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両ヒート緊迫の“フォトフィニッシュ”でウォーターズ&レイノルズのマスタングが勝利/RSC第11戦

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両ヒート緊迫の“フォトフィニッシュ”でウォーターズ&レイノルズのマスタングが勝利/RSC第11戦

 タイトル決戦も大詰めを迎えた2023年のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップは、10月27~29日におなじみサーファーズ・パラダイスの市街地サーキットで『ブーストモバイル・ゴールドコースト500』が開催され、直前に性能調整に関する『パリティ・レビュー・システム(同等性評価)』の再調整を受けたフォード・マスタング・スーパーカーが躍進。

 レース1はキャメロン・ウォーターズ(ティックフォード・レーシング/フォード・マスタング)が、王者“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トリプルエイト・レースエンジニアリング/シボレー・カマロZL1)を0.1945秒差で。日曜のレース2はデビッド・レイノルズ(ペンライト・レーシング/フォード・マスタング)が選手権ポイントリーダーのブロディ・コステッキ(エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)を0.1889秒差で撃破する2戦連続の“フォトフィニッシュ”で、シボレー・カマロZL1に一矢報いる週末とした。

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 今月に恒例の第10戦として開催されたシリーズ最大の祭典『レプコ・バサースト1000』を前に、フォード陣営は異例の連名で「同等性評価」に疑義を唱える変更要求を提出したことが話題となったが、スーパーカーの技術部門は当該のタイミングでは「審査基準を満たしておらず、今回の決定は規制に沿っている」と主張。再調整は見送られる格好となっていた。

 しかし“聖地”マウントパノラマでの勝負も、終わってみればGMシボレー陣営のSVG/リッチー・スタナウェイ組が勝利を飾り、来季NASCAR挑戦を表明したチャンピオンが最後のグレートレース制覇を成し遂げることに。こうした結果も受け、技術部門は改めて第7世代をベースとした新型Gen3規定マスタングに対し、空力性能を主眼に合計6カ所の変更を承認した。

 これによりマスタング全車は、リヤウイングを中心にスパンの100mm拡大と位置の25mm上昇と25mmの後退、そして最大迎角7度の拡大を実現。またフロントフェイシア要素とサイドスカートの変更、前輪のホイールハウス内では整流を担うホイールバンドの追加も認められた。

 これらの変更点を代表でテストしたウィル・デイビソン(ディック・ジョンソン・レーシング/フォード・マスタング)は「大きな違いは考えていない」としつつ「願わくば、そのほんの少しの追加が安定性とグリップを向上させ、クルマのセットアップに役立ち、ドライバーが求める競争の場を提供してくれることを願っている」と語った。

「僕らが得た変化によって、パフォーマンスがさらに向上する可能性があると確信している。これはとくに性能が拮抗した車種の場合、気まぐれな話題でもあるけどね。従って、今回クルマに加えられたのはほんの微調整だ」と続けたデイビソン。

「ゴールドコーストはバサーストとは異なり、直線ははるかに短い。でもシケイン周辺でのハンドリングが非常に重要で、ここでもエアロバランスは確実に効いてくる。僕らは100分の1秒、10分の1秒を争っているが、このわずかな相違が違いを生むんだ」

 その言葉どおり、土曜最初の予選ではモンスターエナジーの6号車を操るウォーターズが、暫定ポールから予選トップ10シュートアウトでも最速を維持して今季3度目、そして自身サーファーズ・パラダイス初のポールポジションを手にする。

■2018年以来、約5年ぶりの復活勝利

 そのままフロントロウのマット・ペイン(ペンライト・レーシング/フォード・マスタング)を従えてレース1でも主導権を握ったウォーターズは、2回のピットウインドウも無難にこなすと、最後のルーティンでは先行したレイノルズも捉えて首位を奪還。終盤には背後に迫ったSVGの追撃も振り切り、ゴールドコースト史上最小僅差のギャップでトップチェッカーを受けた。

「信じられない。正直に言うと、今年はとても衝撃的な年だった……」と、前戦マウントパノラマではDNFに終わっていたことも念頭に、感極まった様子を見せたウォーターズ。

「チームの顔に浮かぶ感情がすべてを物語っているし、とても幸せだ。シェーン(-ヴァン・ギスバーゲン)が僕を迎えに来てくれたようだが、GMにまた殴られるわけにはいかなかったから、死ぬ気で戦ったよ……」

「燃料とタイヤを少しずつ節約する必要があった。縁石で何回か跳ねたが、最後の5周に向けて準備が整っていることを確認した。すべてを出し切ったし、彼は僕のバンパーまで近づいたが、決して前に出すことはなかったね!」

 明けた日曜のシュートアウトこそ意地を見せた選手権首位コステッキが奪い返すものの、決勝レース2ではオープニングラップで3台が絡むアクシデントが発生。すぐさまセーフティカー(SC)が出動する波乱となる。

 リスタート後も首位を維持したコステッキだったが、16周目に最初のピットストップを完了したポイントリーダーに対し、背後で好機を窺っていたレイノルズは32周目まで引っ張るレイトストップの戦略を敢行。それぞれ56周目と60周目に最後のルーティンを済ませると、ここでゴールドに輝く26号車のマスタングが主導権を奪っていく。

 さらに85周中の79周目はスコット・パイ(チーム18/シボレー・カマロZL1)がクラッシュを喫し、この日2回目のSCが発動すると、レース終盤に何度か順位を入れ替えてのバトルが続いていたレイノルズとコステッキは、残り4周のスプリント勝負へ。ここでなんとかコステッキの前を維持したレイノルズが、わずか0.1889秒差でフィニッシュラインへ。自身2018年以来、約5年ぶりとなる待望の復活勝利を挙げた。

「こんなとき、僕は何か違うことをしたいだけなんだ。誰もがそこに立ってトロフィーを手に入れ、シャンパンを吹きかける……それはちょっと退屈だと思ってね」と、ポディウム上で消火器を噴射した38歳のレイノルズ。

「周りを見回すと消火器が見えて『ああ、これが僕の流儀だ』と思ったよ(笑)。それはCO2ボンベのようなもので、大きな霧の雲をみんなの周りに噴射して立ち去るつもりだった。でも押してみたら水だったから、とても残念で悔しかったよ……」と予想外の結末を迎えたウイナー。

「でも、このレースはおそらくキャリア最高の勝利のひとつだ。これまででもっとも苦労して勝ち獲った……という点でね」

「理想的には、もう少し余裕のある差で勝ちたいが、最終スティントでブロディ(・コステッキ)に前に出られたところで苦労した。必死で我慢しなければならなかったよ」

 これでマスタングが連勝を飾り、日曜の2位でコステッキは2969ポイント、同5位に終わったSVGが2565ポイントで最終戦へ。11月23~26日の『バイロ・アデレード500』で今季の雌雄が決する。

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