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予想以上の4300万円オーバー! ポルシェ「911スピードスター」の北米向けターボルックは823台のみ…2万5600キロの低走行車でした

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予想以上の4300万円オーバー! ポルシェ「911スピードスター」の北米向けターボルックは823台のみ…2万5600キロの低走行車でした

史上2作目のポルシェ製「スピードスター」

RMサザビーズ北米本社がフェニックス市内で開催する「ARIZONA」オークションは、規模・内容ともに、1月のアリゾナのオークション群の中でも最上級のものとして知られます。今回は2025年版の出品車両の中から、ポルシェ「911」として初めて「スピードスター」を名乗った1989年モデルのポルシェ「911スピードスター ターボルック」を紹介します。

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ビッグバンパー時代の最後を飾る限定モデル

1989年モデルとして1年限り生産されたポルシェ「911スピードスター」は、ポルシェのエンスージアストにとってひと目でそれと分かるモデルである。

もともと「スピードスター」の愛称は、20世紀初頭にフォード「T型」をベースとするレーサーとともに登場。のちにアメリカにおける自動車用語として定着していたが、その名を世間に知らしめたのは、なんといってもスパルタンかつ軽快なリアエンジンを搭載したポルシェ「356」だろう。

ポルシェ356および改良型「356A」のスパルタンバージョンとして製作されたスピードスターは、1950年代の大衆文化の中にその名を刻みながら、南カリフォルニアのサーキットなどにおいてもその名声を確立してゆく。

しかしポルシェのスピードスターは、同社の「356A」から「356B」へと切り替わる1958年をもって、いったん歴史の幕を閉じた。しかしそれから約30年後、「911カレラ3.2」の最終モデルイヤーにあたる1989年1月から8月にかけて、2シーターの「911スピードスター」(オプションM503)が限定生産されることになった。

製作台数はわずか2056台

ポルシェ 911としては初の「スピードスター」を標榜したこのモデルは、356の祖先へのオマージュとして軽量かつレーシーにデザインされたもの。ダブルハンプのグラスファイバー製トノカバーと劇的に低くなったウインドシールドが目を惹く。

このウインドシールドは911カブリオレ用の改造ではなく、完全な新設計。小さなレーシングスクリーンもオプションとして購入可能で、オーナーは自分で交換することとされてはいたものの、換装はポルシェのスペシャリストでもないとかなり難しいものだったそうだ。また、商品企画の段階では356スピードスターと同様、差し込み式で想定していたというサイドスクリーンは、通常のクルマのように巻き上げ式へと変更された。

製作台数はわずか2056台(ほかに諸説あり)とのことで、さらにそのうちの1900台以上が「911ターボ」のワイドボディをベースに製造されたとのこと。ただし、北米市場向けの「ターボルック」は、わずか823台にとどまったといわれている。

もっともよく似合う土地、アメリカで長らく過ごしてきた健全な個体

このほどRMサザビーズ「ARIZONA 2025」オークションに出品されたポルシェ 911カレラ スピードスターは、「グランプリホワイト」のボディカラーに、壮麗な「カンカンレッド」のレザートリムという、希少かつ非常に望ましい仕上げが施された、息をのむような1台。純正のフックス鍛造アロイホイールも、ボディ同色に仕上げられている。また、リアバンパーの巨大なオーバーライダーからも、この個体が正規のUS仕様車であることは一目瞭然といえよう。

インテリアは、レザーハイドから刺繍が施されたフロアマットに至るまで、ありとあらゆるインテリアの表面を鮮やかなレッドで覆い尽くし、注目を集める。

この鮮やかなトリムパッケージは、単なるアクセントではなく、このスピードスターを洗練とエクスクルーシブさの新たなレベルへと引き上げる決定的な特徴であり、自動車関係の集まりにおいても、間違いなく絶賛を浴びることだろう。

このスピードスターは、ラスベガスのポルシェ正規ディーラーを介して新車として販売され、保証書に押されたスタンプから、少なくとも10年間はラスベガスで保管されていたようだ。その後に押されたスタンプによれば、2002年までにはオハイオ州にあり、この時点における新車からの走行距離は1万6000マイル(約2万5600km)未満であった。

アメリカ合衆国における登録履歴を調べられる「カーファックス」の記載によれば、そのあとの登録はカリフォルニア州、次いでフロリダ州となっている。

このスピードスターの魅力をさらに高めているのは、リミテッドスリップ・ディファレンシャルやエアコンディショナー、ショートタイプのクイックシフトレバー、「レイズドハブ」型のステアリングホイール、ブラウプンクト社製「Reno SQR 46 AM/FMカセットステレオ」など、垂涎の純正装備の数々であろう。

エスティメートを大きく上回る落札価格に

なお今回のオークション公式カタログの作成時点で、オドメーターは2万2800マイル(約3万6500km)未満を示していた。くわえて販売に伴い、「ポルシェCOA鑑定書」とオリジナルのサービスおよび保証ブックレットが付属されていたとのことである。

2025年1月25日のオークション出品に向けて、RMサザビーズ北米本社は現オーナーとの協議のうえ「このスピードスターは、1950年代の象徴的な先代モデルに敬意を表しつつ、独自の個性を誇ります」という煽情的なPRフレーズとともに、20万ドル~25万ドル(邦貨換算約3140万円~約3925万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定した。

そして迎えた競売ではビッド(入札)が「跳ねた」ようで、終わってみればエスティメート上限を大きく上回る28万ドル、日本円にして約4360万円で落札されることになったのである。

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みんなのコメント

3件
  • くるーず
    初代ボクスターが出た頃、超低走行の
    このスピードスターが売っていて500万円で
    買えたんだ。
    その数年後に356Aのスピードスターカレラが
    1000万円で売り出されていたから、両方
    買っていたら今頃・・・
  • エガちゃんねらー
    空冷ポルシェの高騰は異常過ぎる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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