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F1は年間24戦が限界? チーム首脳陣から「スタッフにとって持続可能にしなくては」と現場おもんぱかる声

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F1は年間24戦が限界? チーム首脳陣から「スタッフにとって持続可能にしなくては」と現場おもんぱかる声

 F1は先日、2024年シーズンの開催カレンダーを公表し、2023年の当初開催予定だった全24戦が維持されることが分かった。ただこのレース数を、F1チーム側は“限界”の数だと感じている。

 今シーズンのF1は全24戦を予定していたが、新型コロナウイルスの影響によって中国GPが中止され、さらに豪雨災害によってエミリア・ロマーニャGPも中止に。結果的に全22戦で争われることになった。

■F1メカニックの過酷な現実。カレンダー拡大で追い詰められる現場の声「F1は”限界”に近づいている」

 来年の開催予定は、CO2排出削減の考えから開催地のグループ化といった変化はあるものの、今年の当初予定と同じ全24戦のスケジュールが組まれている。

 一昔前から考えるとかなりレース数が増大しているが、この年24回というグランプリの開催数に関しては、F1CEOのステファノ・ドメニカリは「正しい数だ」と語っている。ただチーム側としては、24戦は”限界の数”として認識されている。

 マクラーレンのザク・ブラウンCEOは2024年の開催スケジュールについて尋ねられると「24戦というのは限界だと思う」と答えて、更に次のように続けた。

「ステファノはこういった数に設定していくつもりだろう」

「おそらくグランプリの需要は年30戦にのぼるだろう。私としては24戦で良いだろうと思っているが、より多くの市場を受け入れるためには20戦を固定として、8つのローテーションのグランプリを設け、28の会場で年24戦という形になるかもしれない」

「これはカレンダーを現状で維持しつつさらに成長させるためには素晴らしい方法だと思う」

「スケジュールは物流の観点からは間違いなく改善されたが、簡単ではない。というのも各地域での開催日にはその日付にしたい理由など、様々な特性があるからだ。ただこれは我々にとって最重要なことであり、改善を続けていくことに疑いはない」

 またアストンマーチンのマイク・クラック代表は、連戦によってチームスタッフが燃え尽き症候群にならないよう、ローテーションさせるなどの対策が必要になっていると語った。

「全24戦という点については、多くの議論が行なわれてきた。ダブルヘッダー、そしてトリプルヘッダーも存在している」

 クラック代表はそう語る。

「全体としては、我々に可能なモノもしくは受け入れられるところから、(全24戦は)限界からそう遠くないモノだ。ただこれをスタッフにとって持続可能なものとする方法を見つけられるかは、チーム次第だと思う」

「全てのチームがそのために動き、議論し、解決策を見つけようとしていると思う。しかし繰り返しになるが、この開催数はF1の強さを示しており、それには我々皆が同意するものだ。そして今は、全ての人にとって持続可能な方法でこれを実現するやり方を見つけなくてはならないんだ」

 2023年からウイリアムズの代表を務めているジェームス・ボウルズは、今ではスタッフのローテーションを効率的に行なうことが、どのチームにとっても重要な戦略になってきていると語った。

「これは最適化の問題だ」と、ボウルズ代表は語る。

「明らかに我々は同じ人材に頼り続けることはできなくなっている。我々はレース組織の運営方法を、ある程度再考する必要がある」

「ただ、年間で32戦かそれ以上開催するレースシリーズも存在している。これは最適化の問題なんだ。パフォーマンスを発揮しながらも、誰もが持続可能な生活を送るにはどうしたら良いのだろうか? というね」

 フェラーリのフレデリック・バスール代表もライシーズンからはローテーションの増加を進めていく考えを示している。また全24戦というスケジュールは、F1の成功を示すものだとも語った。

「メカニックスタッフよりも私のほうがずっと楽だと思う」と、彼は言う。

「まずそのことを頭に留めて置かなくてはならない。もし誰かが不満を表明するとしたら、それはチーム代表よりもメカニック達だということだ。彼らのためにも、我々はローテーションをスタートさせようとしているんだ」

「個人的には思い上がるべきではないと思う。5年前には16戦、17戦のレースを行なうためのプロモーター探しですら大変だったんだ。今では大成功となっているが、『いや、来週末は家で妻とBBQをしたいんだ!』とは言いたくない」

「23戦でもなく25戦でもない24戦が、正しい数なのかは分からない。しかしかなりバランスはとれていると思う」

「スタッフのためにローテーションのようなモノはたしかに必要だろう。私は木曜にサーキットに入り日曜夜には発つが、彼らは月曜、火曜に到着して次の月曜に出発するんだ。この2つは同じ生活ではない。だから私は問題ないが、彼らのためにローテーションを進めているんだ」

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