カーメイトは2019年10月24日、東京モーターショー2019の同社出展ブースで、新しいコーポレートロゴを発表した。
新しいコーポレートロゴは、小文字を取り入れたロゴタイプとともに、新たにシンボルとなるロゴマークを取り入れたものとなっている。カーメイトがコーポレートロゴを刷新するのは1991年以来じつに28年ぶりとなる。
あおり運転対策だけじゃない! ドライブレコーダーがもっとも活用されたのは「側面衝突」だった。カーメイトが「交通トラブル」意識調査結果を公表
2019年6月に代表取締役社長就任した徳田 勝氏が登壇し、新しいコーポレートロゴを披露するとともに、東京モーターショー2019の出展概要を説明した。
カーメイトは経営理念を2018年11月に刷新しており、新たな理念として「未来に向けた信頼品質でeものづくり」を掲げた。そして新しい世代に共感してもらうことを目指すとし、今回新たなコーポレートロゴを制定することとした。これまのロゴタイプは1991年から使用しており、力強さと勢いのあるカー用品らしいデザインを採用していた。社内への新しい経営理念の徹底と、新しいモノづくりの意思を社外に示すために、経営理念に沿ったコーポレートロゴを導入することにしたという。
コーポレートロゴのコンセプトは「共感・エレクトロニクス・テクノロジー」。創業した1970年から現在まで大文字で構成された「CARMATE」のロゴタイプのみの展開だったが、小文字を採用したものに変更、新たにロゴマークを組み合わせる。
ロゴタイプは、小文字を採用することで全体的な柔らかさと、親しみやすさを表現。均一な線幅と幾何学図形を用いた、デジタルで現代的なロゴに仕上げている。
ロゴマークは、「従来製品に、時間軸の概念と新しいエネルギーが加わる」新しいカーメイトが目指すモノづくりを図形化。カーメイトが「eモノ・コト」を創造することで成長する様を表した意匠としている。
カラーは従来の青を継承しながら、歴史を示す紺色と、新しいエネルギーやテクノロジーを表す黄緑色を加えた。
新しいコーポレートロゴはもうひとつある。それは、音によるもの。デジタル音を組み合わせて、「カーメイト」と聞こえるように合成したものだ。
ロゴタイプおよびロゴマーク、音声ロゴの3つのコーポレートロゴを2019年10月24日から展開。製品やパッケージなどは順次新ロゴに切り替えていくという。
あったらいいながゾクゾク!
カーメイトブースの参考出品を生レポート
ダクション 360 S
360度レンズを2つ搭載し、全天球360度を録画できるドライブアクションレコーダー。車両前方だけでなく車内側も記録できるので死角のない映像を録画可能。あおり運転や、幅寄せ、急な割り込みなど横や後方のアクシデントも記録できる。全天球での録画に加えてフロント映像を同時に記録する「デュアルレック機能」を搭載。車両前方のナンバープレートの視認性を向上させているのもポイントだ。
ブース内ではダクション360 Sで撮影した360度映像を体験できるVRコーナーを設置するほか、製品紹介も行っている。
360度人物検出アルゴリズム(参考出展)
ダクション 360 Sで撮影した360度映像の中から人物だけを検出し、映像の中の人物にモザイクをかける技術を紹介していた。モザイク処理をすることで運転するドライバーのプライバシー保護や、SNSに動画を投稿する際のスタンプ機能などに役立てられるという。
ダクション 360 S 専用ルーフキャリアアタッチメント(参考出展)
ダクション 360 Sを車両上部に取り付けて、周囲の景色を360度まるごと撮影できる。クルマを上から見下ろしたような映像も記録できる。同社のINNO(イノー)ブランドのルーフキャリヤに、カヤック取付用アタッチメントのパーツを流用して制作。例えば、マラソンや自転車レースの先導車などに取り付ければ、レース展開や遠藤の様子の撮影に役立てられる。また、配送業者などが走行しながら道路の広さなどを記録。進入に注意が必要な細い道などを事前に収集・共有することで安全運行に役立てられなど、アイディアしだいいろいろ使えそう。発売を検討中というから、期待して待ちたい。
自動追尾ベビーカー「フラコット コンセプト」(参考出展)
自動で追いかけてくれるベビーカーである。本体にカメラや距離センサーを搭載し、ママ・パパの動きに合わせて追尾する。サイドには障害物センサーを設置しており、クルマや自転車、人などの接近を感知すると停止するなど、安全面にも配慮。ママやパパが赤ちゃんを抱っこして両手が塞がっているときでも移動できるように開発したとのこと。カメラがママ・パパを認識するので、ほかの人に付いて行くことはないそうだ。また、追尾中にママ・パパから離れすぎると「ちょっと待って!」と話しかけてくれるので、ベビーカーの”置いてけぼり”も防げる。
フレグランス切替式ディフューザー(参考出展)
「お気に入りの香り」、「消臭」、「眠気」の3つはドライブ中のニーズが高いフレーズだという。これらに対応するのがこのディフューザー。香りが入った容器が3つあり、それぞれを用途に合わせて切り替えて噴霧させて使う。通常は「RELAX」モードでお気に入りの香りを楽しむ。臭いが気になったときには「DEODORANT」モードにすればすぐに消臭できる。眠くなったら「REFRESH」を選べばミントの香りが車内に広がり気分をすっきりさせてくれる。香りの切り替えはスマートフォンで行えるほか、音声でもオーケー。運転しながらでも安全・手軽使える。ちなみにヘッドレストへの埋め込みはあくまでもコンセプトモデルとしての演出。製品化するとなると、フロアなどに接地できるより汎用性の高いものになりそうだ。
もうじき発売のフレグランスディフューザー発見!
