ相手の戦いはなかなか難しく、決勝は追突されるなど結果は不本意だったが、カウルの付いたその姿がその後に100台限定のドリームスペシャルやスーパーボルドールへとつながったのだから、あえてCBで挑むというロマンはファンにしっかり届いたと思う。

現在、自分のSC54レーサーはエンジンをノーマルに戻して、マル耐など主に草レースを楽しむ仕様に。自走の1000SFでレースに行った初心の頃を忘れず、CBファンとロマンを分かち合っている。

今は初心に帰って楽しむ!

―― CBファンたちと走りを一緒に楽しむために今はノーマルエンジンに戻したSC54レーサー。自走で行った約30年前と思いは同じだ。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

文:WEBヤングマシン ヤングマシン編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

デュルクセンが昨年に続きアブダビ制す! 宮田莉朋は8位入賞でランキング17位|FIA F2ヤス・マリーナ フィーチャーレース
デュルクセンが昨年に続きアブダビ制す! 宮田莉朋は8位入賞でランキング17位|FIA F2ヤス・マリーナ フィーチャーレース
motorsport.com 日本版
<新連載>[カー用音響機材・チョイスの極意…スピーカー編]機材を変えれば世界が変わる! まずは“セパレート”か“一体型”かを検討
<新連載>[カー用音響機材・チョイスの極意…スピーカー編]機材を変えれば世界が変わる! まずは“セパレート”か“一体型”かを検討
レスポンス
“スーパーハイブリッドSUV”を謳うBYDのプラグインハイブリッド車「シーライオン6」が日本発売。車両価格はFWDモデルで400万円を切る価格帯に設定
“スーパーハイブリッドSUV”を謳うBYDのプラグインハイブリッド車「シーライオン6」が日本発売。車両価格はFWDモデルで400万円を切る価格帯に設定
カー・アンド・ドライバー
まだやってるんすか!? 「ナンバープレートの封印にペットボトルのキャップ」取り締まられたら恐ろしいことに
まだやってるんすか!? 「ナンバープレートの封印にペットボトルのキャップ」取り締まられたら恐ろしいことに
乗りものニュース
ノリス、初タイトルかかるレース戦略は表彰台確保……じゃない! 「リスクを取る必要がないと思われてるのを利用したい」|F1アブダビGP
ノリス、初タイトルかかるレース戦略は表彰台確保……じゃない! 「リスクを取る必要がないと思われてるのを利用したい」|F1アブダビGP
motorsport.com 日本版
4年ぶり復活! ホンダ新型「“5人乗り”SUV」発表! “アコード”エンジン&高性能4WD搭載! “2列目”が広すぎる「6代目CR-V」どんなクルマ?
4年ぶり復活! ホンダ新型「“5人乗り”SUV」発表! “アコード”エンジン&高性能4WD搭載! “2列目”が広すぎる「6代目CR-V」どんなクルマ?
くるまのニュース
スタンレー電気が新型リアランプ開発! “粒状面発光”で視認性2秒向上の理由
スタンレー電気が新型リアランプ開発! “粒状面発光”で視認性2秒向上の理由
ベストカーWeb
ブガッティ最後の16気筒エンジンモデルが誕生! ワンオフ製作された「ブリュイヤール」とは
ブガッティ最後の16気筒エンジンモデルが誕生! ワンオフ製作された「ブリュイヤール」とは
WEB CARTOP
アロンソ、予選6番手に満面の笑み。タイトル争いはコース脇のスクリーンで”見守る”姿勢「月曜日のニュースになりたくないからね!」
アロンソ、予選6番手に満面の笑み。タイトル争いはコース脇のスクリーンで”見守る”姿勢「月曜日のニュースになりたくないからね!」
motorsport.com 日本版
祝・プレリュード復活! とはいえ新車は高くて買えないので歴代の中古車を探してみた結果けっこう難しい選択だった
祝・プレリュード復活! とはいえ新車は高くて買えないので歴代の中古車を探してみた結果けっこう難しい選択だった
WEB CARTOP
バスの手すり「オレンジ」は“絶対ルール”! じゃあ座席が「青い」理由は? 国が決めた意外なワケ
バスの手すり「オレンジ」は“絶対ルール”! じゃあ座席が「青い」理由は? 国が決めた意外なワケ
乗りものニュース
ホンダ『CB1000F』3Dモデルを無料配布、CLIP STUDIO ASSETSでリアルに再現
ホンダ『CB1000F』3Dモデルを無料配布、CLIP STUDIO ASSETSでリアルに再現
レスポンス
「ほぼ可能性なし」からの大逆転!D1で藤野秀之選手が1点差の劇的優勝【Key’s note】
「ほぼ可能性なし」からの大逆転!D1で藤野秀之選手が1点差の劇的優勝【Key’s note】
Auto Messe Web
新色追加とユーティリティ面のアップデートでより上質な1台へ! レクサスUX300hがマイナーチェンジを実施
新色追加とユーティリティ面のアップデートでより上質な1台へ! レクサスUX300hがマイナーチェンジを実施
WEB CARTOP
スバル新「“4WD”スポーツハッチ」が凄い! 伝統の「金ホイール×巨大ウイング」採用! まさに「“毎日乗れる”スーパーカー」な斬新“パフォーマンスE”がこだわったデザインとは!
スバル新「“4WD”スポーツハッチ」が凄い! 伝統の「金ホイール×巨大ウイング」採用! まさに「“毎日乗れる”スーパーカー」な斬新“パフォーマンスE”がこだわったデザインとは!
くるまのニュース
システム出力はまさかの711ps!? お披露目直後のポルシェ 911ターボSに試乗
システム出力はまさかの711ps!? お披露目直後のポルシェ 911ターボSに試乗
ベストカーWeb
7度のF1王者が3戦連続のQ1敗退。ハミルトンから「ただただ怒りが込み上げてくる」と悲痛な声
7度のF1王者が3戦連続のQ1敗退。ハミルトンから「ただただ怒りが込み上げてくる」と悲痛な声
motorsport.com 日本版
購入後「1年以内に売られる新車」トップ10! 早期売却の背景に何が起きているのか?
購入後「1年以内に売られる新車」トップ10! 早期売却の背景に何が起きているのか?
Merkmal

みんなのコメント

8件
  • kor********
    アメリカでもバガーレースが盛り上がっているからアリって言うとアリだと思う。ただしフレームをワンオフして筑波用にコンパクトに作り直したりしたら際限がなくなってしまうからあくまでデカいバイクという基本的なルールを守って。そうするとスズキのB-KINGあたりも出たら面白い。
  • ぼよよん
    04年の8耐レーサーがカッコ良かった!
    \(//∇//)\

    そのレプリカのドリーム・スペシャルも、カウリングがそのままだったのでカッコ良かったですね ♪
    ( =^ω^)
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村