マクラーレンの新しいPHV(プラグイン・ハイブリッド)モデル「アルトゥーラ」は、サーキットはもちろん、フツーの道でも存分に楽しめた! ライフスタイル・エディターのイナガキが、一泊二日の“マクラーレン旅in九州”を綴る。
テーマは“織(おり)”
マクラーレンは旅もサーキットもよく似合う──新型アルトゥーラで九州を走る(前編)
ザ・リッツ・カールトン福岡は、2023年6月21日にオープンしたホテルだ。ザ・リッツ・カールトンブランドホテルとしては国内6軒目で、九州地方では初進出。新たに建てられた「福岡大名ガーデンシティ」内に入居する。
高さ111m、地上25階建ての建物1階にホテルエントランスとアライバルロビーがある。専用エントランスの車寄せにマクラーレン・アルトゥーラをつけると、スタッフがサッとドアを開けてくれた。初見ではわかりづらい位置にドア開閉用のスイッチがあるものの、慣れた手つきでスムーズに開けてくれるのは、マクラーレンのようなスーパーカーの扱いに慣れている証拠だ。
そのままクルマを預け、18階にあるロビーへホテル専用の直通エレベーターで向かう。
エレベーターを降りると枯山水の手法を用いた、小庭が目に飛び込む。横には美しい生花を置かれていた。各所には明るいウッドを使い、上質かつあたたかみのある空間を演出する。
「ザ・リッツ・カールトン福岡のテーマは“織(おり)”です。展示してあるオブジェは、福岡のカルチャーや魅力を織りなしていきたい……という思いを込めて、織をテーマにした作品としました」
同ホテルの広報担当者が語るように、ホテル各所には、国の伝統的工芸品に指定され、日本三大織物のひとつでもある「博多織」からインスピレーションを受けた装飾品が展示されている。
780年以上もの歴史を持つ博多織は、中国の王朝・宋から、博多の商人が持ち帰った織の技法がルーツと言われている。多くの経糸に、緯糸を強く打ち込み、厚く、張りのある生地に織り上がるのが特徴だ。
ホテル18階にある日本料理レストラン「幻珠」の個室には、福岡県に本社のある「西村織物」(創業1861年)が制作した、佐賀錦の広幅生地を使ったアートパネルを展示するなど、いたるところに“織”をテーマにした作品が展示されている。ほかのザ・リッツ・カールトンにはない福岡ならではの特色だ。
チェックインを済ませ、客室へ。19階から23階には、全室50平方メートル以上の広さの147室のゲストルームと20室のスイートがある。
筆者が宿泊した部屋は「プレミアムキング ベイビュー」。広さは50平方メートル。ドアを開けると同時に電動ブラインドが上昇し、博多湾が目に入る。ちょうど日暮れのタイミングだったので、海に夕日が反射して美しい。夜になると、荒津大橋のライトアップなどで煌びやかな夜景を楽しめる。
訊くと、ホテルが位置する天神地区は、長年、建物の高さ規制があったため、高層ビルが建てられなかったという。それもあって、現時点ではまわりに低い建物しかないため、素晴らしい眺望が臨める。福岡空港に離着陸する飛行機も間近で楽しめるそうだ。
室内はロビー同様、“和”のテイストでまとめられている。壁には水墨画のような風景画や陶磁器のオブジェが掲げられている。ミニバーは古い箪笥をモチーフにしたオリジナルのもので、愛らしい姿が目を引く。バスアメニティは、フランス「Diptyque(ディプティック)」の「Philosykos(フィロシコス)」シリーズ。今となってはどこのラグジュアリーブランドでも当たり前になった詰め替え式がここでも採用されていた。
スパもよし館内にはビジター利用可能な複数のレストランやバーがある。カフェ「Diva (ディーバ)」では焼き立てのペストリーや、オリジナルケーキの持ち帰り用販売もおこなう。バー「Bay(ベイ)」はテラス席もあり、風が気持ちいい。
24階にはプールやジム、スパがある。プールは博多の街を一望出来るインフィニティタイプだ。今回、筆者はスパを体験した。60分の「マッスル・リカバリー・トリーメント」と呼ぶオイルマッサージだ。
受付を済ませ、専用のバスローブに着替え施術室に向かう。今回はたまたま部屋が空いていたため、ふたり用の広々としたタイプだった。