と、フレグランス切替式ディフューザーの隣を見ると、なにやら円柱形のものが置いてある。じつはこちらは2020年1月に発売が予定されているフレグランスディフューザー。噴霧される仕組みはフレグランス切替式ディフューザーと同じだが、こちらは”お気に入りの香り”を1つだけの香りが楽しめるもの。カップホルダーにすっぽり収まる形状で、天面にはタッチ式スイッチを備える。香りの強さを3段階に調節可能。通常は「弱」で利用する。”モンスター級”の香りがほしいなら、「強」にすればより強力に(?)お気に入りの香りが楽しめるそう。本体価格はおよそ6000円。ディフューザーは10種類の香りを用意し、1本1000円ほどとのこと。ちょっとお高い? じつは、通常の芳香剤は使い始めは強く香り徐々に弱まっていく、使用期間はおよそ2カ月程度だ。対してこのフレグランスディフューザーはつねに安定した香りを楽しめるだけでなく、香りを間欠噴射するため1本でより長く楽しめるという。「1年くらいで元が取れるのでは……」とは開発担当者。
カメサポ〈CAM SUPPORT〉(参考出展)
障害物の変化を画像処理で検知するリヤカメラシステムを展示。このカメラシステムは、動きのある物体、もしくはバック時に検知範囲に入ってきた物体を画像解析して、障害物の危険をモニター上で知らせてくれるものだ。従来の単眼カメラではリアルタイムの障害物検知は困難だったが、独自のエンジン(画像処理集積回路)によって、単眼カメラでもリアルタイムの障害物検知が可能となったという。ざっくりいうと、カメラが捉えた映像内で障害物を特定し、クルマの移動もしくは障害物の移動によって生まれるサイズの違いを計測する。例えば、自転車などが車両後方にある場合。後退すると映像内の自転車も大きくなる。これを障害物と検知して警告してくれるというものだ。検知可能な範囲は50cm~3m。バック時に運転席から見えにくい駐輪自転車や子供やしゃがんだ人などを検知可能で、夜間でも障害物を検知できるように高感度センサーを搭載。フレームレートの適正化でより滑らかな映像処理とセンシングを実現しているという。
カー用品をIoT化!!
