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現状に不満募らせるアコスタ、KTMに”警告”?「この状況は受け入れられないし、我慢もできない」

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現状に不満募らせるアコスタ、KTMに”警告”?「この状況は受け入れられないし、我慢もできない」

 シルバーストンで開催されたMotoGPイギリスGPでは、アプリリアとホルヘ・マルティンが大きな話題となった。今季は怪我でほとんど出場できていないマルティンが、チーム離脱を考えていると報じられたのだ。

 この衝撃的なニュースがMotoGPのパドックのパドックを騒がせ、憶測を呼んでいる中で、もうひとつのストーリーが間もなく注目を集めることになるかもしれない。その主役は、ペドロ・アコスタとKTMだ。

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 イギリスGPで起きた出来事から判断すると、アコスタとKTMとの間の緊張はまだ限界に達していないものの、アコスタが発するコメントのトーンが変化しており、嵐が近づいていることを強く示している。

 アコスタはイギリスGPを6位で終えたが、これは今季の決勝レースとしては、前戦フランスGPの4位に次ぐ2番目の成績だった。フランスGPでは優勝したヨハン・ザルコ(LCRホンダ)から29秒遅れだったのに対し、イギリスGPでは優勝したマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)から7秒遅れとウイナーとの差は縮まった。

 ただ今回、ドゥカティ勢がフロントタイヤにミディアムを選んだ一方、優勝したベッツェッキやアコスタはソフトタイヤをチョイス。結果的にソフトタイヤが正解だったという点も考慮する必要があるだろう。

 アコスタは、「他のマシンに比べてグリップが足りない」とバイクへの不満を口にした。

 現在のマシンの弱点を指摘するだけでなく、アコスタはライバルの躍進にも言及。ホンダやヤマハは現在、KTMよりも手厚いコンセッション(優遇措置)を享受しているが、その勢いは脅威に見えているようだ。

「ヤマハが新しいシャシーを持ち込んだと聞いている。そして彼らはポールを獲得し、レースでも勝てそうだった」

 そしてアコスタからは、KTMに対する直接的な脅しではないにせよ、不満というよりはベールに包まれた警告のように聞こえる発言も出てきた。

「この状況は受け入れられないし、我慢もできない。チャンスは一度きりだし、世界チャンピオンになるためにいつまでも待つつもりはない。ファクトリーの助けが必要なんだ」

「若くいられるのには限りがある。もう1年契約は残っているけど、今週ははっきりしたんだ。燃料を燃やすためだけにレースに来たくはない」

「僕はまだこのプロジェクトを信じている。今年か来年チャンピオンを獲るという話ではなくね。でも、少なくとも何かのために戦うというフィーリングはある。たとえ(その戦いに)敗れたとしてもね」

 KTMはここ何ヵ月も”火消し”モードにあり、次から次へと起こる危機に対処してきた。先週まで、KTMのMotoGPプロジェクトは財政的に存続できるか不透明だったのだ。

 KTMの大口株主であるバジャージ・オートからの5億6600万ユーロ(約925億円)の資金注入によって、ある程度の時間は確保されたが、その資金がKTMのMotoGP部門にどれだけ還元されるかはまだわからない。motorsport.comの調べによれば、バジャージはここ数週間、チャンピオンシップからの完全撤退さえ考えていたという。

 しかし2027年のレギュレーション変更や、リバティ・メディアによる買収も含め、KTMのMotoGPプログラムを存続させるのに十分な見込みがあると判断されるようだ。

 一方でKTMがファクトリーチームのみの2台体制に戻り、テック3が持つグリッド枠の買い手を探すのかどうかは、すぐに答えが出るかもしれない大きな疑問のひとつだ。

 もちろん、アコスタにとってはプログラムの存続だけでは十分ではない。彼はKTMと約束したもの、つまり上位で戦うためのツールを求めているのだ。それはKTMが現在提供できないものだ。アプリリアと同様、KTMもスターライダーとの契約にしがみついているのだ。

 いずれにせよ、状況は複雑だ。KTM側からすれば、アコスタを失うことは考えられない。しかし、アコスタの立場からすれば、このままフラストレーションを溜め続けることは耐え難い。

 アコスタを欲しがるオファーがないわけではない。motorsport.comの調べによれば、VR46は2026年以降に彼を迎えることを最も熱望しているチームのひとつだという。もちろん、それはアコスタのKTMとの契約を早期に打ち切る方法が見つかるかどうかにかかっているが、簡単なことではないだろう。

 特に、アコスタの契約にはマルティンとアプリリアの契約にあるような解除条項がないことはほぼ確実である。

 KTMのサポートを受けていたマルティンが2020年にKTMと袂を分かち、翌年にプラマック・ドゥカティからMotoGPにデビューできたのは、代理人であるアルバート・バレラが交渉し、契約に解除条項を盛り込んでいたことが原因だった。バレラはアコスタの代理人でもあるが、こうした背景もあり、KTMは再発防止のため契約条件を大幅に引き締めていたのだ。

「マルティンとアプリリアの状況についてはコメントしない」とKTMのモータースポーツ・ディレクターであるピット・ベイヤーは語った。

「彼らとは話していない。我々はチームに満足しているし、ライダーたちは来年に向けて市場に出ていない」

 ベイラーが記者団にそう語った数時間後、アコスタはチームに対する不満を露わにした。

 果たしてアコスタとKTMは別々の道を歩むことになるのか。それはKTMの今後のパフォーマンスや、マルティンの動向にも左右されるかもしれない。

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みんなのコメント

16件
  • aa8********
    carviewはホント広告がウザい。
    ヤフーニュースでも見られる記事が多いので
    カービューはは表示しないようにできないか?
  • hab********
    去年なら、少なくともホンダは圏外、ヤマハも格下、アプリリアとはコースによって買ったり負けたり。ドゥカティの型落ちとならなんとか戦えるって状態だった。
    今年はもうホンダやヤマハとは互角か既に負けはじめている。親会社の事情とはいえ、開発が停滞すればすぐに追い抜かれる。
    2年先には大きなレギュレーション改定が待っている。彼に才能があるのは間違いないが、今後の身の振り方は間違えないようにしないと、キャリアを棒に振りかねないね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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