チル・モードが好ましい ブレーキはバイワイヤに
大幅なアップデートを受けた、テスラ・モデルY「ジュニパー」。今回試乗できたのは、四輪駆動のロングレンジ AWDだった。AUTOCARでは、冬場に雪が多く降るような地域でない限り、RWDの方を推したい。
【画像】影響力は最強級の1台 テスラ・モデルY「ジュニパー」 競合クラスの電動SUVはコレ 全129枚
これまでのテスラらしく、アクセルペダルの反応はやや過敏。秘めたパワーを、強めに体感させる狙いがあるのだろう。筆者は、穏やかになるチル・モードが好ましいと感じた。パワー自体も制限を受け、より直感的に運転しやすい。
今回の改良で注目すべき技術が、バイワイヤ方式のブレーキを得たこと。これまでのモデルYでは、ブレーキペダルはディスクブレーキを動かすだけで、実は回生ブレーキと連動はしていなかった。
だがこれにより、ブレーキペダルの操作でも回生ブレーキが動作し、従来以上に滑らかに運転できると感じた。ワンペダルドライブにも対応する。
乗り心地と静寂性は向上 リモート感ある操舵
サスペンションも改良されたものの、乗り心地は硬め。ロードノイズは大きめに聞こえる。とはいえ、従来のモデルYと比べれば、明確に洗練されたことがわかる。鋭い入力の角は丸められ、ノイズの音量もあえて触れるほどではなくなった。
ステアリングホイールのロックトゥロックは、2.0から2.4回転へスローに。切り始めの反応は依然として小気味いいものの、僅かにリモート感のある印象は変わらず、漸新性にも乏しい。
カーブでのボディロールは小さめ。しかし視点が高いこともあり、体感的には安定感が若干弱い。重心位置は低く、グリップ力も高く、リア寄りのパワー分配でコーナリングは軽快。それでも、運転を楽しめるとはいい難い。
クラスをリードする電費 現実的な航続は480km
モデルYは、オートパイロットと呼ばれる運転支援システムが標準装備。基本的には、車線変更に対応したアダプティブ・クルーズ・コントロールといえる。
動作は滑らかだが、速度調整はワンテンポ遅れ気味。オフになっていたのか、制限速度警告は試乗車では動作していなかった。オプションで機能を拡張できるものの、欧州や英国では規制が厳しく、変化は限定的だ。
今回の試乗での電費は、好条件だった天候下の平均値で6.1km/kWh。他メーカーも技術向上には熱心だが、まだクラスをリードする効率といえる。現実的な航続距離は、480km前後と考えていい。シングルモーターなら、更に伸びるはず。
モデルY ジュニパーの装備に死角はない。急速充電器のスーパーチャージャーを利用できる点も、大きな強みといえる。反面、数少ないオプションは高額。例えばボディをレッドで塗装するのに、2600ポンド(約50万円)も要求される。
検討候補から外す理由は見つからない
最近のテスラを取り巻くイメージは、あまり良いものではないかもしれない。だとしても、モデルY ジュニパーの完成度の高さは、冷静に受け止めるべきだろう。より自然な操縦性や、回生ブレーキの扱いやすさを実現しているライバルがあるとしても。
不満ない荷室と乗員空間、エネルギー効率や航続距離に、スーパーチャージャー。クラスで頭ひとつ抜けた強みは、少なくない。運転体験や快適性も、アップデートで磨かれた。使える電動ファミリーSUVとして、検討候補から外す理由は見つからない。
◯:エネルギー効率と航続距離 クラス最大級の荷室 大幅に良くなった快適性
△:賛否が分かれるインテリア 乗り心地と操縦性が、際立つわけではない
テスラ・モデルY ロングレンジAWD(ジュニパー/英国仕様)のスペック
英国価格:5万1990ポンド(約1014万円)
全長:4790mm
全幅:1920mm
全高:1624mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:4.8秒
航続距離:585km
電費:6.6km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1997kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター+誘導モーター
駆動用バッテリー:78kWh
急速充電能力:250kW(DC)
最高出力:380ps
最大トルク:50.2kg-m
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(四輪駆動)
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みんなのコメント
先代モデル3の荒削りながらもダイレクト感に満ち溢れた走行フィーリングも良いが、自動運転時代では乗り心地の悪さしか目立たないし妥当な選択か。
わざわざ家から建てるっておいそれとは出来ません。