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EVとSUVに注力するフォルクスワーゲンの未来とは?──ジュネーブ国際自動車ショー2019リポート【第9弾:フォルクスワーゲン】

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EVとSUVに注力するフォルクスワーゲンの未来とは?──ジュネーブ国際自動車ショー2019リポート【第9弾:フォルクスワーゲン】

2019年のジュネーブ国際自動車ショーで、もっとも未来的かつもっとも現実的だった展示がフォルクスワーゲンであった。

展示の目玉は「ID.(アイディー)バギー」と呼ぶコンセプトモデルだ。「愛と自由がさかんに口にされた1960年代へのホメッジ(オマージュ)」と、フォルクスワーゲン説明する、ちょっとレトロスペクティブな雰囲気のデザインだ。

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1960年代、ビートルのプラットフォームとエンジンを使い、バスタブ型の合成樹脂ボディと太いタイヤを組み合わせて、砂浜などを走っていた「デューンバギー」を想起させるデザインだ。

ちなみに、今回のデザインディレクションはフォルクスワーゲンが米西海岸に持つスタジオの仕事だったという。元気のいいおもしろいスタイルだ。ショー会場で記者たちの前に姿をあらわすと、みなが笑顔になったのが印象的だった。

もうひとつ、このクルマには大きな特徴がある。同社が「MEB」とよぶ(基本的には)電気モーター搭載を前提としたモデュラー型プラットフォームを採用している点だ。MEBは2020年販売予定の「ID. NEO」にも使われる。ほぼおなじタイミングでアウディがショーで発表した「e-tron Q4 concept」もMEBのファミリーだ。

フォルクワーゲンは(アウディもおなじだ)今後、EUをはじめとする世界の先進地域で厳しくなる排ガス規制に対応するため、「動力の電気化は不可避」(ストラテジー担当役員のミヒャエル・ヨスト氏)と考えている。だからこそ、MEBの開発を進めたのだ。

個性的なスタイルを持つ「ID.バギー」には、さらにフォルクスワーゲンの企業戦略が込められている。MEBの開発コストを回収するため、プラットフォームをグループ内で共用するばかりか、自動車製造に参入しようと計画するベンチャー企業などといったサードパーティにも販売していく予定という。

クルマをゼロから自製する場合、自動車製造のさまざま経験が必要だ。クルマづくりに新規参入するハードルは、相当高い。MEBの販売は、サードパーティにとって、クルマ開発への垣根をあきらかに低くするはずだ。

今後の自動車ビジネスは、完成車の販売は言うまでもなく重要であるが、ほかにもさまざまな方法で利益を上げていく必要がある。なるほど、MEBプラットフォーム販売はフォルクスワーゲンにとって大切なのだ。

会場に姿を見せたフォルクスワーゲンのCEOを務めるドクター・ヘルベルト・ディースは、MEBの紹介に続けて、より現実的なニューモデルをいくつもお披露目した。

ひとつは、マイナーチェンジによって安全運転支援機能が充実した「パサート」である。最大の特徴は、210km/hまでの部分自動運転を可能にした点だ。「トラベルアシスト」と呼ぶシステムは、ドライバーがステアリングホイールを握っているかどうか(安全に気を配り、いざというときに自ら操縦制御するため)の新しい検知機能が備わる。

従来、フォルクスワーゲンのモデルではACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を起動させている場合、ときどきステアリングホイールを左右に動かし、ドライバーが運転にかかわっているかどうか車両が判断していたが、新しいACCでは、それが不要になったという。

また、マルチファンクションカメラによって、道路の地形や交通標識を読み取り、アダプティブクルーズコントロールと連携するほか、より緻密に制御するレーンキープ機能も注目だ。これらは「IQ. DRIVE(アイキュードライブ)」と呼ぶ、運転支援システムに統合される。

もうひとつは、欧州でも人気が高まっているクロスオーバーSUVのセグメントに、パワフルな「T-Roc R」を投入したこと。ハイパフォーマンスモデルを手がける「フォルクスワーゲンR」が開発したスポーツモデルだ。

ベースモデルは4.23mの全長に1.57mの全高を持つ「T-Roc」だ。コンパクトなボディに最高出力221kW(300ps)、最大トルク400Nmの2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する。

「2025年までに販売されるフォルクスワーゲン車の半分はSUVになるでしょう」と、ディースCEOが言うように、今後EVが多くなるとはいえ、それでも半数以上を占めるであろう”守旧派”のユーザーにとって、走りの楽しいSUVはたいへん重要なモデルであるのだ。

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