スパで使われるオイルやトリートメントなどのプロダクトは、世界中のザ・リッツ・カールトンで使われているイギリス「ESPA」のもの。オイルを2種類から選べ、「Relax&Smoothe」と「INVIGORATE&ENERGIZE MASSAGE OIL」がある。筆者は名前からいかにも元気が出そうな後者を選んだ。ペパーミントとローズマリーをブレンドし、爽やかな香りを楽しめる。終了後は専用の休憩室「リラクゼーション・ラウンジ」に移動。大分産みかんを使った甘酒やドライフルーツが置かれている。
スーパーカーの楽しみ方が広がる!翌日、ホテルをチェックアウト後、糸島へアルトゥーラを走らせた。
福岡県の最西部に位置する糸島は、北側に玄界灘に面した美しい海岸線が広がり、南側に背振山系の山々が連なる。数多くの景勝を見られるのが特徴だ。
まずは走行モード「エレクトリック」を選択。モーターのみで走行するものの、バッテリー残量に応じ、エンジンが発電機として指導する。いわば、シリーズ式ハイブリッドとなるのだ。
筆者のアルトゥーラは、バッテリー残量が10%台だったため、ほとんどエンジンが始動していた。面白いのは加速とともにエンジンサウンドも上昇。日産「ノート」や「エクストレイル」では、エンジンの存在をできる限り隠そうとするのとは対照的だ。
ただ、モーターのみでは強烈な加速感は得られなかった。穏やかに、そして緩やかにスピードアップ。テスラのように、背中がシートバックにグッと押されない。より力強い加速を得たいのであればエンジンのパワーを併用する「コンフォート」や「スポーツ」を選べば良い。
平日の昼間、博多市内は交通量が多いため、流れに乗って走る分にはエレクトリック・モードで十分だった。日産が言うところの“新しいカタチの電気自動車”として、スーパーカーを操るのは新鮮だ。高速道路も交通量が多かったため、引き続きエレクトリック・モードをチョイス。ACCをセットし、前走車に追従しつつノンビリ走らせる。
インフォテインメントシステムは、Apple CarPley対応で、Google Mapを表示出来るから見知らぬ土地の見知らぬ道でも不安はない。
インターチェンジを降りて海岸へ向かう。道中、細い道でのすれ違いがあったものの、360°カメラのアシストで難なく切り抜ける。目的地近くでは、ちょっとした段差もあったがフロントのリフトアップ機構でクリア。ちょっと前のスーパーカーなら躊躇するような景勝地でも、アルトゥーラなら心配無用。スーパーカーの楽しみ方が広がりそうだ。
糸島の美しい海をバックにパシャリ。鮮やかなマリンブルーと、濃紺のアルトゥーラとのコントラストが美しい。
「よくここまでこんなクルマで来られましたね」と、地元の人が驚き、声をかけてきた。もちろん、筆者は「余裕ですよ!」と笑顔で返した。
帰路は突然の土砂降りの遭遇。いたるところに大きな水たまりがみるみるうちに発生した。そんな強雨のなかでも、アルトゥーラは決してシビアな挙動を見せることなく不安なく進む。オートワイパーの精度も高く、雨の強弱に応じ、ごくごく自然にスピードが変化するので、前方視界は常に良好だ。
悪天候ではスピードを出す気にもならず、30~40km/h程度でのんびり走った。こんなときこそBowers&Wilkinsの12スピーカーシステムが威力を発揮する。
サウンドモードを“サラウンドサウンドで包み込み”と謳う「オンステージ」にセット。そして音量を上げれば、コンサートホールにいるかのような臨場感たっぷりの音楽を楽しめる。
アストンマーティンの新型「DB12」にもBowers&Wilkinsのシステムが採用され、南仏で聴いた筆者は「素晴らしい!」と、絶賛したけれども、アルトゥーラも素晴らしく、甲乙つけがたい。
糸島から50分ほどで、アルトゥーラの返却先であるマクラーレン福岡に到着。「いつか購入出来たらいいなぁ……」と、思い、店内にあった冊子を開くと「McLaren First」というプランを発見。新しい残価設定型ローンとのことで、支払いは初回と最終回の2回のみ!
たとえばアルトゥーラの場合、初回に頭金として車両価格の30%を支払えば、3年後の精算時まで支払いはナシ。毎月の出費を抑えられるのがありがたい。
なるほど頭金さえ用意出来ればアルトゥーラ・オーナーになれるのか……サーキット走行やリッツカールトン福岡宿泊など、優雅な体験を通しすっかり感覚が麻痺した筆者は、頭の中で電卓を叩くのだった。
文と編集・稲垣邦康(GQ)
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