車種別・最新情報 [2026.07.06 UP]
日産キックス、新型はどう変わった?! おすすめグレードは?
新型キックス「ロッククリーク」先行公開!アウトドア気分高まるワイルドなカスタムモデル
期待のコンパクトSUV! 最新e-POWER&4WDを搭載して堂々デビュー
日産の国内戦略を支える基幹SUVとして、ついに新型キックスが登場した。新型はこれまでのカジュアルな印象から、第3世代e-POWERやe-4ORCEの採用により「走りと質感のプレミアム性」へ大きく舵を切ったことを強みにしているようだ。ここではクルマの魅力やグレードの選び方などをお教えしよう。
●文:川島 茂夫
※本記事の内容は月刊自家用車2026年8月号制作時点(2026年6月中旬)のものです。
プレミアムへ舵を切った日産の新たな主力SUV
新型キックスは、今後の日産の国内戦略において、基幹車種のひとつになるモデルと言える。米国市場では2024年に販売が開始され、日本市場への導入が2年遅れとなった経緯を考えても、ドメスティックな日本市場重視のモデルという位置付けではない。
しかし、ノート/オーラと共に国内のスモールクラスからプレミアムコンパクトまでの市場を支えるに十分な商品力を備えており、多様化するニーズや手薄なカテゴリーの充足という側面からも、日産の不可欠な重要モデルになる。
注目のグレード構成は、FWD(2WD)のエントリーを担う「Xシンプルパッケージ」の299.97万円から、最上級となる「G・e-4ORCE(4WD)」の424.82万円まで、全8モデルをラインナップする。駆動方式別に全体をまとめると、ベーシックな仕様と最上級グレードとの価格差は約90万円。競合のひしめくコンパクトSUVカテゴリーにおいては、かなりワイドレンジな価格設定がなされている。
登録車の実質的なエントリーモデルとなるノートは、標準系が「X」のみに絞られておりFWDが232.87万円。その上級に位置するオーラの標準系は「G系」のみでFWDが282.15万円からの設定になる。
対する新型キックスの標準グレード「X」のFWD車が325.93万円なので、ラインナップとしてはスモールクラスから上級コンパクトにいたる幅広い領域を、この3モデルで巧みにカバーしている。これをひと昔前のラインナップに例えるならば、マーチからブルーバードまでの幅広い領域をカバーするような感覚だ。
もちろん、これらは車格の上下関係だけでなく、2BOX/セダンに位置するノート/オーラに対して、キックスはSUV/ワゴン系に相当し、カテゴリーあるいはキャラクターも含めた適応用途のさらなる拡大という大役を担っている。
独創的なデザインと実用スペースを巧みに融合
外観の印象は、主戦場である北米やメキシコのパーソナルユースを意識してか、かなりスペシャリティ色の濃い独創的なデザインとなっているが、実用スペースの勘所をしっかりと押さえた巧みなパッケージングが備わっていることも美点のひとつ。
サイズ的には「ひと回り大きくなった」と言うほどの劇的な差はないが、ホイールベースは従来型に対して約40mm拡大。この延長分による恩恵はそのまま室内空間に振り向けられており、従来型以上の居住性と積載性を持つ。
さらに新型キックスで見逃せないのが、プレミアム性の強化だ。人気のコンパクトSUVクラスに投入され、実質的にはノート/オーラの上位車種の役割も与えられており、内外装の雰囲気やキャビン実用性が進化しているほか、走りも1ランク上を狙ってきている。
日産は、この新型キックスに搭載されるe-POWERを「第三世代」と明確に位置付けており、従来型から大幅に刷新されている。日本市場向けとしては初採用となる、モーター/発電機/インバーター/減速機/増速機を完全に一体化させた「5-in-1」構造のe-POWERを採用し、ユニットの小型軽量化を図るとともに、ケースの高剛性化を進めている。エンジンも発電特化型として開発された1.4ℓを採用するなど、燃費や静粛性のさらなる向上が図られている。
