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輸入車 なぜ日本でディーゼル人気? 一方で欧州の販売数は急低下 理由さぐる

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輸入車 なぜ日本でディーゼル人気? 一方で欧州の販売数は急低下 理由さぐる

過去5年 ディーゼル市場は5倍に急拡大

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】ディーゼル特有のトルク 悪路で役立つことも 全48枚

最近、日本を走る輸入車でディーゼル車を見かける機会が増えてきた。

ディーゼル車といえば「欧州では定番」というイメージを持つ日本人が多いはず。

それが「日本での輸入車ではディーゼルが定番」というトレンドに変わってきている。

海外自動車メーカー日本法人などによる業界団体、日本自動車輸入組合(略称JAIA)によると、輸入車全体に占める輸入ディーゼル車の、直近では2019年9月が30.1%、2019年10月では29.0%とほぼ3割をキープしている。

販売が伸び始めたのは5年ほど前からだ。

過去5年間の通年データで見ると、
2014年(6.1%)
2015年(10.1%)
2016年(17.2%)
2017年(21.8%)
2018年(23.2%)
と右肩上がりの傾向にある。

日本でのディーゼル輸入車の販売台数が増えている最大の要因は、各メーカーでのディーゼル車ラインナップが拡大しているからだ。

ブランド別では、アウディ、アルファ・ロメオ、シトロエン、ジャガー、DS、BMW、BMWアルピナ、フォルクスワーゲン、プジョー、ボルボ、メルセデス、ランドローバーでディーゼルエンジン搭載モデルが輸入されている。

では、どうして各社がこの数年で日本でディーゼル車を重視するようになったのか?

輸入車ブランド、ラインナップ増で商機

最大の理由は、ディーゼル車が欧州車のプレミアム性を強調する良いアイテムだからだ。

近年、日本車ではプレミアムブランドのレクサスが多モデル化して販売を伸ばしているが、なかでも有益性の高いハイブリッド車に輸入車からお客が流れている。

その他の日系メーカーでも、新車を企画する際のターゲットユーザー設定で「既存の輸入車層からの取り込み」を強調するようになった。

そうした状況で、輸入車の販売台数は2010年中盤には30万台をキープ。

市場は安定しているように見えるが、ドイツメーカーを筆頭としてモデル数を拡大している割には市場全体の拡大への影響は少なかった。

時計の針を少し戻すと、輸入車市場は80年代後半の経済バブル期をきっかけに10万台の壁を越えて一気に20万台へと飛躍。1996年に39万台をピークとなるが、リーマンショックの影響で日本市場全体が落ち込んだ2009年は16万台まで一気に縮小した。

こうしたアップダウンが激しい時代を超えて30万台時代になってきたとはいえ、市場を俯瞰すると輸入車は伸び悩みでいた。

そんな状況で、高性能化に加えてファッショナブルなライフスタイル系アイテムとしても様々な展開を積極的に進める日系ブランドに対して、「輸入車が選ばれる理由」としての決め手が必要だった。

それこそが、クリーンディーゼル車なのだ。

日常的な運転でのトルクフルな走り、そして長距離運転の際にガソリン車と大きな差がつく燃料費など、日本でもディーゼル乗用車を求める声が高まっている中で、輸入車ブランド各社はモデルラインナップ増で商機をつかもうとしている。

一気に落ち込む欧州ディーゼル車市場

欧州車を選ぶ理由としての、クリーンディーゼル車。

低燃費、高トルク、さらに自動車税/自動車重量税などに対する税制優遇措置、また一部モデルに対してクルーンエネルギー自動車補助金など、ユーザーにとって直接的なメリットが大きい。

日系メーカーでディーゼル車は、デリカD:5、ランクルプラド、ハイエースなど一部モデルを除き、マツダだけがメーカーとして多モデル化による事業方針を継続している状況だ。

こうして市場基盤が出来上がっている300~500万円台市場に対して、輸入ディーゼル車が積極的に参入しているというのが実情だ。

一方、欧州ではディーゼル車市場が急速に縮小している。

2018年では、英国で前年比3割減などを大きく落ち込み、欧州市場全体で前年比2桁%減という厳しい状況にある。

欧州では昔から、乗用車で隣接する国々を通過しながら長いバケーションを楽しむのが当たり前の光景だった。

本来、バスやトラック向けの需要が多いディーゼル車を、ダイムラーが70年代に乗用向けとして発売したことで、乗用ディーゼルが欧州で普及していったという歴史がある。

こうした「欧州はディーゼル車が定番」という常識がいま、大きく崩れ始めているのだ。

なぜ欧州でディーゼル販売が減っている?

欧州のマーケットでディーゼル車が売れなくなっている原因は、欧州CO2規制の影響だ。

2021年に設定されている「1kmあたり95g」のCO2排出量規制について、自動車メーカー各社のエンジン開発者の多くが「世界で最も厳しい排ガス規制」と口を揃えている。

欧州CO2規制は今度さらに厳格化され、2030年には2021年(95g/km)に対して30%減との内容で、欧州委員会が議論が続いている。

欧州CO2規制に対応するため、欧州メーカーを含む自動車メーカー各社は「直近ではガソリンエンジンのプラグインハイブリッド車が解決策」という意見が多い。

また、現時点で正式に法整備化はされていないが、英国やフランスなどは国の方針として、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンから、ハイブリッド車を含む電動車へのシフトを打ち出している。

つまり、将来的には、日本でも欧州並みのCO2規制が法整備化されると、輸入ディーゼル車のあり方に変化が生じる可能性も否定できない。

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