もくじ
どんなクルマ?
ー 初代GTIと近似するボディサイズと最高出力
ー 「GTI」にするため、全方位アップデート
どんな感じ?
ー コーナーを選ばず攻め込めるバランス
ー 使い切れるパワーが生む、楽しい体感速度
ー 他のフォルクスワーゲンと変わらぬ洗練性
「買い」か?
ー 身近に乗れる、魅力的なホットハッチ
スペック
ー フォルクスワーゲン Up! GTI 1.0TSIのスペック
どんなクルマ?
初代GTIと近似するボディサイズと最高出力
遂に、元気なフォルクスワーゲンのUp!の、ホットで速いモデルが英国にやってきた。
これまでの経緯は恐らくご存知かとは思うが、2016年にUp!のGTIが登場すると公表されて以来、フォルクスワーゲンは1976年の初代ゴルフGTIと、その存在をリンクさせてきた。新しいUp! GTIは、パフォーマンスやサイズ、パワーなどでホットハッチの象徴でもある初代ゴルフGTIと近似しているのだから、無理もない。
ただ、わたしの場合、この2台の近似点を比較させても、あまり実感が沸かないのが本音。何しろ初代ゴルフGTIの登場時はまだ17歳だったし、いままで運転したことがないから。
紙面上のデータを見る限り、この2台は類似しているように思える。Up!はターボチャージャー付きの1ℓ3気筒が114psを発生させるのに対し、初代ゴルフGTIは自然吸気の1.6ℓ4気筒が110psを発生させていた。
この2台は異なる時代のクルマ。もちろんUp!は現代のクルマだから、初代ゴルフより装備や信頼性、安全性などの面では優れている。
Up! GTIが、初代ゴルフGTIのような象徴的な地位を本当に確立できるのか、あるいは現行のゴルフGTIと同等の評価を得られるのかを知るには、40年ほど待つ必要があるのかもしれない。
「GTI」にするため、全方位アップデート
都市部用のコンパクトカー市場で、最も優れた1台だと言えるUp!。フォルクスワーゲンは標準仕様からGTIバージョンに仕上げるにあたって、パワフルなエンジンに積み替えるだけでは不十分だと考えた。
フロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームとなるサスペンションにはかなりの手が加えられ、車高は15mm下げられた。さらに、前輪へ駆動させるトランスミッションは、標準の5速マニュアルに代わって6速マニュアルに変更。
見た目もGTIとするために、17インチのアルミホイールや前席のスポーツシート、艷やかな「ジャカラレッド」色の内装パネルへ変更されているのに加えて、GTIのロゴもあちこちに散りばめられた。
環境面でも、排気ガスに含まれる粒子状物質の95%を吸着させることが可能な、ガソリン微粒子捕集フィルターが装備されている。
初めての英国、どの道から走ろうか。
どんな感じ?
コーナーを選ばず攻め込めるバランス
われわれにとって英国発となるUp! GTIの旅は、英国西部のウェールズ州にある小さな町、クリックホーウェルから、ブレコン・ビーコンズ国立公園を目指すことにした。その道のりには、短い直線を挟んでタイトなヘアピン、高速コーナーが続き、起伏にも富んでいる。しかも路面は荒れている。
まさに、ホットハッチにはうってつけのエリアと言える。
もちろん、GTIはこの環境で思う存分楽しめるクルマだった。
電動パワーステアリングからの感触は充分ではないにしろ、重さは適正で、レスポンスにも優れており、全く不安感がない。優れたボディバランスを備えており、コーナーを選ぶこと無く、思い切ってUp!を攻め立てることが可能だ。
しかし、フロントタイヤのグリップ力は高いとは言え、コーナーへの進入速度が速すぎたり、コーナリング途中で余計なスロットル操作などをしてしまうと、アンダーステアが露呈する。一度アンダーステアに陥ってしまうと手に負えず、失ったトラクションを回復させるのは難しい作業になる。
使い切れるパワーが生む、楽しい体感速度
アップデートされたサスペンションは効果的。
全高が高く、全幅の狭いコンパクトカーであることを考慮すると、ボディロールは良く制御され、巡航速度では路面からの入力の吸収性にも優れている。ただし、大径の17インチホイールのためか、路面のうねりや轍にはやや敏感なようだった。
20.2kg-mの最大トルクを2000rpmで発生させるエンジンは、小さなボディを十分力強く感じさせ、0-100km/h加速は8.8秒でこなす。スロットルを深く踏み込んでも、首を痛める様な加速が得られるわけではないが、この控えめなパワーも、このクルマの魅力のひとつに思えてしまう。
最後まで使い切れるパワーは、小ぶりなGTIのボディサイズと相性が良く、存分に楽しめる体感速度を得られる。実際にはそれほど速いわけでもないから、大幅なスピード違反で、運転免許を停止されてしまう危険性も少ない。
しかも、サウンド面でも期待を裏切らない。エンジン音を増幅するサウンドシンポーザーというトリックが付いているが、「小粒でピリリと辛い」キャラクターにはピッタリ。
GTIは郊外の開けた道を楽しむことができるクルマには間違いなさそうだ。他の英国の道ではどうだろう。
他のフォルクスワーゲンと変わらぬ洗練性
まず、高速道路では、他のフォルクスワーゲンと印象は変わらない。
安定していて快適で、洗練された乗り心地を提供してくれる。マニュアルギアをうまく操作すれば、高速道路での追い越しも不可能ではない。ただし、高速域での風切り音は若干目立つようだ。
ステアリングコラムのテレスコピック調整は備わっていないが、ドライビングポジションなどエルゴノミクス面でも、大きな不満は感じないだろう。
Up!のルーツと言える、肝心の市街地の道では、ノーマルモデルと変わらない印象。
むしろ増強されたパワーのお陰で、合流や発進加速などの場面では運転しやすい。スポーツサスペンションを装備しているから、低速域での乗り心地はいくらか硬いが、扱いやすさを考慮すれば十分我慢できる範囲だろう。
「買い」か?
身近に乗れる、魅力的なホットハッチ
価格も魅力的で、個人契約購入(月払いリース)なら毎月139ポンド(2万円)で乗ることができるし、1万3750ポンド(208万円)を用意すれば、自分のクルマにできる。
フォルクスワーゲンUp!と同等の価格で見た場合、ライバルとなるモデルは多くはない。ルノー・トゥインゴGTも魅力的なクルマではあるものの、Up!ほどの楽しさや魅力は持っていないと思うし、ブラバス・フォーフォーは7000ポンド(106万円)も高価だ。
わたしの場合、初代ゴルフGTIと比較して、新しいUp! GTIの印象を述べることはできないが、7代目ゴルフGTIのオーナーではある。これは非常に競争力に優れたホットハッチではあるけれど、本気度が高い代わりに、機械的と言うか、若干冷淡な印象のあるクルマ。
Up! GTIはその反面、もっと身近に乗ることができる雰囲気を持っている。そのさじ加減が、このクルマにはぴったりだと思う。
フォルクスワーゲン Up! GTI 1.0TSIのスペック
■価格 1万3750ポンド(208万円)
■全長×全幅×全高 3600×1645×1478mm
■最高速度 196km/h
■0-100km/h加速 8.8秒
■燃費 20.8km/ℓ
■CO2排出量 110g/km
■乾燥重量 1070kg
■パワートレイン 直列3気筒999ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 114ps/5000rpm
■最大トルク 20.2kg-m/2000rpm
■ギアボックス 6速マニュアル
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