なお、この1.4ℓエンジンはミニバンのセレナのe-POWERにも採用されている定評あるユニットであり、セレナに比べて車体サイズも車重もひと回り以上コンパクトで軽量なキックスとの組み合わせとなれば、日常域から高速域まで動力性能面での余裕は相当に期待できそうである。
コンパクトの常識を覆すe-4ORCEに期待
そして走行性能の面において、新型最大のセールスポイントとして注目したいのが、進化した4WDシステムだ。従来型でも4WD車はリヤモーターの恩恵により、乗り味の車格感やしっとり感においてFWD車を明確に上回っていたが、新型ではそれ以上の劇的な進化となる。
従来型では「e-POWER 4WD」と呼ばれていた4WDシステムは、新型ではエクストレイルやアリアなどと同様の「e-4ORCE(イーフォース)」へと見事にグレードアップを遂げた。前後独立駆動を可能とするツインモーター4WDという基本構成そのものは変わっていないが、乗り心地や操縦安定性を飛躍的に向上するための、微妙な駆動トルクの増減や、前後配分の制御範囲、さらには制御精度の緻密な向上が図られている。
シャシーの構成について言えば、先行した北米仕様のガソリン4WD車がリヤに独立懸架(マルチリンク)を採用していたため、日本仕様でもその展開を期待していたファンも多かっただろうが、サス形式は従来型と同じくFWD/4WDともに前ストラット/後トーションビーム式を用いている。
ただ、従来型でも4WD車は、リヤサス使いのしなやかさを大きな武器にしていた。新型はe-4ORCEの導入に合わせ、リヤサスのストローク使いにさらに磨きを掛けることで、乗り心地の車格感を高めている可能性は極めて高いだろう。
なお、最低地上高は従来型同様に実用的な170mmを確保。4WD車の後輪駆動用モーターの最高出力は従来型と同じ50㎾のスペックを維持する。もちろん、状況に応じてFWDからRWDまで瞬時に変化する緻密な制御が可能。これによりコンパクトSUVクラスでは、トップクラスの悪路踏破性も期待できそうだ。また、ドライブモードには新たに「スノーモード」が追加されており、冬道での安心感も増している。
プロパイロットを中心としたADAS(運転支援システム)関連の基本機能においては、機能単体として特に目新しいものはないのだが、車体周辺モニターの利便性は大幅な充実が図られている。新たに交差道路の死角を補う「フロントワイドビュー」や、車体下路面の状況をシースルーで表示する「インビジブルフードビュー」などを採用する。
都市部での日常的な用途から週末のアウトドアツールまで、緻密に考えた装備設定もキックスらしい魅力であり、新型は汎用性の高さも大きなセールスポイントになりそうだ。
コンパクトSUV市場での優位性をしっかりと維持しながら、全方位で進化させたモデルが新型キックスと考えていいだろう。スペックや高度な技術背景を見る限り、プレミアム志向のユーザーであっても、実用性志向のファミリー層であっても上手く満足させる仕上がりで、今後のコンパクトSUV選びをリードする一車となることは間違いない。
NISSAN 新型キックス
価格:299万9700円~424万8200円
SUVらしい力強い存在感と遊び心を上手に織り込んだスタイリングを採用。フロントデザインは、アメリカンフットボールのヘルメットを着想源とした、先進的で大胆なマスクに仕上げられている。
従来型から全長&全幅を拡大し、クラスアップ。先進感と車格感を両立したデザインにより、外観の印象も一新されている。
合皮やファブリック素材で仕立てたソフトマテリアルを贅沢に用いることで、モダンで開放的な室内空間を実現。12.3インチの大型ディスプレイを2枚配置した「統合型インターフェースディスプレイ」も見どころのひとつ。
日産独自の「ゼログラビティシート」は後席左右にも採用。レッグスペースやヘッドルーム、室内幅においてクラストップレベルの広さを確保している。
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みんなのコメント
自分は、それでX を購入しました。納車済です。