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【ヒットの法則286】ゴルフGTIとポロGTI、極めて魅力的な“ピュアスポーツ”だった

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【ヒットの法則286】ゴルフGTIとポロGTI、極めて魅力的な“ピュアスポーツ”だった

2007年、ゴルフGT TSIの登場とともに、あらためてゴルフGTI、ポロGTIに注目が集まっていた。Motor Magazine誌では、当時最新のゴルフGTI、ポロGTIを試乗、「GTI」とはどんなモデルなのか、その個性を検証している。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年3月号より)

家族でシェアして乗っても不満の出ないオールマイティなゴルフGTI
初代ゴルフに追加されるやその高性能ぶりが話題となり、派生グレードでありながらスポーツハッチの代名詞ともなったのがGTI。フォルクスワーゲンは一時、自らが作り出したこのスポーツブランドにあまり積極的ではない時代もあったが、現行の5世代目ゴルフでは、直噴ガソリンエンジンに相性の良いターボを組み合わせ、その名に恥じないパワーを得て復活を果たしている。

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過給器エンジンは圧縮によって吸気温度が上がるためノッキングが生じやすく、圧縮比を低くせざるを得ないが、燃料を直接シリンダー内に噴射するFSIは気化熱で温度を下げるため充填効率が上がりノッキングを起こしにくくなる。そのため圧縮比を10.3まで高められ、強力な爆発を得ることで過給の十分ではない低速トルクを補うことができるというわけだ。FSIと過給により効率を高めるというコンセプトは最新のTSIエンジンにも受け継がれている。

実際に乗ってみても、GTIのパワーフィールは鮮烈だ。極低速域のトルク感はスーパーチャージャーを持つTSIに一歩譲る感はあるものの、2000rpmあたりから湧き上がってくる厚いトルクが何とも心地よい。200ps、280Nmという数値は2.8L級のマルチシリンダーエンジンに匹敵するもの。つまりGTIは、ターボによるダウンサイジングを早い時期に具現化していたとも言える。

このゴルフGTI、売れ行きは日本でも絶好調と聞く。そう言えば、赤いピンストライプの入ったスポーツグリルを見かける機会は着実に増えている。

個人的にもGTIは昔から好きなモデルなので、出会うとドライバーも含めて細かく観察してしまうのだが、オーナー像はかなり幅広い。ただ年齢的には40代が多いようだ。これは、初代から2代目のGTIのイメージが刷り込まれている僕と同じ世代。以前から抱いていた憧れをついに手中に……というわけなのだろう。

自動モードでもマニュルでも満足の行くシフトクオリティを得たDSGにより、現在のゴルフGTIは家族でシェアして乗っても何も不満の出ない、実に守備範囲の広いスポーツモデルに仕上がっている。それにサスペンションをスポーツモデルらしく締め上げていながら、荒さを感じさせないしなやかな乗り味にまとめあげている。そうしたバランス感覚の妙が人気の大きな要因となっているのは確かだ。

5速MTのみの設定で、乗り味はかなりスパルタンなポロGTI
一方、ポロに設定されているGTIは、ボディが2ドアと4ドアから選べるものの、ミッションは5速MTのみという潔さ。こちらも販売面では予想を上回る好調さらしいが、ゴルフGTIと較べると乗り味はかなりスパルタンだ。

ポロGTIが搭載する1.8Lターボは、ガソリン直噴ではなく、ポート噴射式の150ps仕様。220Nmの最大トルクを1950rpmから4500rpmの間で発生するように仕立てられているが、やはりターボ特有のトルク変動はあり、3000rpmを越えたあたりから急速に元気を増してくる。

しかもMTでパワーはダイレクトに駆動輪に伝わるから、滑りやすい路面やステアリングを切り込んだ状態でラフなクラッチワークを行うと、簡単にホイールスピンを誘発する。

フットワークは乗り心地にも考慮した感じで、さほどハードな印象は受けないが、そのぶんボディアクションは特にピッチング方向の動きが大きい。アクセルの踏み方でアンダー/オーバーとステア特性までも変わるそのハンドリングはけっこうマニアック。

同じGTIでもゴルフとはこれだけの性格差があるのだ。とは言え、それは個性として受け入れられるもの。標準モデルがきちんと仕上げられていることもあり、GTIは極めて魅力的なピュアスポーツとなっているのだ。(文:石川芳雄/Motor Magazine 2007年3月号より)



フォルクスワーゲン ゴルフGTI 主要諸元
●全長×全幅×全高:4225×1760×1495mm
●ホイールベース:2575mm
●車両重量:1460kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1984cc
●最高出力:200ps/5100-6000rpm
●最大トルク:280Nm/1800-5000rpm
●トランスミッション:6速DCT(DSG)
●駆動方式:FF●最高速:233km/h
●0-100km/h加速:6.9秒
●車両価格:344万円(2007年)

フォルクスワーゲン ポロGTI 主要諸元
●全長×全幅×全高:3915×1665×1465mm
●ホイールベース:2470mm
●車両重量:1210kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1780cc
●最高出力:150ps/5800rpm
●最大トルク:220Nm/1950-4500rpm
●トランスミッション:5速MT
●駆動方式:FF
●最高速:216km/h
●0-100km/h加速:8.2秒
●車両価格:252万円(2007年)

[ アルバム : フォルクスワーゲン ゴルフGTIとポロGTI はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

3件
  • ポロはマイナーだけどいいクルマですね
  • 現行のポロは200馬力となりさらな乗りやすくなっている。
    でもスタイルガなじめない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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