やったぜ!! ベストカー編集部員からチャンピオン誕生！ 追い込まれた状況から見せた逆転劇とは？

　2023年11月11～12日に行われた第7戦 S耐ファイナル富士4時間レースwithフジニック。ベストカーアルバイトスタッフである尾崎俊介はST-3クラスのチャンピンに輝いた！　その様子を戦った本人が振り返る。

文／尾崎俊介、写真／蔵本浩大

■雨が降る中晴れ用タイヤで挑む予選

スーパー耐久2023年シーズンのST-3クラスのポイントリーダーで迎えたヒグチロジスティクスサービス RC350 TWS

　ベストカーWebで学生時代からアルバイトスタッフとして編集部員をやっている尾崎俊介です！　かれこれ2年弱編集マンをやりながら、サーキットイベントの手伝いや走行会イベント「ざき走」の主催として働きながらスーパー耐久に参戦中。

　2021年にロードスターパーティレースでレースデビューし、2022年にはTEAM NOPROのデミオでスーパー耐久デビュー。そして今年の2023年はデルタモータースポーツのAドライバーとしてスーパー耐久ST-3クラスを1年間戦った。

　排気量3.5リッター以下のFRで戦うスーパー耐久のST-3クラス。毎戦のようにポールポジションと優勝が目まぐるしく変わる激戦区。

　我々38号車のヒグチロジスティスクサービスRC350 TWSは最終戦にポイントリーダーで迎えるものの周りとのポイント差が少なく油断ならない状況。

　なんとエントリー5台中4台がチャンピオンの可能性がある混戦状態。リタイアとなればもちろんチャンピオンは厳しいし、ライバルの結果によっては3位表彰台でもチャンピオンになれない。

　そんな中挑んだ土曜日予選。木～金曜日の練習走行ではチームメイトの39号車がコンマ7秒ほど速く、全くとの届きそうにない雰囲気。

　それでも38号車の強みはプレッシャーがかかる場面でもしっかり結果を残してきた今シーズン。どこか39号車に勝てるんじゃないという自信もありました。

パラパラと雨が降る中スリックタイヤで出走したAドライバー予選。トップまではコンマ3秒届かず3位だったが合算で2位を獲得！

　まず最初に行われたのが僕の担当であるAドライバー予選。予選開始のタイミングではパラパラ雨が降っているものの、晴れ用のスリックタイヤで出走。

　タイヤが発熱するまでは全くタイムが出なかったが、徐々に路面が乾いていく中で少しずつタイムを更新。

　結果的に最終ラップがベストタイムとなった。練習走行まで全く歯が立たないと思っていたチームメイト39号車には勝つことができましたが、ライバルのフェアレディZ勢には負けてしまいAドライバー予選は3位。

　1位から5位までが約コンマ5秒差とST-3クラス予選はかなり拮抗した戦いとなった。僅差だっただけにもう少し頑張っていればAドライバー予選を1位で終えられたのかなと悔しかったです。

　スーパー耐久の予選順位はAドライバーとBドライバーの合算で決めるため、Bドライバーの石森聖生選手も雨降る中力走し、合算で2位を獲得。ポールポジションはチームメイトの39号車のチームとしてはワンツーでスタートとなった。

■チームワークで勝ち取ったチャンピオン!!

ピットウォークは一般のお客様と触れ合う唯一のチャンスタイム。我々TRACY SPORTS with DELTAの面々はスポンサー様を全力でアピール

　今回のスーパー耐久最終戦では2万6000人の来場と大盛況！　決勝前のピットウォークではたくさんのお客様にお越しいただきました。

　TRACY SPORTS with DELTAの特徴はとにかくピットウォークで明るく振る舞うこと！（笑）。周りからは少しうるさく思われてるかも知れませんが…。

　それでも我々をサポートしてくださるヒグチロジスティスクサービスさんや三友商事さんの目玉商品であるエアーバスターなど、スポンサーさんを全力でアピール！

　他チームには有名選手が並ぶ中、我ながら他に勝るほどの人気ぶりだと思いました。

　そして決勝。今シーズンはライバルのフェアレディZ勢のレースペースがよく、予選で勝ててもレースで引き離される展開が続いていた。

　最終戦でもその流れは変わらず後方スタートのフェアレディZが徐々に追い上げてきて、レース開始1時間ほどで抜かされ3位に。

　後に1位を走行していたチームメイトも抜かされ、条件的にチャンピオンが取れない流れとなった。

ライバルのフェアレディZがレースペースが速くチャンピオンは厳しい展開に……

　そんな状況で尾崎のスティントへ。こういった場面では緊張や焦りが出るものだが、持ち前の落ち着きで淡々と安定したラップを築いていく。

　とはいえ、このままの順位ではチャンピオンは無理とも思えましたが、チームメイトの伊藤選手が脅威のペースで追い上げ1位を奪還！

　そして38号車のドライバー3人は今シーズンの強みでもある団結力でノーミス、ノーペナルティでバトンを繋ぎ着実にラップを重ねていく。

　そして最終スティントも尾崎が担当。後ろとのマージンは石森選手、鶴賀選手が築いてくれたので、チャンピオンに向けてクルマを安全にノートラブルで運ぶことに。

　そして！！！

　スーパー耐久最終戦富士を3位でチェッカー。これにより2023年スーパー耐久シリーズST-3クラスのチャンピオンに輝きました！

最終戦は3位で終え表彰台の高いところに登ることはできなかったが、シリーズチャンピオンを決めた！

　自分としてはここまで大排気量のクルマに乗るのは今シーズン初めての中、やり切れるのかの不安もありましたが、シリーズチャンピオンが取れたことは本当に嬉しかった！

　改めて今年関わってくれた方々や応援してくれた方に感謝します。今後とも編集部員兼ドライバーの尾崎俊介をよろしくお願いします！