ヤマハは、MotoGPのシーズン後半戦の幕開けとなるイギリスGPを前に、フランコ・モルビデリとの契約を更新せず、今季限りで袂を分かつことを発表した。
モルビデリは2018年にマルクVDSホンダで最高峰クラスデビューを飾った後、2019年にヤマハのサテライトチームであるペトロナスSRTに加入。2020年にはランキング2位を獲得している。
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2021年シーズンの途中からは、ヤマハを離れたマーベリック・ビニャーレスの後任としてファクトリーチームに移籍。しかし、これまでヤマハ・ファクトリーでの最高位は今季のアルゼンチンGPでの4位となっている。
ヤマハに残留するのか、それとも離れるのか、モルビデリの将来は今年注目されてきたが、ヤマハはイギリスGPを前にモルビデリと決別することを発表した。
ヤマハのマネージング・ディレクターであるリン・ジャービスは、モルビデリに感謝を述べつつ、双方合意の上で袂を分かつことを決めたとコメントした。
「何よりもまず、ファクトリーチームに移籍して以来、そしてそれ以前からヤマハのサテライトライダーとして活躍してきたフランキー(モルビデリの愛称)のハードワークと献身に感謝したい」
「ヤマハとモルビデリのパートナーシップは、2020年のチャンピオンシップ2位獲得など、素晴らしい結果をもたらした」
「しかしこの2年間、我々双方が望んでいたような結果が得られなかったのは残念だ」
「パートナーシップを継続する可能性についても話し合ったが、最終的には、ヤマハにとってもフランキーにとっても、2024年が変革の時だと判断した」
「チームとしてはフランキーを全力でサポートし、共に過ごした時間を最高の形で締めくくりたい」
2023年シーズンはドゥカティをはじめとする欧州勢が強さを発揮している一方で、ヤマハは苦戦。シーズン前半の8戦で、ファビオ・クアルタラロが表彰台を2回獲得するに留まっている。
以前モルビデリはmotorsport.comの独占インタビューで、2024年の契約を確保するためにも、状況改善に向けてヤマハから”信頼”されていると感じていると語っていた。
またアメリカズGPでジャービスは、モルビデリ残留がヤマハの第一選択であり、特に2024年にサテライトチームを獲得できる可能性が低い以上、経験豊富なライダーが必要だと述べていた。
しかしイタリアGP終了後には、モルビデリがインタビューの中で「ヤマハともう1年やりたいと僕が望んでいるって?」と意味深な発言をするなど、関係悪化の兆しもなかったわけではない。
なおモルビデリの後任は発表されていないが、LCRホンダのアレックス・リンスの移籍が噂されている。ホンダもヤマハと同様苦戦が続いているが、リンスはアメリカズGPで優勝したにも関わらず、自身へのサポートが不十分だと不満を持っているからだ。
そのリンスはイタリアGPでの骨折からまだ療養を続けており、イギリスGPは欠場。代役としてイケル・レクオナがリンスのバイクに乗ることになる。
ホンダからワールドスーパーバイクに参戦しているレクオナは、2024年のMotoGP復帰に向けてそのパフォーマンスを評価されている最中のようだ。
現段階では、ヤマハを離れるモルビデリの将来がどうなるかも不明となっている。
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みんなのコメント
モルビデリはやはりドカのサテライトか。