勢いなくしたアストンマーチン、しかしアロンソは心配せず。「来季に向け役立つ苦戦。士気も高い」

　アストンマーチンF1は2023年シーズン開幕から高いパフォーマンスを示し、2番手チームを争ってきた。しかし夏休み前のここ数戦では調子を落としているように見える。ただ、ドライバーのフェルナンド・アロンソは見た目ほど悪くはないと考えているようだ。

　アロンソは開幕からの6戦で5回の表彰台を獲得。しかしアストンマーチンは最後の表彰台が第9戦カナダGPとなっており、ここ数戦では勢いを失ってしまっている。

　マクラーレンやメルセデスがアップデートを成功させたことも、アストンマーチンが容易に上位を獲得できなくなった要因ではあるだろう。ただマシンを預かるアロンソとしては、チームの士気も悪くなく、パフォーマンスも見かけの結果ほど悪くないと主張している。

「チームの士気は非常に良いよ」

　アロンソはそう語る。

「正直に言って、毎週末がお祝いみたいなもんだ。（アストンマーチンと）契約した昨年のスパの時点では、コンストラクターズランキングでは9番手だったんだ。後ろにはウイリアムズしかいなかった」

「でも今、アストンマーチンはフェラーリの前にいる。これは信じられないほどのことだ。つまり2023年前半戦は、降って湧いたようなシーズン、というわけだ」

「ウチは開幕から速かったし、今もこのクルマや新しいファクトリーやチームの新しいエナジーなど、いろんなことを楽しんでいる」

「たしかに僕たちはここ数戦でパフォーマンスを落としている。ただ、これは繰り返しになってしまうが、見た目ほどではない。先週（ハンガリーGP）ではポールポジションから0.4秒差で、2022年シーズンからすれば驚くべきパフォーマンスだった。でも僕らは8番手だったんだ」

　アロンソは、2024年シーズンに向けてチームを軌道に乗せるという点で、最近の苦戦は良薬になっているとも語った。

「自分たちにウソを吐かず、改善する必要がある」

「隠しているわけじゃないけど、ここ数戦で僕らはパフォーマンスを失っていた。だから改善に取り組んでいるし、こうした困難は僕らをさらに強くするだろう」

「もし簡単なシーズンを送っているようだったら、僕らは2024年に向けた準備はできていないだろうね。厳しい週末を過ごしてマシンを理解し、ライバルについて学ぶことは、将来に向けてチームを強くしてくれるんだ」

「だから遅いことを嬉しがっているわけじゃないけれど、シーズン中には困難な週末を過ごす時も必要だったんだ」