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なぜホンダ「ステップワゴン」は苦戦する? ミニバン人気もライバルに追い付けない理由

■ステップワゴンの販売が低迷する理由とは?

 3列シートのミニバンは、人気の高いカテゴリーです。新車販売されるクルマに占めるミニバン比率は、現在は約15%。15年前の20%に比べると減少していますが、それは主にトヨタ「ウィッシュ」、「イプサム」やホンダ「ストリーム」といった、全高1700mm以下の車種が廃止されたためです。

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 全高が1700mmを超えるスライドドアを備えた背の高いミニバンは、今でも好調に売れています。

 たとえば日産「セレナ」は、2019年度(2019年4月から2020年3月)に8万4051台を登録していますが、これはコンパクトモデルのトヨタ「アクア」やホンダ「フリード」と同等の販売実績です。

 トヨタのミニバンでは、「ヴォクシー」が8万1949台、「ノア」が4万9163台、「エスクァイア」が4万874台。

 この3車種は、ボディや内装などの基本部分を共通化した姉妹車で、3姉妹車の登録台数を合計すると、17万1986台に達します。

 この販売実績は、2019年度に小型/普通車で1位になったトヨタ「カローラシリーズ」を上回っており、ヴォクシー3姉妹車は、トヨタの国内販売を支える重要な基幹車種なのです。

 セレナやヴォクシー3姉妹車の特徴は、標準ボディが5ナンバーサイズに収まり、混雑した街中や駐車場でも運転しやすいことです。

 エアロ仕様は3ナンバー車ですが、ボディはあまり拡大されていません。その一方で車内は広く、3列目シートも快適で、多人数乗車に適しています。2列目を畳めば、自転車のような大きな荷物も積めます。

 これらの背が高いミドルサイズミニバンは、実用性や運転のしやすさ、さらに価格の割安感も両立させて、人気車になりました。

 ただし、5ナンバーミニバンのなかでも、ホンダ「ステップワゴン」は売れ行きが伸び悩んでいます。

 2019年度の登録台数は4万7214台で、不人気ではありませんが、セレナやヴォクシー3姉妹車に比べると低調です。なぜステップワゴンはライバル車に比べて売れないのでしょうか。

 現行ステップワゴンは、2015年4月に発売されました。2016年(暦年)は、新型車にフルモデルチェンジされた効果で、通常であれば売れ行きを大幅に伸ばすところですが、ステップワゴンの2016年の登録台数は、前年の97.7%です。

 5万2472台に収まり、ミドルサイズミニバンの販売ランキング順位も、ヴォクシー、セレナ、ノアに次ぐ4位でした。この販売低迷が、いまに繋がっているわけです。

 不人気の背景には、複数の理由があります。

 まず現行ステップワゴンの商品力では、デザインに問題がありました。エアロパーツを装着した「スパーダ」は、登場時点ではメッキの使い方が控え目で、標準ボディとの違いも分かりにくかったです。

 ちなみに先代ステップワゴンスパーダも、2009年に発売されたときはフロントマスクが地味で売れ行きが伸び悩み、マイナーチェンジでメッキパーツやLEDの使い方を派手に変更した経緯があります。

 現行型でも同じことを繰り返すのかと思い、開発者にフロントマスクが地味な理由を尋ねました。返答は「ほかのエアロミニバンはみんな派手だから、ステップワゴンは個性的に仕上げた」というものでした。

 その結果、売れ行きは伸び悩み、2017年にハイブリッド(現在の名称はe:HEV)を設定したときに、スパーダはフロントマスクを睨みの利いた形状に刷新しています。

 標準ボディは、販売比率が低いという理由で、デザインが変更されずハイブリッドも用意していません。

■軽自動車や小型車に偏ったホンダの販売戦略も影響か?

