“元アルピーヌF1育成”ピアストリ、クビ宣告の同郷ドゥーハンを激励「F1にたどり着いた事実は奪えない。前を向くべき」

　F1マイアミGP終了後、アルピーヌはレギュラードライバーのジャック・ドゥーハンをリザーブドライバーのフランコ・コラピントと交代することを発表。今年F1デビューのドゥーハンとしては、開幕からわずか6戦でグリッドを離れることとなった。

　かつてアルピーヌの育成プログラムを経て、現在はマクラーレンでF1ドライバーズランキングをリードするオスカー・ピアストリは、同じくオーストラリア出身のドゥーハンについて「前を向くべきだ」と考えている。

　アルピーヌがドライバー交代を正式に発表する前に実施された、カール・ステファノビッチとのTODAYのインタビューで、ピアストリは次のように語った。

「僕はその話題を見てきた。もしジャックにとって終点を迎えたのだとしたら、彼はまずF1昇格を果たしたことをとても誇りに思うことができると思う。簡単なことじゃない。特にオーストラリアから来るのはね。そのキャリアの中で難しい決断もたくさんあったはずだ」

「彼が最後のレースを終えたのなら、前を向くべきだ。彼はF1ドライバーで、誰もその事実を奪うことはできない。どんなことが起こっても、彼は成功したキャリアを送ると確信している」

　ドゥーハンは時折チームメイトのピエール・ガスリーを上回る速さを見せながらも、日本GPフリー走行での大クラッシュを筆頭にアクシデントが目立っていた。

　コンストラクターズランキング9番手と厳しい現状に立たされているアルピーヌにとっては痛手。昨年ウイリアムズからシーズン途中参戦で注目を集めたフランコ・コラピントとの交代について、チームのエグゼクティブ・アドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは次のように説明した。

「シーズン序盤を分析した結果、今後5戦はフランコとピエールのペアで戦うことを決めた。今年は非常に僅差の戦いとなっている。チームはこの12ヵ月の間に大幅に改良を施した、競争力のあるマシンを擁している。そのため、このふたりをローテーションさせる必要性を理解している」

「また2026年はチームにとって重要なシーズンであることを認識しており、来季の目標を最大限達成するためには、ドライバーを完全かつ公正に評価するのが最善の策であることを確信している」

　ブリアトーレが示唆したように、コラピントが2025年シーズンの残り18戦を戦うことが確定しているわけではなく、ドゥーハンもリザーブとして様子を見守ることとなる。

　一旦ベンチ送りとなったドゥーハンは、再びF1のチャンスを掴むために努力を重ねると語った。

「プロのF1ドライバーになるという生涯の野望を達成できたことをとても誇りに思うし、この夢を叶えてくれたチームには一生感謝する。もちろん、僕にとって最後の章は厳しかった。プロドライバーである以上、当然レースに出たい」

「とはいえ、チームの信頼と献身には感謝している。チームとして達成すべき長期的な目標があり、それを達成するために、どんな形であれ最大限の努力を続けていくつもりだ」

「今は謙虚に努力を続けて、次の5戦を興味深く見守り、自分自身の目標を追い続けるつもりだ」

　なお、アルピーヌはドゥーハンとコラピントのドライバー入れ替えの直前に、チーム代表のオリバー・オークスが辞任したことを発表。ブリアトーレが職責を引き継ぐこととなった。

Comments

[tnw]

アルピーヌのおかげだというのがあまり感じられない。現段階として努力とチームの利用価値がバランスするのがプロでは無いと思うが。