さて、みなさんに質問です。スズキといえば軽自動車と思っている方が多いと思いますが、軽自動車以外のスズキのクルマの名前を挙げてください。その答えですが、誤解を恐れず正直にいっちゃいますと、たぶん「スイフト」くらいしか出てこない方が、実は多いのではないかと思うんです。
それなのにもかかわらず、発売後15日間で、目標の10倍、1万台販売到達って、メチャクチャすごくないですか。失礼を承知でいいますと、いままで聞いたことない名前の新車が、しかも軽自動車がメインと思われているメーカーのクルマが、そんなに売れちゃうなんて! いやはや本当にビックリしたんです。いまの時代が求めているのは、こういうことなんだな~と、改めて思わされました。
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】ホンダWR-V「サイズと価格はコンパクト。実用性抜群のSUV」(2025年1月号)
その新しい名前、フロンクスの語源はフロンティアとクロスオーバーから来ていると聞いたことがあります。つまり、未開拓地を制するクロスオーバーカー的な意味かなと思うのですが、これってそんなに覚えやすい名前じゃないように当初は感じたんですよね。ところが一度覚えてしまうと、これが意外にも忘れにくい。
まぁこれも、発売後にたくさんこの名前が聞こえてきたからかもしれませんけど、世間でそれくらい話題にもなったわけです。私も職業柄、たくさんの方に「フロンクスってどうなの?」と聞かれましたからね。
まずみなさんの第一声として「カッコイイから気になる」と、聞いてきた方が多かったです。スズキのグローバルカーについては、世界中のスズキのデザインセンターで案を出し合ってコンペで決めることが多いと開発者からうかがっていますが、フロンクスは2023年からインド、中南米、中近東などの国や地域で販売が開始されていたグローバルSUV。
やはりどこの国でもカッコイイものはカッコイイと感じる感性は似通っているんでしょうね。存在感のある個性的なデザインは、日本に来る前から人気を博していたということです。
そして日本では、絶妙なサイズ感も人気になった理由だと思います。SUVは、世界中でいまいちばん人気の高いカテゴリーなので、ボディサイズもさまざまなものが出てますが、だんだんと大きめのものが増えているのも事実なんですよね。
そこにいわゆる5ナンバーサイズ+αの、大きすぎず小さすぎずの絶妙な感じで登場したんです。免許取り立て世代から子離れ世代まで、多くの世代にとって使いやすい取り回しのいいサイズ感だったことで、注目が集まった一因だと思います。
さらにいちばん大切なポイント、クルマとしてちゃんとしていたこと、コレなんですよね。まず日本仕様のみ4WDを設定してきたというのもスゴイことだと思いました。
降雪地帯や山岳地帯など、滑りやすい路面での安心感を高めてほしいという日本のユーザーのニーズに応えるために、4WDを他国に先駆けて日本向けにだけ設定するという姿勢は、ユーザーにとってうれしい話ですよね。
コストを考えたら、メーカーとしては、正直やりにくいことだとも思います。だからこそモノづくりの会社が、きちんとユーザーを向いてくれているということが伝わってきて、消費者としてはうれしいものですよね。
安全装備などもテンコ盛りです。それに加えて快適装備も満載なのです。私が個人的に絶対にほしい装備、シートヒーターとかUVカットガラスなんかは当然のごとく標準で、それを上回るIRカットガラスとか置くだけスマホ充電とかも装着されていて、パッと思いつくところで、装着されていないのはシートベンチレーションとステアリングヒーターくらいのものではないでしょうか。それくらいの豪華装備なんです。
インドから持ってくるのにさまざまな仕様があるとかえって大変なので、もう思いつく限り全部つけちゃったという背景があるようなのですが、これらが標準装備でついてくるというのは本当に助かります。基本的にフル装備なので、購入するときにチョイスすることって、2WDか4WDかと、2トーン5色、モノトーン4色のボディカラーくらいのものなの。
正直にいうと、あとこれでエンジンパワーがもう少しあればいうことナシ、というところだったりはしますが、日常使い+α、たまにロングドライブでリゾートへなんていう使い方なら、それもなんの問題もナシというレベル。
速さよりもトルクの設定で、ハンドリングだって素直で誰もが乗りやすい。操るという言葉がふさわしいしっかり感が伝わってくるし、せっかくだから4WDをチョイスして、たまにはアウトドアへなんて思ったりしてしまうくらいです。
そして、最後にコレをいわなくちゃ! これ全部ついて250万円プラスからなんですよ! コストパフォーマンス最高すぎます。
フロンクスのヒットの真相は、本当のコストパフォーマンスの高さにあるといっていいでしょう。
スズキ・フロンクス「ヒットの真相」
1)流麗なクーペスタイルのコンパクトSUVでカッコイイ。全長3995mm、全高1550mmの絶妙なサイズ感で日本の道路事情にマッチしている
2)インド生産ながら日本仕様にのみ4WDを設定、日本専用の足回りチューニングなど、日本人のニーズに応えるテクノロジーを採用
3)モノグレード設定だが、装備はテンコ盛りで不満ナシ。コンパクトサイズながら室内は高級感もあり、コストパフォーマンスは満点
たけおかけい/各種メディアやリアルイベントで、多方面からクルマとカーライフにアプローチ。その一方で官公庁や道路会社等の委員なども務める。レースやラリーにもドライバーとして長年参戦。日本自動車ジャーナリスト協会・副会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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