 現行ステップワゴンが2015年に登場したときは、外観が地味なだけでなく、エンジンもハイブリッドモデルを選べず、1.5リッターガソリンターボのみでした。

 1.5リッターターボは実用回転域の駆動力が高くて扱いやすいですが、ミニバンでハイブリッドモデルを選べないというのは、購入のしづらさに繋がりました。

 2017年のマイナーチェンジでハイブリッドモデルが追加されましたが、フルモデルチェンジの時点で用意されていなかったため、挽回するにも限界がありました。

 さらに、現行ステップワゴンの特徴に「わくわくゲート」があります。縦開きのリアゲートに、コンパクトな横開きのサブドアを内蔵して、狭い場所でも開閉しやすいというものです。

 わくわくゲートは縦長なので、3列目シートの左側を床下に格納しておくと、ボディの最後部から乗員が乗り降りすることも可能です。

 わくわくゲートは渾身のアイデア装備でしたが、市場への訴求が不十分で人気が高まらず、2020年1月には非装着車を追加しています。

 しかし非装着にしても、車両価格はわくわくゲート装着車と変わりません。「安さを重視するお客さまのために、価格の安い非装着車を増やした」とはいえないのです。

 このように、ステップワゴンは商品特徴が曖昧です。ライバル車のセレナは、標準ボディを5ナンバーサイズに抑えたミドルミニバンでは、最大級の室内を備えます。3列目シートも快適です。

 ヴォクシー3姉妹車は、内装の質を高め、発売時点からハイブリッドを用意していました。

 ステップワゴンは、明確な特徴を備えていないのが辛いところでしょう。ライバル車と乗り比べると、低床設計で乗降性が良く、走行安定性と乗り心地のバランスはステップワゴンがもっとも優れています。わくわくゲートも実際に使ってみると、実用性に優れています。

 ステップワゴンのハイブリッドモデル(e:HEV)は、モーター駆動が中心のため、加速が滑らかでノイズは小さいです。優れた特徴を備えているのに、ステップワゴンでは訴求効果が乏しいために販売に結び付きません。

 ではなぜ訴求効果が乏しく販売が伸び悩むのでしょうか。一番の理由は、いまのホンダの国内販売が軽自動車に偏っていることです。

 2019年度におけるホンダ車の売れ行きを見ると、国内販売総合1位の「N-BOX」が24万7707台を届け出して、ホンダの国内販売全体の36%を占めました。わずか1車種で販売総数の36%というのは、突出して高いです。

 また、ホンダの軽自動車全体では50%を超えます。さらに「フィット」や「ヴェゼル」、フリードといった全長が4.4m以下のコンパクトな3車種も加えると、ホンダ車全体の82%に達します。

 つまり現在のホンダは、昔を知る中高年齢層を除いた世代には、「軽自動車やコンパクトカーなど小さなクルマを造るメーカー」だと認識されているのです。

 ステップワゴンや「オデッセイ」「シビック」「アコード」「CR-V」などは、軽自動車とコンパクトな車種を除いた「その他の18%」に片付けられてしまいます。

 こうなるとステップワゴンのユーザーも、次はフリード、さらにN-BOXと小さなクルマに乗り替えるでしょう。同時に「ブランドのダウンサイジング」も発生します。

 ステップワゴンの開発に力を注いでも、もはや軽自動車とコンパクトカーに向かったホンダのブランドイメージに合わず、売れ行きを伸ばせません。

 たとえばBMWは、日本では「3シリーズ」の印象が強く、「5シリーズ」や「7シリーズ」の販売は低調です。同じようなことがホンダのミドル/ラージサイズカーにも起こっています。

 今後はコロナ禍の影響と働き方改革の促進により、在宅時間が増えますから、クルマの需要も少しずつ回復するでしょう。

 以前は所得が増えたりお金が貯まったら、都市部に移って通勤時間を減らすことを考える人が多かったですが、今後はリモートワークに適する仕事部屋とクルマをそろえることを考えるでしょう。

 そうなると、ますます軽自動車やコンパクトな車種が注目されます。

 ステップワゴンには、ミニバンユーザーのニーズにピッタリ合ったデザインや機能を採用して、なおかつ効率の良いアピールをする必要があります。

 ホンダは低床設計とミニバン開発が得意なメーカーなので、ステップワゴンも成功させて欲しいです。

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