2025年1月17日、ホンダは同社としては初めて、人事の取り組みに関するメディア向けの説明会を実施した。百年に一度の変革期を迎えて、より優秀な人材を確保しつつ、現在のホンダ関連社員グローバル20万人のうち、特に国内4万人へ向けた人事関連の取り組みが説明された。
文/写真:ベストカーWeb編集部
部長職で年収200万~300万円アップ!! ホンダが仕掛ける人材獲得合戦の競争力強化策
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■「ビッグテック」と優秀な人材の獲得合戦を
「自動車業界は基本的に、こうすればこうなる、というノウハウが確立しています。ホンダもそうで、これをこうやっていれば失敗しない、というやり方が分かっていて、そういう安定的な手法を続けてきました。しかし、それこそ百年に一度の変革期と言われている激動の時代で、このままではまずいという危機感があり、技術的進歩と合わせて、人材獲得や人材育成にも、これまでとは別の、新しいことをやっていく必要がある、ということで、このたびの発表となりました」
上記のように語るのは、本田技研工業の取締役代表執行役副社長である貝原典也氏。
ホンダとして初めて、人事関連の記者説明会を実施。登壇したのは人事担当の取締役である貝原典也副社長(ちなみにホンダではどれだけ役職に差があっても「さん付け」で呼び合う)
自動車業界の中でもホンダの人事関連施策は異色の事例があり、「2Way」と呼ばれるいわゆる1on1ミーティングや、「ワイガヤ」と呼ばれる職位を超えた会議形態などがある。
そのうえで、たとえば近年ホンダが導入するフレックスタイム制には「コアタイム」がなく、業務可能な時間帯が午前6:30から夜10:00までと自由度が高くなっていたり、対面コミュニケーションを基本としながらもそれぞれの社員の事情や業務効率向上のためのリモートワーク導入など、「攻めた人事施策」を積極的に取り入れている。
ホンダ伝統の「ワイガヤ」。写真左は1970年代のホンダの大部屋役員室、写真右は現在の大部屋役員室。写真奥には現在の三部敏宏社長も見える
有給休暇の取得率は100%を超えており、時短勤務や育児休暇も充実。そのうえで役職者の給与をアップし(部長職で年収200万~300万円上昇、課長職も一部アップ)、一部に株式報酬を導入する。
こうした環境整備を背景にして、ホンダは現在、国内最大規模の年間2,300名の採用を行っており、2025年度はキャリア採用約1,500名・定期採用約1,000名の採用を予定しているという。また、注力領域で新たな価値を創出する人材を育成すべく、スペシャリスト・領域トップレベルのエンジニアの人材育成の加速を中心に、2030年に向けて今後5年間で約150億円の人材投資を行うとのこと。
新しい優秀な人材を獲得しつつ、社内の優秀な人材の流出を防ぐ。後者のためにホンダは2017年から(全従業員を対象に)自らの意向にもとづいて60歳から65歳までの間の任意の年に定年を選択できる「選択定年制」を導入、そのうえで、高い技術・技能をもつ一部の従業員に対して2025年6月から定年制度を廃止、65歳以降の就労が可能な制度を導入するという。
ホンダのこうした人事施策の背景には、過熱するソフトウェア人材の獲得合戦がある。人工知能や自立自動運転関連のソフトウェア技術者は世界中で「取り合い」になっており、優秀な技術者や研究者を(保持しつつ)獲得は「モビリティカンパニー」への成長を図るうえで加速度的に重要度が増している。
2026年前半に北米市場へ投入されるHonda 0 SUV。開発には特にソフトウェア領域の優秀な開発者が必要。またホンダは昨年(2024年)12月に次世代e:HEVシステムを開発していたことを公表。内燃機関技術の開発も続いている
たとえば今年(2025年)1月、米ラスベガスで開催されたCESにて世界初公開された「Honda 0 SUV」(2026年前半に北米市場へ投入し、その後日本や欧州などグローバル各地域へ展開)はホンダ独自のビークルOS「ASIMO OS」が搭載される。このASIMO OSはソフトウェアプラットフォームとしてAD(自動運転)/ADAS(先進運転支援システム)やIVI(In-Vehicle Infotainment:車載インフォテイメント)など、クルマのシステムを制御するECU(Electronic Control Unit)を統合的にコントロールする。
こうしたシステムの開発促進には、GoogleやAppleに互するソフトウェアエンジニアの活躍が必要になる。なにしろ「命を載せて走るモビリティ」の統合制御OSを開発するのだ。優秀な研究者でないと乗るほうが困る。
モビリティ企業への進化のため、ホンダが採用強化に本気を出してきた。こうして集められた新人材が、自動車業界を新しい領域へ突き進ませてくれると信じて、このような取り組みを応援したい。
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