シルバーストン・サーキットを舞台に開催されているF1第12戦イギリスGP。7月6日(土)には、決勝グリッドを決める予選セッションが行なわれ、メルセデスのジョージ・ラッセルがポールポジションを獲得した。RBの角田裕毅は13番手だった。
グランプリ初日に続き、2日目も“ブリティッシュウェザー”が遺憾なく力を発揮。雨が降ったり止んだりの難しいコンディションの中、イベントが進行した。
■F1分析|FP2で新品ソフトタイヤを2セット使ってしまったレッドブル……扱いに苦労しているのか? フェルスタッペン「ミディアムの方が良さそう」
F1のフリー走行3回目や併催レースはウエットコンディションで行なわれたが、F1の予選セッションが開始される頃には雨も上がった。レースコントロールからは“ウエットトラック宣言”がなされ、気温13度、路面温度23度と肌寒い状況だったが、上空にはところにより晴れ間も見受けられた。
■雨が波乱を呼ぶ|予選Q1
トップ15を決める18分間のQ1が開始されると、ほとんどのドライバーが新品のインターミディエイトタイヤでコースイン。ただドライバーからは早い段階でドライの走行ラインが見え始めているという報告が上がった。
ここでレッドブルのマックス・フェルスタッペンやメルセデス勢、マクラーレン勢が上位に名を連ねるも、急速に路面が乾いていったことから、残り10分というところで各車続々とピットでスリックのソフトタイヤへと交換していった。
ちょい濡れ路面でのトリッキーなタイム計測となったこともあり、レッドブルのセルジオ・ペレスがターン9(コプス)でマシンの挙動を乱してコースオフ。マシンはそのままスピン状態となり、グラベルトラップにはまってしまった。ペレスは再び走り出すことができず、デッドエンド……セッションは7分30秒を残して赤旗中断となった。
Q1は9分程度の中断を経て再開。分厚い雨雲が再びサーキットに接近し風も強まる中、ドライコンディション下でタイムを出そうと、唯一インターミディエイトタイヤでタイムを計測しなかったハースのニコ・ヒュルケンベルグを含む19台が一斉にコースへ飛び出した。
予想されていた雨が路面を濡らしたものの、それも瞬間的に上がり、セッション最終盤にかけて各車のタイムが伸びていった。その中でハミルトンが1分29秒547を記録してQ1トップ通過となった。
角田も最終盤のアタックでセクター1全体ベストの1分30秒994を記録し、6番手でQ1突破。フェルスタッペンは降雨の影響により、ペレスと同じコプスでコースオフを喫するシーンもあったが、11番手でQ2へ駒を進めた。
一方、キック・ザウバーのバルテリ・ボッタスは16番手。15番手のヒュルケンベルグに0.502秒届かなかった。ペレスの他、アルピーヌ勢とハースのケビン・マグヌッセンがノックアウトとなった。
なお、アストンマーティンのランス・ストロールはピット出口の赤信号無視の疑いで、セッション後の審議対象となった。
■ルクレールがまさかの脱落|予選Q2
トップ10入りを決める15分間のQ2が開始される頃には青空の領域も増え、全車がソフトタイヤでコースへ戻った。ここでは新品とユーズドで選択が分かれた。
15台がQ2最初のタイムを出した時点で、マクラーレンのランド・ノリスが1分27秒432で暫定トップに。フェラーリのカルロス・サインツJr.が2番手で続いた。この2台と同じユーズドを使用していたハミルトンも、連続アタックで3番手に浮上した。
その後、新品タイヤを履くフェルスタッペンやアストンマーティンのフェルナンド・アロンソがこの3名のタイムを上回ったが、ユーズド勢も走れば走るほどタイムが上がるという路面コンディションだった。
Q2後半に各車が新品タイヤを投入するとタイムの伸びはさらに大きく、タイムシートの順位は目まぐるしく変わっていった。
ここでノリスは1分26秒559をマークしてトップに。メルセデスのジョージ・ラッセルやアロンソ、マクラーレンのオスカー・ピアストリも0.1秒ほど届かず、ノリスがQ2最速となった。
フェルスタッペンはQ1でのコースオフによって負ったマシンダメージが大きいか、6番手での通過となった。
また、10番手となったアストンマーティンのランス・ストロールに対して、フェラーリのシャルル・ルクレールは0.159秒届かず11番手ノックアウト。サインツJr.はQ3突破も7番手と、フェラーリは1発のスピードを引き出せないでいた。
ウイリアムズのローガン・サージェント、角田、キック・ザウバーの周冠宇、RBのダニエル・リカルドもここで姿を消した。角田は13番手、リカルドは15番手だった。
■イギリス人ドライバーが躍動|予選Q3
ポールポジションを決める12分間のQ3。ここまで生き残ったのはマクラーレン勢、メルセデス勢、アストンマーティン勢、フェルスタッペン、サインツJr.、ヒュルケンベルグ、アルボンの10名だ。
Q3最初のアタックでは、アロンソ、アルボン、ストロール以外が新品タイヤを投入。隊列後方でアタックしたラッセルが1分26秒024でトップに立ち、ノリス、ハミルトンが続いた。
各車はアタックを終えて一度ピットイン。新品タイヤに履き替え、残り3分というところから続々と最終アタックに向かった。
隊列前方のフェルスタッペンは1周をまとめられず、1分26秒203で4番手止まり。その後ろでアタックしたハミルトンは、1分25秒990を叩き出してラッセルを上回り一時トップに浮上するも、そのラッセルは負けじと1分25秒819を叩き出してトップを奪い返した。
ポール候補のノリスはアタックを諦めてピットイン。これでラッセルのポールポジションが確定した。ラッセルとしては嬉しいキャリア3回目のポール。メルセデスとしては久しぶりのフロントロウ独占となった。
またノリスが3番手に入ったことで、イギリス出身ドライバー3名がトップ3を独占。シルバーストンに詰めかけた多くのファンからは大きな歓声が挙がった。
4番手フェルスタッペン以下、ピアストリ、ヒュルケンベルグ、サインツJr.、ストロール、アルボン、アロンソというトップ10だった。
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