2021年に初のF1ワールドチャンピオンとなったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2022年もシーズン15勝という歴代最多記録で2連覇を達成。2023年シーズンもここまで17戦で14勝を挙げ、5戦を残して3連覇を確定させた。
このかつてないほどのパフォーマンスには、関係者から称賛の声が挙がっている。レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーでさえ、フェルスタッペンの走りに驚かされたことがあったと言い、次のように語っていた。
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「彼が今年走ったいくつかのレースはとても素晴らしく、我々の期待を超えていた」
「ドライバーとしてのマックスは進化し続け、成長し続けていると思う。レースの読み、タイヤマネジメント、プレッシャーのかかる場面での精神的な強さは、本当に突出している」
そんな声があがる中で、フェルスタッペンが独走する要因は彼自身の成長ではないと考えている者がいる。それは彼のことを誰よりも近くで見てきた父ヨス・フェルスタッペンだ。ヨスにとっては、何年も前からある息子の才能をより発揮できるマシンが今手元にあるだけ……そう考えているようだ。
息子は今季、これまでと一味違ったドライバーになったのかというmotorsport.comの問いに対し、ヨス・フェルスタッペンはこう語った。
「私にとってはそうではない。3、4年前と同じマックスだと思う」
「今と昔の唯一の違いは、彼の周りに素晴らしいマシンがあることと、共に働く仲間のことを理解できているということだ」
「だから簡単に見えるんだと思う。それでも、毎週末結果を出さなければいけない。その中で少しの違いが差を生むんだ」
「彼が4年前にこのマシンを手にしていたらあと10勝はできた……とは思わないが、今見ているようなものと近いものを見せられたはずだ」
息子のキャリアを長年にわたって見届けてきたヨス・フェルスタッペンは、F1で達成されたすべてのことを非常に誇りに思っている。彼曰く、才能の片鱗はカート時代から感じられており、彼がまるで公園を散歩している時のようにいとも簡単に勝利を掴むことがあったという。
「カートでの最後の数年、彼は特別な何かを持っていた」
「そしてそれを今でも見ることができる。信じられないよ。経験を積むことで、彼はより良くなっている。彼のやり方、生き方そのものが、それらをとても簡単に見せているんだ」
ヨス・フェルスタッペンが息子について、今も変わらないと感じる部分は他にもある。それはパフォーマンスに関する親子間の誠実な関係だ。彼はF1での難題に対処する方法について息子にアドバイスをすることは「もうなくなってしまった」と笑うが、自分に納得のいかないようなことがあれば、口を挟む余地があるという。
「自分が見たままを話すんだ」
「私が見て、限界まで無理をしているというような動きを彼がしていたら、私はそれを彼に伝える」
「それが彼との関係の良いところでもある。我々はお互いにとても正直だ。もちろん、それは彼がここ(F1)に来る上でプラスになったと思うし、それはあなたたち(メディア)も分かっていると思う」
「彼はありのままの彼だ。彼は物事をストレートに話す。私はそれが良いことだと思っている」
F1で成功を収めるためには、良いマシンを手にすることが不可欠なのは言うまでもない。それがF1でどれほどの成功を収めることができるかを決定付ける要因であることは、ヨス・フェルスタッペンも理解しているが、その上で人並み外れた意欲や向上心が必要なのもまた確かだ。
歴代最多7度のワールドチャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハーともチームメイトだった経験のあるヨス・フェルスタッペン。息子がシューマッハーのような集中力や貪欲さがあるのかについて尋ねられると、彼は「それに近いと思うね」と返した。さらに息子がシューマッハーのような成功を収められるかと問われると、こう答えた。
「今後数年間、良いマシンに乗れるという運が必要だ。それ(成功)のためには良い道具が必要だ」
「ただ彼がそれを持っていたとしたら、きっとそうなると思う」
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