車検証の住所変更はディーラに頼むとかえって手間がかかる!
年度末になると、新社会人になるひとや、人事異動による転勤などで引っ越しをする人が全国的に多くなる。そんな時期が近いこともあり、気になるひとも多いのではないかと思うのが、引っ越しに伴う愛車関係の手続き。ここではどんなものがあるのかを見ていきたい。
まずは、車検証に表記されている住所の変更手続き。当然ながら当該車の所有者本人が手続きすることもできるが、新車ディーラーで代行してもらうことも可能。
しかし「単純に“住所が変わりました”として変更するだけではありません。新住所での車庫証明の申請及び交付が必要となります(軽自動車は必要な地域のみ事後申請)。また、ナンバープレートが変わるような住所変更は当該車両の運輸支局への持ち込みが必要となりますし、ナンバープレートの変更が必要なくとも、ディーラースタッフ(セールスマン)が運輸支局へ変更手続きに行かなければならないこともあり、代行費用は数万円となります。ローンで購入し、支払途中であれば信販会社の許可も必要となるなど非常に煩雑です。そのため、住所変更をしたいとしてご来店された方にその旨を説明すると、“それならいいや”ということになるのが一般的のようです」とは新車販売現場の事情通。
また車検は住所変更していなくても受けることが可能。自動車税については滞納を防ぐため独自に納付書の送付先変更ができるようになっているので、住所変更せずに乗っているひとが大半のようだと前出の事情通は語る。
セールスマンによってはすかさず、「代行申請で数万円かけるならば、新車へ代替えしてみるのはいかがですか?」とアプローチするケースが多く、結構な確率で新車へ乗り換えてもらえるとのことである。
それでは愛車のメンテナンスはどうなるのだろうか?
ディーラーは近距離の移動であれば変えない方が良い
引っ越し先がそれほど遠くなく、自分の生活圏内が大きく変わらない場合は、多少距離が遠くなるなど不便になったとしても、安易にメンテナンスなどの入庫先店舗を変更することはお勧めできない。
新車購入時の担当セールスマンがいる店舗でメンテナンスを続ければ、担当セールスマンを通して多少の無理も聞いてもらうことが可能だが、担当セールスマンがいなければ単純なメンテナンス利用客として、サービス部門のみでの対応となるので、通りいっぺんの対応しかしてもらうことができない。
「新車販売業界では担当セールスマンがいなく(担当セールスマンが退職したりしていなくなるケースも)、別のセールスマンへの引き継ぎがしっかりできていないお客も含めて、“メンテナンスだけの利用客”となると、“客であって客にあらず(新車販売について)”という見方をされることもしばしばあるようです。窓口がサービス部門だけとなれば、セールスマンもコミュニケーションがなかなかとれないので、ある意味仕方のない話ではあります(前出事情通)」。
ユーザーによっては、担当セールスマンが異動となり店舗が変わった時には、よほど遠隔地でない限りは、担当セールスマンとともにメンテナンス先も変更するといったケースもあるようだ。可能な限り納車後も担当セールスマンとの“顔つなぎ”を密にしておくと、メンテナンスでも何かとメリットは大きいのである。
同じ販売会社内で引っ越しにより、メンテナンス入庫先店舗を変えたい時には、担当セールスマンを通したほうが、何かと当たり障りなく進むだろう。引っ越し先が他の都道府県になるなど、遠隔地の場合には自分で最寄りの店舗へ車両を持ち込み、端末への情報入力などをしてもらうことになる(新規登録)。個人情報の管理が厳しくなっていることもあるが、もともと同じ看板で商売していても、地域が変われば資本の異なる別会社となるのが一般的な新車ディーラーの世界では、ディーラーへ“丸投げ”することはできないのである。
いまどきは免許返納なども多くなった結果、クルマを持つこと自体をやめるひとも多いので、各ディーラーは車検も含めたサービス入庫車両の減少に苦労している。そのため他メーカー系ディーラーに持ち込んでも歓迎されるかもしれないが、可能な限り取り扱いディーラーを選ぶことをおすすめする。
カードを発行することで、新たな受け入れ先ディーラーが過去のメンテナンスなどの入庫状況の閲覧が可能なメーカーもあるが、あくまでも同メーカー車の閲覧が可能というだけなので、やはり移動手続きは必要となるだろう。保証についてはメーカーが付帯するものなので、全国どこへ引っ越しをしようが、その内容が変わることはもちろんない。
住所変更しなくても、大きな問題は生じないのだが、変更手続きを行うのが大原則。後々面倒なことにもなりかねないので、是非引っ越したらまず住所変更をして欲しい。
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