コネクテッドベース(参考出展)
さまざまなカー用品のIoT化や、車両状態、消耗品などの遠隔監視に応用できるベースユニット。配線は常時電源に接続するだけと簡単接続。各機器とBluetoothで接続するので、機器間の配線は必要ない。
コネクテッド360センサー(参考出展)
コネクテッドベースと連携するオプション品。360度の検知が可能なドップラーセンサーにより、離れた駐車場などにある愛車に不審者が接近すると、コネクテッドベースを通じてマイカーに迫る危機をスマートフォンなどに通知する。このドップラーセンサーは、1つで360度の検知が可能というのがスゴいところ。特許技術だ。また、ダクション360との連携により、不審者が接近したのを検知した際に映像を残すことも検討しているという。
コネクテッドスターター(参考出展)
コネクテッドベースと連携することで、クルマとスマートフォンが通信圏内ならスマートフォンアプリでどこからでもエンジンの始動が可能になる。従来のエンジンスターターでネックだった特定小電力無線通信の距離制約から解消されるのだ。アプリではエンジン始動/停止操作・確認ができる。ほかにもドアのロック/アンロックの操作・確認、車内温度の確認、GPS測位による車両の位置確認も可能となる。
コネクテッドセキュリティアラート(参考出展)
コネクテッドベースと連携して、純正セキュリティの作動状態(ホーンの鳴動)を監視する。純正セキュリティの発報をクラウド経由でユーザーのスマートフォンにSMSで通知する。遠く離れた場所でも愛車の異常が通知されるので、早期通報や被害軽減に役立つ。コネクテッドスターター同様に、GPS測位による車両位置の確認も可能で、乗り逃げされた場合には車両の追跡や早期発見にも役立ちそうだ。
カーメイト製品をもっと使いたくなる技術
かんたん適合検索アプリ(参考出展)
カー用品が愛車に適合するのかを調べるのは意外と面倒なもの。と思っている人はクルマ好きでも多いのではないか。クルマにそれほど興味がない人ならなおさらで、適合表などの冊子があっても調べるのが難しいという人はじつに多いという。そこで、カーメイトは車検証の2次元バーコードを読み取ってカー用品の適合情報を確認できるアプリを開発した。専門知識が必要なカー用品の適合確認作業が簡単・確実にできるようになる優れもの。調べた製品(品番)が適合しなくても、ほかのカーメイト製品ラインアップも表示されるから、適合する製品も見つけやすい。車検証の2次元バーコード情報を保存しておけば、ほかに調べたいアイテムの適合確認も可能になるというから、かなり便利に使えそう。ブースではチャイルドシートの適合が確認できるデモ展示を行っている。
Carmate QA チャットボット
「LINE」を活用して、カーメイト製品の適合や質問を自動で回答してくれるAIチャットボット。クルマの知識がなかったり、日中になかなか電話で問い合わせができない人に向け、誰でもいつでも気軽に24時間365日問い合わせができる環境を作り出すために開発されたもの。いままではチャイルドシートのみこのチャットボットが対応していたが、この度、全製品カテゴリーの適合確認や問い合わせ対応などができるようになった。適合確認のほか充実したアフターフォローについてや、製品購入前に気になることなどを、「LINE」で会話をするように気軽に相談できるので、いつでも知りたいことや困りごとへの解決の足がかりがつかめる。現状ではまだ成長途上で、解決しないこともあるという。その場合には内容を精査・修正して学習させ、蓄積される機械学習とあわせてドンドン成長していくそうだ。ちなみにアカウントごとにチャットした内容を記録しているから、よりスムーズにやり取りできるようになるとか。
ドローンをスタンバイ状態でクルマに格納!?
ドローンステーション(参考出展)
今話題のドローン。これの活用範囲を広げるための新たな提案としてクルマへ搭載するための「ドローン格納装置」を開発。”1分1秒を争う緊急事態に車両から速やかにドローンを発進可能にすること”をコンセプトに、すぐに飛行できる完成状態で格納できる箱をつくったのだ。災害などで救援活動を行う際の情報収集のためにドローンを利用する、たとえば消防署などで活用してもらうことを想定している。
ギミックは非常に興味深いもの。組み立てられたドローンをドローンステーションに格納して、離陸ポイントまで搬送。遠隔操作により格納ボックスのフタを自動で開く。と同時にドローンが置かれるプラットホームがせり出し離陸可能な状態になるのだ。このときすでにドローンの電源もオンになっており、迅速なドローンの出動が可能。安全な離陸を実現させるために、監視カメラや夜間照明、温度制御ファンなどの安全装置も備えられている。
ドローンステーションはカーメイトのルーフキャリヤで車両のルーフに安全・確実に設置される。ドローンの収納場所の確保や現場でのドローンの組み立て作業時間が短縮できるなど、従来の課題を解決。災害時の情報収集などのシーンで活躍が期待できる。ちなみにこの「ドローンステーション」。10月24日から受注を開始。価格は150万円から、とのことだ。
展示された製品はあくまでもコンセプトモデル。利用するドローンの種類(モデル)やサイズ、固定装置の形状、搭載する車両などで仕様を変更する必要があるため、それぞれにあったものを製作していくオーダーメイドとなっているからだ。使用シーンに応じて柔軟に対応していくというから、実際に製品となった場合はどんな姿になっているかも興味があるところだ。
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