世界遺産・高野山の麓「極楽橋駅」まで1時間20分の旅
大阪・ミナミの中心地にある「難波駅」をターミナルに、大阪府南部、そして和歌山県に至るエリアをカバーするネットワークを持つ私鉄が「南海電鉄」です。
【画像】カッコよすぎ!人気の南海特急「こうや」を写真で見る(37枚)
この南海電鉄の路線で、和歌山県の「極楽橋駅」までを運行系統とするのが「高野線」です。
極楽橋駅は、平安時代に弘法大師(空海)が開いた「高野山」の玄関口となる駅で、南海電鉄では、難波駅と極楽橋駅を直結する「特急こうや」を平日は4往復、土休日は最大8往復運転し、高野山への観光需要に対応しています。
編成4両で、全席指定です。
難波駅から極楽橋駅までの所要時間は列車により異なりますが、おおむね1時間20分ほどです。
また極楽橋駅からは「高野山ケーブル」が終点の「高野山駅」を結んでおり、難波駅から高野山駅までは1時間40分ほどでアクセスできます。
さて、この特急こうやに用いられる車両は、JRや大都市近郊の私鉄で多く用いられる「20m級車」ではなく、やや短い「17m級車」となっています。一般論としては、車両が長ければ乗車定員も増え、それだけ輸送力もアップします。
ではなぜ、南海電鉄は特急こうやに17m級車を使っているのでしょうか。
その理由は、高野線の地理的な状況にあります。
高野線の本格的な山岳区間がはじまる高野下駅と終点の極楽橋駅とは、直線距離で約4.5kmですが、その標高差は400m以上と、鉄道にとっては極めて厳しい条件になっています。高野線はこの標高差をクリアするため、不動谷川に沿って西側に大きく迂回するようにアプローチします。
ただ不動谷川が作る渓谷を見下ろすように走るこの区間には、半径100m以下という急カーブが連続するため、20m級車では通過が困難です。そのため、急カーブに適合した17m級車が採用されているのです。
ただそうした急カーブをもってしても、この区間の最大勾配は50パーミル(水平距離1000mあたりの高低差が50m)と、日本の一般的な鉄道では屈指の急勾配となります。
この急勾配を克服するため、特急こうやは、4両編成すべてが電動車となっています。
ちなみにその車両は1983年から運用がはじまった「30000系」と1999年から運用がはじまった「31000系」で、“古い電車が多い”と言われる南海電鉄のイメージ付けにひと役買っています。
「天空」に変わる新たな観光列車の導入を発表
さて、この高野線には、特急こうやのほかにも、観光列車が走っています。
それが「天空」です。
天空は特急こうやと同じく、高野山を目指す列車ですが、運行区間は高野線が山中に分け入る手前の「橋本駅」からです。
3月から11月までは水曜日、木曜日をのぞく毎日運行(ただし水曜日、木曜日が休日の場合は運行)、12月から2月は土休日のみの運行となり、運行本数は平日および12月から2月の土休日が1日2往復、3月から11月の土休日が3往復です。
列車は2両編成で、車内には3枚続きの大きな窓に向かって進行方向と直角に配置された「ワンビュー座席」と、クロスシートの「4人がけコンパートメント座席」を配置しています。また橋本駅側の車両には「展望デッキ」が用意され、車窓を流れる大自然の空気に直接触れることができます。
座席は全席指定席で、利用には予約が必要です。予約(個人予約)は希望乗車日の10日前から前日まで、電話のみで受け付けとなります。なお列車に空席がある場合のみ、当日券が販売されます。
さて、このように魅力あふれる天空ですが、南海電鉄は5月15日(木)、この天空に変わる新たな観光列車の導入を発表しました。
この観光列車は、特急こうやと同じく、難波駅と極楽寺駅を結ぶもので、4両編成で運行されます。
南海電鉄によると、各車両に特色を持たせ、内装やインテリアは高級感を重視し、快適な座席とパノラマビューを楽しめる車窓などを備えるとしています。
そして列車の旅そのものが特別な体験となるよう、アテンダントによるきめ細やかな対応や、地元の食材を使用した食事の提供など、良質でホスピタリティあふれるサービスの提供も計画しているとのことです。
また利用客のターゲットは高野山観光だけでなく、ラグジュアリーな旅行を楽しむ人々に、南海沿線の魅力を存分に楽しんでもらうことを目指すとしています。
この発表にともない、公開されたイメージ画像には、ゆったりしたラウンジ風の車内、木をふんだんに使ったゆとりある客席、シックなバーカウンターなど、新たな観光列車の上質な魅力がうかがえます。なお気になる料金は「付加価値に見合った料金」が検討されるようです。
運行開始日は2025年度末となっており、詳細情報は今後随時公表されるとのこと。来年春の観光シーズンには、大いに人気を集めることになりそうです。
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