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日本のEVシフトは2024年に入り低迷気味! 軽のサクラ&eKを除けば海外勢の健闘が目立つ

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日本のEVシフトは2024年に入り低迷気味! 軽のサクラ&eKを除けば海外勢の健闘が目立つ

日本のEV販売は減少している

日本国内における最直近6月のEV販売動向が判明。EV販売台数、EVシェア率ともに前年比マイナス成長という、日本国内のEVシフト停滞模様について解説します。

BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた

まずこのグラフは、2018年以降の、バッテリーEVとプラグインハイブリッド車の合計販売台数を月間ベースで示したものです。2024年6月の販売台数は7620台と、5月よりも多くの販売台数を実現したものの、前年同月は1.3万台以上を実現。マイナス41.7%と、大幅なEV減速の兆候が見てとれます。

そして、新車販売全体に占めるバッテリーEVとPHEVの販売台数の合計の比率を示したグラフを見てみると、直近の6月は2.44%と、前年同月に記録した3.93%と比較しても、明確にシェア率が低下している状況です。さらにそのうえ、2022年6月は、EVシェア率が3.28%であったことから、2年前のEVシェア率と比較しても悪化してしまっているという、EVシフト後退模様が明らかになってきているわけです。

次に、バッテリーEVの販売動向を詳細に確認していきましょう。まず初めに、このグラフは普通車セグメントと軽自動車セグメントそれぞれのバッテリーEVの販売台数の変遷を示したものです。直近の6月は、バッテリーEV全体で5000台を割り込んでしまっており、前年同月比で37.2%ものマイナス成長。さらに2022年6月と比較しても9.3%ものマイナス成長です。

さらにこのグラフは、普通車セグメントを、日本メーカーと輸入車メーカーそれぞれにわけて示したものです。白で示されている輸入EVは、前年同月比で16.3%ものプラス成長を実現しています。

ところが問題は、ピンクで示されている日本メーカーのバッテリーEV販売台数です。その販売台数は885台と、前年同月比でマイナス56.4%という落ち込み具合を記録。このことからも、現在の日本国内のEVシフト後退のもっとも大きな要因は、日本メーカーの、とくに普通車セグメントの需要が大きく低下しているからといえそうです。

また、バッテリーEVの販売動向について、累計販売台数を年別に比較すると、2024年上半期において2.9万台ものバッテリーEVを発売したものの、2023年上半期では4.75万台を発売していたことから、2024年後半でどれだけ前年対比で盛り返すことができるのかにも注目です。

ちなみに、現在の日本のバッテリーEVの販売シェア率が世界の主要国と比較すると、日本は最直近の6月において1.59%という販売シェア率です。まだ6月の各国の販売データが更新されていないものの、5月のシェア率は、たとえばアメリカ市場は7%程度、タイ市場も10%弱、欧州全体は14%、そして世界最大の自動車大国中国市場は、史上最高水準の28.95%。つまり、中国国内で売れている新車のうち、すでに4台に1台以上がバッテリーEVという状況であり、いまだにバッテリーEVが60台に1台以下という日本とは、まるで違う世界線にいる様子も見て取れます。

それでは、この日本国内においてどのような電気自動車が人気であるのか、とくに懸念視されている、日本メーカーのEVの販売動向を確認していきましょう。

日本メーカーのEVが苦戦

まず初めに、2024年の主要自動車メーカー別のバッテリーEVの販売台数の変遷を見てみると、やはり日産の販売台数が圧倒的な存在感を見せています。

また、日産を除いた販売台数の変遷を見てみると、テスラが販売台数でリード。その次は軽EV2車種をラインアップする三菱、そしてトヨタとBYDが148台で並んでいる状況です。

なかでも注目したいのがテスラの存在です。6月は759台を達成しながら、第二四半期は合計1388台を実現。前年同四半期では1234台であったことから、テスラは前年同四半期比でプラス成長を実現しており、グローバル全体でマイナス成長であったことを踏まえれば、かなり健闘した四半期であるといえそうです。

ちなみに、テスラ独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーは、6月末現時点で累計119箇所、592基を建設済みです(実際に稼働中なのは117箇所)。

次に注目していきたいのがトヨタのEV販売動向です。トヨタは現在bZ4X、レクサスUX300e、RZという3種類のバッテリーEVを発売しているものの、6月は合計148台と低調です。まだ6月中の販売内訳は判明していないものの、5月は、bZ4Xが73台、UX300eが21台、RZは48台と、需要が低迷している様子が見て取れます。

とくに問題であると感じるのがbZ4Xの存在です。bZ4Xは2023年末から、KINTOを通じたカーリースとともに一般向けの売り切り販売を開始していることから、やはり日本国内では、いくらトヨタといえども、EVをラインアップすれば売れるというような甘い世界ではないという様子も見て取れるでしょう。

また、日産アリアの販売動向について、6月の販売内訳は現状不明ながら、直近の5月は147台と、2023年後半から販売台数が低迷している状況です。やはり販売再開後、EV性能をはじめとして、オプション装備内容をほぼ変更していないにもかかわらず、120万円もの大幅値上げを行ったことによって、需要が低迷している可能性が高いです。

そして、日産アリアのグローバル全体の需給動向も確認すると、この2年ほどをかけて、とくに欧米で徐々に販売台数を伸ばしている様子が見て取れまず。他方で、ピンクの棒グラフで示されているグローバル全体の合計販売台数は、じつはこの1年間横ばいです。このことから何がいえるのかといえば、これまでアリアの販売台数の低さは、あくまでも生産体制に問題があるとされていたものの、この需要動向を見ると、生産体制には大きな問題はなく、やはりあくまでも、世界全体の需要に問題があるといえるわけです。

最後に注目するべきはBYDの存在です。BYDは6月に148台を販売することに成功。しかも新発売のシールの納車は7月末からであり、販売台数には含まれていないという点も重要です。そのうえ4月以降、BYDのEVに対する補助金は一律で35万円と大幅減額されており、この点を考慮に入れると、かなりの健闘を見せているように見えます。直近で高感度ランキング輸入車部門トップ、自動車部門でもNo.2である、長澤まさみさんを起用したテレビCMがいい影響を与えているのかもしれません。

すでにトヨタのEV販売台数とまったく同数であることから、果たして下半期、シールの追加とテレビCMの浸透によって、どれほど販売台数を増やせるのかにも注目です。

いずれにしても、この日本国内のEVシフト動向については、前年同月と比較してもマイナス成長であり、EVシフト後退という状況が見て取れます。なかでも問題なのが、日本メーカーの、とくにアリアやbZ4Xなどのような普通車セグメントの販売動向が芳しくないという点です。残念ながら2024年シーズンは、この普通車セグメントにおいて、日本メーカーは新型EVを投入する予定がないことから、日本のEVシフトが今後も後退していく可能性が高いと推測可能です。

それでも、軽自動車セグメント、および輸入メーカーのEVの存在によって、そのEVシフト後退をどこまで食い止めることができるのか。2024年後半は、輸入メーカーの新型EV、および軽EVのホンダN-VAN e:の販売動向に注目していきたいと思います。

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みんなのコメント

45件
  • ********
    日本ではサクラのような軽EVが一番利便性が良いって事ですね
    中華EVなんか燃えたりするし、更に店舗まで火事になるとか
    論外ですよ
  • bub********
    消費者は欲しくない。メーカーも作りたくない。EVシフトなんて無理無理。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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