現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 販売比率わずか11%の日本市場は置き去り! ヤリスが登場しフィットが新型になっても日産がマーチを放置するワケ

ここから本文です

販売比率わずか11%の日本市場は置き去り! ヤリスが登場しフィットが新型になっても日産がマーチを放置するワケ

掲載 更新 14
販売比率わずか11%の日本市場は置き去り! ヤリスが登場しフィットが新型になっても日産がマーチを放置するワケ

 人気のコンパクトカーが増えている一方で不遇なモデルも存在

 最近話題の新型車といえば、トヨタ・ヤリスとホンダ・フィットだ。両車とも全長が約4mのコンパクトカーで、運転がしやすく燃費も優れている。そのために販売も好調だ。

【なぜ最初から改良の必要がない完成型で発売しない?】自動車メーカーがマイナーチェンジを行うワケ

 ヤリスは1カ月の国内販売目標が7800台で、2020年3月9日までに3万7000台を受注した。フィットは国内月販目標が1万台で、3月16日までに3万1000台を受注している。両車ともプロトタイプ(試作車)が2019年に開催された東京モーターショーに出展され、実質的には長期間にわたり受注してきた。3月時点で受注台数が3万台を超えても不思議はないが、人気車であることは確かだ。

 そしてトヨタ、ホンダとくれば日産で、コンパクトカーではノートが売れ筋だが、伝統あるマーチ、背の高いボディで室内の広いキューブもある。ノートにはe-POWERを追加して衝突被害軽減ブレーキも装着するが、マーチとキューブは放置されている。同じ日産のコンパクトカーなのに、境遇の違いが激しい。

 この2車種について日産の販売店に尋ねると、以下のような返答だった。「キューブは今年(2020年)の1月に生産を終了した。今は在庫車を販売している。今後改良を行ったり、フルモデルチェンジする予定はなく、キューブは現行型で終わる。マーチも一度生産を終えるが、今年の7月ごろに、比較的規模の大きなマイナーチェンジを実施する。詳細は不明だが、衝突被害軽減ブレーキなどの安全装備を充実させると思う。エンジンなどのメカニズムは、おそらく変更されない」とのことだった。

 マーチが置き去りなのは日産が国内市場を大切に考えていないから

 キューブの発売は2008年、マーチも2010年だから基本設計が古い。この2車種をほとんど改良せずに放置してきたのは、最近の日産が日本国内を将来性の乏しい市場だと見限っているからだ。とくにリーマンショックによる経済不況の影響で、2011年以降の日産は新型車の国内発売を滞らせた。新型車は1~2年に1車種しか登場していない。

 そのために2019年の日産車の売れ行きを見ると、デイズ+デイズルークス+ノート+セレナの4車種で国内で売られた日産車の65%を占めてしまう。一部の車種だけが日産の国内販売を支えている。

 このような状態だから、今の日産の国内メーカー別販売ランキングはトヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位だ。日産の世界販売台数に占める国内比率も、軽自動車を含めて11%に下がり(トヨタは18%)、国内は従属的な市場になった。国内市場は売れ行きが下がって儲からない市場と判断され、そのために新型車の発売も滞り、売れ行きがさらに下がる悪循環に陥っている。

 いい換えれば、国内市場は「先に挙げたデイズやセレナなどの4車種で、食い繋いでくれ」ということだ。そしてキューブは国内向けのため生産を終わり、マーチはノートと併せてアジア地域でも売られることもありマイナーチェンジを実施する。日本でコンパクトカーの人気が高いから、マーチを改良するわけではない。

 結論をいうと、ヤリスやフィットが新型車になっているのに、日産のコンパクトカーが放置される理由は日産が国内市場を大切に考えていないからだ。

 ただし今後は、ジュークの後継車種としてキックスが導入される。2019年の東京モーターショーに出展された電気自動車のアリア、Imkの市販版もデビューしそうだ。日本では総世帯数の約40%が集合住宅に住み、充電設備を持ちにくいから電気自動車に偏った商品開発は危ういが、今後の新型車投入に期待したい。

 日産の世界販売の90%を占める海外向けの車種も、開発しているのは日本人の社員だ。日本国内で日産が輝きを失うと、やがて海外市場でも商品力と業績を下げてしまう。日産が流れを変えるなら、今が最後のチャンスだ。

