新型車比較・ライバル車対決 [2022.03.05 UP]
新型ノア/ヴォクシー&新型ステップワゴン&セレナ徹底比較
今買うならこいつで決まり!
ノア&ヴォクシーとステップワゴンが新型に切り替わることで、ミドルミニバンが盛り上がるのは間違いない。セレナを加えた主力3モデルの中で、今買うならばどれを選ぶのがいいのか? 損得勘定を踏まえてお教えしよう。
新型ノア/ヴォクシー徹底チェック【3】最終結論/おすすめグレード
●文:渡辺陽一郎
3大ミドルミニバン徹底比較「今年の主役はこれだ!」
Check.01/エクステリア比較
ステップワゴンのボディサイズが拡大
車格感アップで上級キャラを追求する
新型ステップワゴンは、従来型よりもボディが大きい。スパーダの全長は4830mmで従来型に比べて70mm、全幅は1750mmと55mm拡幅されている。販売終了したオデッセイをカバーしたい意向もあるようだ。ちなみにこの余裕分はキャビン空間の拡大につながっている。その一方でフロントマスクは馴染みやすい印象。側面もシンプルだ。
ノア&ヴォクシーの全長は、全車が4695mmで全幅は1730mmに収まる。新型ステップワゴンよりも小さいが、どちらもフロントマスクの存在感は強まっている。これはミニバンユーザーの約70%が存在感の強い顔立ちを好むから、ということも理由だろう。ノアとヴォクシーで顔つきが異なるが、今回も上手に共存できそうだ。
セレナはハイウェイスターこそ全幅は1740mmだが、標準ボディ車は5ナンバーサイズに収まる。ウインドウの面積を広く見せるデザインもまだまだ新鮮、2モデルに比べても古さはまったく感じない。
TOYOTA 新型ノア&ヴォクシー
●価格帯:267万~389万円(ノア)/309万~396万円(ヴォクシー)
以前は穏やかなノア、精悍なヴォクシーとキャラが分かれていたが、新型はデザインこそ違うが、押し出し感の強いイメージに統一されている。
HONDA 新型ステップワゴン
●価格帯:299万8600~384万6700円 ※編集部調べ
フロントまわりのデザインは、初代ステップワゴンのイメージに近い。先代に比べてボディサイズもやや大きくなっている。
NISSAN セレナ
●価格帯:257万6200~380万9300円
改良時のフェイスリフトで、Vモーショングリル顔に変身したこともあって、新型に切り替わった2モデルと比べても古さはまったく感じられない。
Check.02/インテリア比較
いずれも広々キャビンだが
アレンジ性能に若干の違いあり
ノア&ヴォクシーの足元空間は、先代に比べて若干狭くなった。その原因としては、プラットフォームの刷新により1列目から3列目までの間隔が20mm縮まり、床も20mm高くなったからだ。2列目に座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、3列目の膝先空間は握りコブシ1つ半になる。同じ条件だと先代の3列目には2つ分が収まったから、新型は少し狭くなっている。
ステップワゴンで同じ測り方をすると、3列目の膝先にも握りコブシ2つ分の余裕が生じる。セレナの3列目を後端までスライドさせて同様に測ると、3列目の膝先空間は握りコブシ2つ半まで拡大した。セレナはほかの2モデルに比べて、余裕があるといっていいだろう。ちなみにノア&ヴォクシーとステップワゴンの3列目は、ノア&ヴォクシーは着座位置の調整で、ステップワゴンは座面を20mm厚くする工夫で、座り心地そのものは向上している。
シートアレンジは、細かな部分でどのモデルも多彩なアレンジ機構を持っており、ロングスライドも採用する。
おのおのの独自の特徴としては、セレナ(e-POWER車を除く)は2列目中央部分を1列目~3列目でスライドできること。ステップワゴンは3列目が床下格納の可能なこと。ノア&ヴォクシーは、内装形状の変更で、2列目を内側にスライドさせなくても前後に745mm調節できるようになった(ベンチシートは705mm)ことが挙げられる。
新型ノア&ヴォクシー
7名乗り車の2列目シートは2名掛けのキャプテンシート(写真)が基本だが、OPで2名がけのベンチシート仕様も選ぶことができる。
8名乗り車の2列目シートは、3名がけのベンチシート。僅かに稼働範囲は縮まるがロングスライド機構を備えている。
3列目シートの格納は左右跳ね上げ式。床面を薄型設計にすることで、格納時のスペース効率を高める工夫が盛り込まれている。
新型ステップワゴン
2列目シートはキャプテンシート(写真)とベンチシートを用意。キャプテンシートにはロングスライドに加えて横スライド機構も備わる。
3列目シートは床下格納式。荷室の左右をすっきりとできる利点を持つ。積載の多様性は一歩リードしているといっていい。
セレナ
販売の主力を担うe-POWER車の2列目シートはキャプテンシートのみの設定。横スライド機構によりベンチシート風にアレンジも可能。
3列目シートは左右跳ね上げ式。座り心地も重視したタイプのため座面はやや厚め。格納時は少々大きさが気になってしまうかも。
Check.03/走行性能比較
ノア&ヴォクシーはもちろん
ステップワゴンの走りの進化にも期待
新型ステップワゴンの走行性能や乗り心地は試していない。それでも基本的なパワーユニットとプラットフォームは従来型と共通。そこからある程度の予測はできる。
e:HEV車は高速巡航時を除くとモーター駆動が中心で、加速は滑らかだ。アクセル操作に対する反応も機敏で、2.5ℓエンジン車並みの余裕がある。フットワークに関してはステップワゴンはもともと低床設計で重心も低く、ミドルミニバンの中では安定性が優れていた。新型はステアリングやペダル操作に対する車両の動きが一層上質になり、自然に曲がる感覚も強まるだろう。フィットやヴェゼルの新旧比較と同様のことが、新型ステップワゴンにも当てはまるはずだ。
