プジョー・トタルエナジーズのマルテ・ヤコブセンは、5月8日にスパ・フラコルシャンで開催されたWEC世界耐久選手権第2戦で、ポールポジションを獲得した94号車プジョー9X8をリタイアに追い込んだ79号車メルセデスAMGとのクラッシュから「間違いなく学ぶ」と語る一方、「自分に厳しいことは分かっている」と認めた。
このデンマーク人ドライバーは、金曜の予選でラディオンでの単独スピンから立ち直り、プジョーにとってハイパーカー時代初のポールポジションを獲得して歴史を作った。
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翌日の決勝では、チームメイトのロイック・デュバルがポールポジションからスタートを切るも、オープニングラップでウィル・スティーブンス駆る12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)にポジションを奪われる。
その後94号車プジョーは、複数のチームが挑戦的な戦略を採用するなかで徐々に順位を下げたが、ルーティンのピット作業でテオ・プルシェールからヤコブセンにドライバー交代を交代した4時間目には3番手を走行していた。しかし、マッテオ・クレッソーニが、レ・コンブでトヨタに周回遅れにされる際に79号車メルセデスAMG GT3エボ(アイアン・リンクス)をスピンさせたことで、上位フィニッシュの望みは絶たれた。
ヤコブセンはアウトラップでタイヤが冷えていたことに加えて前走者がいたため、メルセデスがコース中央を横切るようにスピンした際、これがまったく視界に入っていなかった。結果、2台は激しく接触し94号車プジョーのレースは終了した。
「ピットを出てオー・ルージュを駆け抜け、ケメルストレートでタイヤを温めていた。すると突然、ターン5で目の前で車がスピンしていた。まったくの予想外で、残念ながら不意を突かれる格好となった」と彼は説明した。
「結局のところ、これは耐久レースであり、我々ドライバーにとってもっとも重要なのは、レースの最後にチェッカーフラッグを受けることだ」
「たとえあのような状況であっても、僕たちは最悪を回避しなけれればならない」
「もし、あれがル・マンで、開始わずか3、4時間後に起きていれば、レースはそこで終わってしまう。それは到底容認できるものではない」
「辛いことだし、自分に厳しいことは分かっているが、間違いなくそこから学ぶつもりだ。次に向けて心に留めておくよ」
ヤコブセンは決勝でスパのコースを走る機会を楽しみにしていた。クラッシュがなければ何が可能だったか問われると、「間違いなくトップ5だ」と答えた。
「表彰台に立つのは、さらに難しかっただろうけど、何か良い結果は得られたと確信している」と彼は付け加えた。
22歳のヤコブセンは、レースの混沌とした終盤戦をモニターで見るのは「フラストレーションが溜まる」ことだったが、この週末から得られたポジティブな要素は多く、有益な学習経験になったと認めた。
「勝ち続けていれば、何も学べない」と彼は結論づけた。「たとえ困難で、大きなマイナス面があったとしても、良いチームが一致団結していれば、そこから物事を学び、次に活かすことができるものだ」
■セーフティカーのタイミングが「台無しにした」とデレトラズ
ヤコブセン組のプジョーだけが、序盤の有力候補の中で不満の残る結末を迎えたわけではなかった。12号車キャデラックは、優勝した20号車BMW MハイブリッドV8(BMW MチームWRT)がオフセット戦略を採るなか、レースの前半で実質的な首位に立っていたが、最終的には9位で終わった。
前述のとおりオープニングラップで首位に躍り出たこのクルマは、レース終盤のいくつかのコーションのタイミングと、5時間目にソフトタイヤを選択したこと、さらにルイ・デレトラズがラディオンでコース外からLMGT3カーを追い越したことによるタイムペナルティが重なり、順位を落とすこととなった。
「タイミングが悪かった。終盤のバーチャル・セーフティカー(VSC)で後方に追いやられたあと、追走するのは非常に難しかった。しかもオーバーヒートするソフトタイヤを履いていた」と、WECハイパーカーデビュー戦となったデレトラズはSportscar365に語った。
「不運だったし、タイミングが悪かった。どう呼ぼうと勝手だが、VSCが僕たちのレースを台無しにしたのは確かだ」
デレトラズは、20号車BMWと8号車トヨタTR010ハイブリッド(トヨタ・レーシング)が採ったオフセット作戦などの戦略の違いがなかたっとしても、レース終盤にキャデラックが先頭争いに加われていたかどうか「確信が持てない」と述べた。
「最初の3時間は好調だったが、それは各車が少し手の内を隠している時であり、アルピーヌはその最初の3時間、我々のすぐ後ろにいた」と彼は付け加えた。
「だが、(4時間目の)ピットストップで前に出た彼らは、僕たちに大きな差つけ始めた。信じてほしいが、僕たちも必死に抵抗したんだ」
「終盤に最高のペースがあったかどうかは分からないが、我々としてはいいレース運びができていた。宝くじの当たり外れやセーフティカーがいつ出るかを知っていない限り、今日のレースをやり直したとしても僕たちは何も変えないと思う」
デレトラズは首の治療から回復中のアレックス・リンの代役として今戦に出場したが、彼は最後に、JOTAから初めて傘下したWECハイパーカーでの走行を楽しんだと認めた。
「キャデラックとJOTAは非常に強力で組織力も高く、素晴らしいチームだ」と語った。「WECで彼らと仕事をするのは初めてだったが、本当に楽しかった。結果は望んでいたものではなかったけれど、多くのことを学べたよ」
[オートスポーツweb 2026年05月11日]
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35アルピーヌの単独スピンをアストン007が避けられたのも奇跡だと思う。