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カワイイ顔して走りは激辛? これぞ高回転スポーツよ!! エッセが走り屋に引っ張りだこの理由

 ダイハツ「エッセ」は、6代目ミラをベースに仕立てられ、モデルチェンジすることなく一代限りとなった5ドアハッチモデル。その車名の由来は「エッセンス(本質)」から取られていることからもわかるが、軽自動車の本質を追求した、実にシンプルで実用にフォーカスした車両である。

 いわゆる実用お買い物クルマのはずのエッセが、販売終了から10年の時を経て、カスタムはもちろんサーキット・ユースに転用され盛り上がりを見せている。その理由を紹介する。

もはや立ち入る隙はない? EV含め全方位開発に邁進するトヨタが牙を剥いた相手は誰か!?

文、写真/青山義明

[gallink]

エッセがサーキットを走る特別なワケとは……

派手ではないがカラフルなボディカラー展開がなされているエッセ。パドックに並んでいても華やかだ

 エッセの販売期間は、2005年から2011年までと短い。必要最低限のシンプルな装備で、新車の販売価格でも70万円弱から購入できたこともあって、その生産販売台数は21万台を数える。だから、発売終了から10年経った今でも街中でよく見かける。

 エンジンは8000回転まで軽快に回る、高出力な3気筒12バルブKF-VE型エンジン(最高出力58ps/最大トルク65N・m)を搭載。車重は約700kg台と軽く、非常に軽快な走りができる。もちろんMTの設定がある。中古車市場で見てもタマ数も豊富で車体価格もリーズナブル。

 カスタムパーツも豊富なうえに、ダイハツならではのパーツ流用(クラッチはコペンからの流用で強化でき、さらに国内ラリー選手権に参戦していたストーリアX4やブーンX4のクロスギヤも流用可能!)の選択肢も多い。つまり低コストで走りも楽しめるモデルなのである。

 それに目をつけた一部ユーザーやダイハツ系のショップなどが車両を仕立てて実際にサーキットに持ち込みはじめたことがきっかけとなり、今の盛り上がりとなったようである。

エッセが刻んだタイムもリーズナブル?

 サーキットに集う多くのエッセを見てみると、内装はリアシートを外して内装もはがし、足まわりを交換。エアクリーナーは装着するもECUやエンジンの内部加工は特にせず。デフ、ミッション、ファイナルギア、ブレーキといったところにも手を入れている車両が多い。補強はロールケージを組み込み、さらに前後に補強パーツを装着する車両もいる。

 車体もそうだが、アフターパーツも多く、またそれもリーズナブルなためチューニング費用を含めてもリーズナブルに仕上げられるのもエッセを使うメリットだとユーザーは口をそろえて言う。うまく個体を見つければコミコミ50万円ほどだったというユーザーも多いが、車両込みで100万円以下といったところが相場だと思われる。

エンジンルーム内も各車が「そこそこで」という適度なチューニングに収まっている印象

 大阪、京都を中心とした関西圏は軽自動車専門ショップも多い。そんな中でも、香川県高松市にある「くるま相談室」はエッセ専門店である。サスペンションキットや補強パーツの製造販売、そしてギヤ比変更チューニングといったメニューを用意し、エッセを楽しく気持ち良く走らせられるパーツをリリースしている。

 くるま相談室の山地潤也代表は、エッセの魅力について「もっと街乗りを快適にしようという思いで初めて10年になります。エッセは車重が軽く、軽自動車だからエンジンパワーは58馬力ですが、実用エンジンなのに8100回転まで回ります。

 そういった点では、足まわりをちゃんとすれば、どこでも楽しめる面白いクルマになります。極めようとしたらキリがないですが、エッセは財布にやさしく間口の広い、モータースポーツにぴったりの一台です」と語る。

なんと! 「エッセ」だけのワンメイクレース・シリーズも盛り上がっている

サーキットだけでなく、ジムカーナ競技も設定し、シリーズポイントを競う「オール・ジャパン・エッセ・カップ」

 富士スピードウェイで開催のK4-GPや富山のタカス・サーキットでの「TAKASU.66(タカスコンマロクロク)」、東北で開催の「東北660選手権」などなど、国内各地には軽自動車オンリーの耐久レースが多数存在している。

 それらの耐久レースで、多くのエッセの姿を見かけるが、盛り上がりに拍車を掛けているのが2020年に発足した「オール・ジャパン・エッセ・カップ(AJEC)」である。AJECの特徴は単純なサーキットのタイムアタックではなく、ジムカーナと一般公道(林道)を使用した異種格闘技戦としているところ。こういったさまざまなステージで競って、日本一のエッセ使いを決めているというわけ。

 基本的にはワンカーアタックの形式をとるため、車両をシェアしての参戦も可能。来る2022年シーズンも、パイロンジムカーナや林道アタック、サーキットアタックなどの種目で、4月から12月にかけて年間6戦を行う予定だ。

「オール・ジャパン・エッセ・カップ」ではさらに、公道を占有して使用する林道アタックも毎シーズン設定している

じわじわとエッセが気になってきた? 欲しいなら今すぐ!

 最近の中古車市場の高騰ぶりは顕著だが、そういった中で、エッセも値上がりしているのは事実。いくら生産台数が多かったとしても、販売終了して10年も経てば、さすがに程度の良い個体も減ってくる。特にサーキット仕様を想定して探そうとすると、5MT車はなかなか見つからない。

 オークション市場でもエッセの価格は上昇しており、MT車の場合、車体の程度が悪く、過走行でも値がついている。もちろん、それに合わせて実際に店頭に並ぶ車両価格も上昇中なのだ。AT車からのMT換装は費用面でおススメできないし、多少ボディがやれていても、車体自体はミラバンよりしっかりしているので、ベース選びと割り切れば、軽い当たり等多少程度が悪くてもアリ。

横転などのクラッシュもある。しかし、ハコ替え(シートや足まわりを移植してボディ交換すること)をしても大きな費用とならない

 エッセのバリエーションはベーシックの「D」、装備充実の「L」、上級グレードの「X(4ATのみ)」、さらにスポーティグレード「エッセカスタム」、FF・5MT車のみの「ECO(エコ)」とあるが、ほぼ装備違いだから多少の重量差はある。サーキット以外の移動も楽しむのなら上級グレードのほうが良いが、当然、走行に関しては特にどのグレードということもない。

 すでにエッセの売価は30万円を超えてしまっているが、悩み抜いて購入を決めるというものでもないだろう。欲しいと思った日が吉日。エッセはリーズナブルに遊び倒せる一台を探している人に、自信をもっておすすめできる1台だ。

[gallink]

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