こんな記事も読まれています

6年ぶり全面刷新! トヨタFF最大・最上級セダン「新型カムリ」約440万円から発売! 最新“トヨタ顔”採用の「9代目モデル」 米に投入
6年ぶり全面刷新! トヨタFF最大・最上級セダン「新型カムリ」約440万円から発売! 最新“トヨタ顔”採用の「9代目モデル」 米に投入
くるまのニュース
販売台数が少なくてもスーパースポーツでもMT車でも関係なし! 「衝突被害軽減ブレーキ」が付いていないクルマはいますぐ搭載すべき
販売台数が少なくてもスーパースポーツでもMT車でも関係なし! 「衝突被害軽減ブレーキ」が付いていないクルマはいますぐ搭載すべき
WEB CARTOP
フェルスタッペン追い上げ勝利、激しい3位争いはペレスに軍配。角田裕毅は16位|F1中国GPスプリント速報
フェルスタッペン追い上げ勝利、激しい3位争いはペレスに軍配。角田裕毅は16位|F1中国GPスプリント速報
motorsport.com 日本版
エンジン搭載はこれが最後!? ベントレー『コンチネンタルGT/GTC』PHEVモデルを初スクープ
エンジン搭載はこれが最後!? ベントレー『コンチネンタルGT/GTC』PHEVモデルを初スクープ
レスポンス
マツダ新型「3列シートSUV」世界初公開! 日本導入もある “最上級モデル”に「大本命!」と待望の声も! 新型「CX-80」欧州での発表に反響集まる
マツダ新型「3列シートSUV」世界初公開! 日本導入もある “最上級モデル”に「大本命!」と待望の声も! 新型「CX-80」欧州での発表に反響集まる
くるまのニュース
四日市→セントレアをスムーズに 東海JCTの工事進捗は 伊勢湾岸道のランプ橋
四日市→セントレアをスムーズに 東海JCTの工事進捗は 伊勢湾岸道のランプ橋
乗りものニュース
シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
シトロエンの新デザイン採用、『C3エアクロス』新型を欧州発表
レスポンス
マツダが新しい「3列シート車」世界初公開! 直6エンジン&FRシャシーの新型「CX-80」は“全長5m級”のラージSUV!! 日本仕様もまもなく発表!?
マツダが新しい「3列シート車」世界初公開! 直6エンジン&FRシャシーの新型「CX-80」は“全長5m級”のラージSUV!! 日本仕様もまもなく発表!?
VAGUE
ホンダ新型「N-BOX SUV」今夏発売!? アウトドア風「ジョイ」待望の登場か 見た目はどうなる?
ホンダ新型「N-BOX SUV」今夏発売!? アウトドア風「ジョイ」待望の登場か 見た目はどうなる?
くるまのニュース
便利なだけじゃ嫌! ホンダ「ADV160」はカッコよさと走行性能も兼ね備えたビックスクーターの新たな選択肢
便利なだけじゃ嫌! ホンダ「ADV160」はカッコよさと走行性能も兼ね備えたビックスクーターの新たな選択肢
バイクのニュース
500万切りは夢だったか? ガソリンのGXは後出し? [新型ランドクルーザー250]の値付けを整理してみた!
500万切りは夢だったか? ガソリンのGXは後出し? [新型ランドクルーザー250]の値付けを整理してみた!
ベストカーWeb
農道のティレル! 軽トラ6輪車ホンダ「アクティ クローラ」は現在入手困難!? キャタピラを装着すればバツグンの悪路走破性に!
農道のティレル! 軽トラ6輪車ホンダ「アクティ クローラ」は現在入手困難!? キャタピラを装着すればバツグンの悪路走破性に!
Auto Messe Web
MK KASHIYAMAの「GP-588MK」ブレーキクリーナーがパッケージリニューアルで、ブランドカラー化!  
MK KASHIYAMAの「GP-588MK」ブレーキクリーナーがパッケージリニューアルで、ブランドカラー化!  
モーサイ
スイッチ押すだけ90秒! 超ラク設営のエアテント「Tradcanvas オートエアマジックドーム DUO」【車に積みたいアウトドアアイテム】
スイッチ押すだけ90秒! 超ラク設営のエアテント「Tradcanvas オートエアマジックドーム DUO」【車に積みたいアウトドアアイテム】
月刊自家用車WEB
6000人のランボルギーニファンが熱狂! 歴史的なイベントをイモラサーキットで開催
6000人のランボルギーニファンが熱狂! 歴史的なイベントをイモラサーキットで開催
Webモーターマガジン
レクサス ミッドサイズSUV「GX550」の国内導入に先駆け、特別仕様車の「GX550“OVERTRAIL+”」100台を抽選販売
レクサス ミッドサイズSUV「GX550」の国内導入に先駆け、特別仕様車の「GX550“OVERTRAIL+”」100台を抽選販売
Auto Prove
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の「ラダーフレームSUV」! 丸目&タフデザインは継続な「次期型モデル」予想CGがスゴイ
トヨタ新型「FJクルーザー」!? 復活待望の「ラダーフレームSUV」! 丸目&タフデザインは継続な「次期型モデル」予想CGがスゴイ
くるまのニュース
納車1~2か月後の悲劇! テスラEV「サイバートラック」のボディに、突如「オレンジ色の斑点」が現れ始めたワケ
納車1~2か月後の悲劇! テスラEV「サイバートラック」のボディに、突如「オレンジ色の斑点」が現れ始めたワケ
Merkmal

みんなのコメント

14件
  • まあ、聞くところによると次期型は三菱ミラージュと兄弟車種にするらしい。
    そしてタイ生産もそのまま。そこだけ聞いても売れそうな要素が何一つ伝わってこないのが何とも・・・日産、三菱の弱者連合はジリ貧なんだなと改めて思う。
  • 過去に先代マーチに乗っていたけど、
    ハッキリ言って現行は好きじゃない。

    3気筒エンジンは何も進化してないし、
    デザインも決して洗練しているとは言い難い。
    それに内装はどんな色を選んでも、
    ほとんどが黒なんて今どきの軽自動車だって
    そんなのほとんど無いし、ハッキリ言って
    歴代のマーチの中で一番さっさとフルモデルチェンジを
    しやがれとずっと思っていたよ。

    それなのにずーっと放置して、その間にノートが
    売れて更に怠け始めたから、とうとう軽自動車
    よりも見劣るようになってしまった。

    さっきはフルモデルチェンジしろと言ったけど
    どちらかと言ったら、もうやめろって言いたい。
    今更改良してヤリスやフィットどころか
    デイズにすら届くクオリティになるとは
    とても思えないね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村