この進化の方向性はノア&ヴォクシーも同じだが、ステップワゴンと異なり、パワートレーン系、プラットフォーム系すべてを刷新させた。先代と比べた時の進化の度合いはノア&ヴォクシーの方が大きいだろう。先代同士の比較では、走りや乗り心地はノア&ヴォクシーよりもステップワゴンが明らかに優れていたが、新型同士での比較では、e:HEV車の滑らかさは優位性として残るものの、安定性と乗り心地は同等に近付くはずだ。
セレナはe-POWER車の滑らかさは魅力だが、最新に切り替わる2車に対しては分が悪い。近々登場する次期型の進化は大きいはずだけに、どう変わるのかに期待したい。
新型ノア&ヴォクシー
パワートレーン&プラットフォームをTNGA化したことで、走りの総合力も大幅アップ。走りの面でもミドルミニバンをリードするモデルに進化を遂げた。
主力を担う1.8ℓハイブリッドはプリウス世代をベースとするが、蓄電バッテリーやコントロールユニットの改良により、電動走行域の幅が拡大されている。
新型ステップワゴン
EVモード
ハイブリッドモード
エンジンモード
ステップワゴンに採用されるe:HEVの詳細は明らかにされていないが、先代と同じく2ℓエンジン仕様がベースになるのは確実。各部の改良も行われているはずだ。
セレナ
いまや販売の主力を担うe-POWER車。電動駆動の力強い走りは高く評価されているが、乗り心地などにはやや古さを感じる場面も。
セレナに採用されているe-POWERは、世代的には先代ノートがベースだが、駆動モーターの出力を強化することでミニバンの車重にも対応している。
Check.04/装備&機能比較
次を見据えた次世代装備は
最新設計のノア&ヴォクシーが優位
装備が最も先進的なのはノア&ヴォクシーだ。衝突被害軽減ブレーキは、右左折時の直進車両や歩行者にも反応する上、歩行者を検知した時に、飛び出しを予測して、回避操作の準備をするプロアクティブドライビングアシストも採用した。これは危険に近寄らせない一歩進んだ安全装備になる。他にも車両が接近すると電動スライドドアを開く操作を停止したり、渋滞時にステアリングホイールから手を離しても作動する運転支援機能も採用した。スマホを使って車外から車庫入れを行うことも可能だ。通信機能とSOS発信の可能なヘルプネットも、全車に標準装着している。
ステップワゴンも基本的な衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、通信機能は採用するが、車両が接近すると電動スライドドアの作動を停止させたり、渋滞時にステアリングホイールから手を離せる運転支援機能はない。セレナも現行型に関しては先進機能は乏しい。このあたりも次期型の動向が期待される部分だ。
新型ノア&ヴォクシー
従来型は最後まで運転支援機能に対応しなかったが、新型はLTAはもちろん、事前に危険を回避する一歩進んだ機能まで対応している。
新型ステップワゴン
先代はいち早くフル機能型のホンダセンシングを標準装備するなど、運転支援の充実ぶりが際立っていたステップワゴン。新型にもその美点は継承されるだろう。
セレナ
プロパイロットを装着することで、高度な操舵支援を実現しているセレナ。OP装備ということは残念だが、性能面ではトップレベルといっていい。
3大ミドルミニバン徹底比較【結論】
新型デビューの2モデルが大きくリード
セレナはちょっと苦しい
新型ステップワゴンの強みは、優れた居住性を持つことだ。クルマ酔いの研究も行い、2/3列目シートに座る乗員の快適性を高める工夫が盛り込まれる。キャビンも広がり、座り心地も3列目を中心に改善した。乗り心地を含めて、多人数乗車時の機能を充実させている。
逆にノア&ヴォクシーは、3列目が先代よりも若干狭い。座り心地には配慮したが、居住性はステップワゴンほど向上していない。その代わり走行性能や乗り心地、燃費は大きく改善。ハイブリッド車(FF車)のWLTCモード燃費は23.0~23.4km/ℓと、先代から新型に乗り替えると、燃料代は15~17%節約できる計算になる。
ミニバンは20年以上にわたり進化を続けたから、もはや車内の広さや質感では、ライバル同士で大きな差は付きにくい。そこでノア&ヴォクシーは、プラットフォームを刷新させ、パワートレーンも強化。燃費で差を付け、安全装備や運転支援機能も充実する。個性を強めたスタイリングは複数の選択肢から選べるなど、売るための戦略も抜かりがない。
セレナはモデル末期だが、多彩なシートアレンジと、3列目の快適性は今でも注目される。「ミニバンらしさ」は、ステップワゴンやノア&ヴォクシーよりも濃厚だ。今だに古さを感じさせない洗練されたデザインも魅力だが、先進機能よりも、ミニバンの基本的な実用性を重視するなら、セレナは今でも選ぶ価値が高い。
新型ノア&ヴォクシー
走行関連機能の進化に加えて、泣き所だった運転支援機能も大幅に強化。まさに全方位が別物といえるほどの進化を遂げている。ベストセラーの座は安泰だろう。
新型ステップワゴン
ボディサイズの拡大にともなうキャビン快適性の向上は、上級ミニバンを狙った動きと考えていい。利便性に加えて購入欲をくすぐるラインナップにも期待大。
セレナ
ライバル2車が新型に切り替わることで劣勢は否めないが、ミニバンとしての実力は今でも見劣りしない。ちなみにセレナも今年中には次期型に切り替わることが予想されている。
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みんなのコメント
ホンダ関連会社の奴らと宗教信者しか買わないだからな、仮にN-BOXにトヨタのマーク着けたら8割増しだろうな!