アクティブ派のミカタ！進化を続ける輸入車クロスオーバーの世界

車の歴史 [2025.10.06 UP]


アクティブ派のミカタ！進化を続ける輸入車クロスオーバーの世界
好きなクルマで好きな場所へアクティブスタイル進化論

文●ユニット・コンパス　写真●メルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲン
（掲載されている内容はグーワールド本誌2025年11号「輸入車で実現するアクティブスタイル」記事の内容です）

歴史を知れば、現在がより理解できる。ステーションワゴンやハッチバックを拡張したアクティブスタイルがどのような経緯で登場したのかを振り返る。


日常と非日常を１台のクルマで楽しめる
　クルマのスタイルは、ユーザーニーズと技術の組み合わせで決まる。セダンやワゴン、クーペといった車型がそうだったように、カタチというのは用途や機能に大きく関係する。

　乗用車をベースに車高を上げ走破性能を高めたクロスオーバーモデルの元祖は、一説にはレガシィグランドワゴン（1994年）だと言われている。このモデルが北米市場で成功したことにより、欧州自動車メーカーも後を追うようにモデルを投入。ひとつのジャンルとして成長した。



メルセデスはW124の世代に登場した4MATIC（AWD）によって乗用車でありながら積雪路を苦にしない走破性を実現。システムをブラッシュアップしながらその考え方は現在のモデルにも受け継がれている。

　ポイントになったのが、最低地上高の確保とオフロードも走れるタイヤの装着、そして四輪駆動。街中や高速ではクロスカントリー4WDより快適で、荷物もたくさん搭載できる。万能な1台として週末にアウトドアレジャーを楽しむ人々に愛された。SUVの進化でその数は減ったが、コンパクトカー市場にそのDNAは受け継がれたといえる。

　技術の進化がアクティブスタイルを身近な存在に変えてくれたのだ。



乗用車用AWDシステムの草分けがアウディ。定評あるワゴンボディにクワトロシステムを搭載し、車体をリフトアップしたのがオールロードクワトロ。究極の実用車として人気を集め、フォロワーを生み出した。


既存モデルの足まわりに手を加えて走破性能を高めるというコンセプトはコンパクトカーにも派生。現在はさらに進化したクロスオーバーモデルが多数登場。正統派ハッチバックを超える人気を集める。


フォルクスワーゲンのID.4は、ハッチバックとSUVのクロスオーバー。空気抵抗を低減するために全高を低くしたいといった事情も、クロスオーバー的なデザインの流行につながっている。