ヨハン・ザルコは2020年シーズンにアビンティア・ドゥカティに加入。新たにドゥカティのマシンを駆ることになった。
彼は2019年にテック3・ヤマハからKTMへ移籍したが、特性の異なるマシンに適応することができず、最終的にKTMとの2年契約を早期に打ち切るという結末になってしまった。
■言い過ぎたかも……ヨハン・ザルコ、アビンティア“侮蔑”発言を謝罪
ザルコは昨シーズンの終盤3戦、怪我の治療により欠場することになった中上貴晶の代役としてLCRホンダからレースに出走した。ホルヘ・ロレンソの引退も相まって、一時はレプソル・ホンダ入りも噂されたが、Moto2チャンピオンのアレックス・マルケスが後任として起用されることになり、彼のホンダ入りは叶わなかった。
その後、ザルコはMoto2クラス出戻りも検討していたが、最終的にアビンティア、及びドゥカティに説得を受け、アビンティアに加入してMotoGPクラスに留まることになった。
しかし、ドゥカティのデスモセディチも彼が速さを発揮していたヤマハのバイクとはまた特性が異なるモノだ。ザルコ自身もそれを認識しているものの、自分がドゥカティのバイクを上手く乗りこなせるという根拠に、過去にドゥカティに所属していたロレンソを例として挙げている。
「ロレンソの例は僕にとってポジティブなモノだよ」と、ザルコはMotoSprontのインタビューに答えている。
「彼は特有のスタイルをもっていて、綺麗で正確だ。もし適切なフィーリングを感じられなかった場合、速く走ることはできない。そして妥協を経て、時間はかかったけどロレンソは勝った」
「ドゥカティのエンジニアは彼(の走り)に適応したと思う。彼が勝った時には、“純粋な”ロレンソを見たよ」
ザルコの言葉通り、ロレンソはドゥカティ加入後に苦戦を極めた。しかし2年目に入り、マシンのアップデートが進むと、ロレンソは3勝を挙げる活躍を見せた。
そして、それがザルコに希望を見せているようだ。
「それがドゥカティの強みだ。彼らはライダーの望む方向に合わせることができる。対照的にホンダは、マルク(マルケス)という強いライダーがいることで、より保守的なんだ」
「ドゥカティはより多くの可能性を拓いている。(アンドレア)ドヴィツィオーゾ、(ダニーロ)ペトルッチ、(ジャック)ミラー……彼ら全員が表彰台に上がれるレベルなんだ。それこそ、僕のモチベーションと決意の理由なんだ」
過去2年間、ザルコはヤマハ、KTM、ホンダと異なるバイクに乗ってきた。KTMのバイクには苦戦していたザルコだが、ホンダのバイクに乗って自信を取り戻すことができたという。
「KTMでは苦戦したけど、ホンダでフィーリングを回復させる事ができて嬉しかった」
「ホンダのマシンに乗ることは確かにリスキーなものだった。でもマルケスが勝っているマシンで速く走れなかったなら、辞めたほうが良いのかもしれなかった。ロレンソの身に起きたことのようにね」
「彼がホンダで、なぜ快適に感じられなかったのかは分からない。おそらく身体的な問題かもしれない。彼の引退という決断を理解するよ」
「僕もホンダで表彰台を獲得することはできなかったけど、遅くはなかった。だからドゥカティでの挑戦は、僕を怖がらせるようなことはない。もちろんKTMでは上手く行かなかったけど、彼らはレースに“勝利”できるマシンを手にしてはいなかった」
「ロレンソはドゥカティで少し苦しんだけど、その後勝っている。それに一般的に言って、多くのライダーはドゥカティのデスモセディチで上手くやっているから、そこまで極端ではないバイクだと思う。それが僕に自信をくれるんだ」
なお、ザルコはKTMに移籍する際にも、ロレンソのドゥカティでの成功を例として挙げていた。今回のドゥカティ加入が、どのような結果となるのか、まずは2月7日から始まるセパンテストが一つの試金石になるだろう。
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