モナコでの予選は通常とは異なるエネルギーのデプロイを行う。ほかのサーキットでは1回のアタックでほぼエネルギーを使い切ってしまうため、次にアタックするまでにエネルギーをチャージする必要がある。しかし、モナコは低速コーナーが多く、1周が短いため、フルでデプロイして1周アタックしてもMGU-Kのエネルギーは余るからだ。
さらにモナコでの予選では渋滞が避けられないため、1セットのタイヤで何度もアタックする必要がある。そのため、デプロイもそれに合わせたやり方が行われる。
角田裕毅 予選12番手「マックスに近いところにいたのにQ3に進めず悔しい」“Q2で起きたこと”については明かさず
ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう語る。
「ひとつはEブーストに使って少しでも速く走る方法。これはあくまでシングルアタックするときです」
Eブーストとは、MGU-Hのモーターを回してターボをアシストする代わりに、タービンに流れる排気ガスを逃がすバルブとなるウェイストゲートを開けることで、排圧が下がってポンピングロスが減り、エンジンの出力を上げるものだ。このデプロイでは連続アタックはできず、クールダウンラップを1周挟むことになる。
もうひとつのやり方は「エネルギーをEブーストには使わずに、デプロイ用にとっておいて、2周連続でアタックする」(折原)方法だ。モナコでは渋滞にはまることがよくあるので、2周連続アタックを行うことを想定しなければならない。フルデプロイを2周連続で行うためのエネルギーがあるため、アタック途中に渋滞に引っ掛かったら、タイヤをセーブするために、アタックを途中でやめて、前車との間隔を空けてから、すぐにアタックを開始する。
Q1は渋滞するリスクが高いので、連続アタックモードを使用することが多く、Q2やQ3になると渋滞の可能性が低くなるので、Eブーストを使用したシングルアタックモードに切り替えることが多いという。今年のF1第8戦モナコGPでは、結果的にレッドブルの2台はQ1から激しい渋滞につかまることはなかったため、Eブーストを使ったシングルアタックを行っていた。
Q1を10番手で通過したときには、Q3へ進出できるかと思われた角田だったが、Q2でまさかの12番手に終わり、Q3進出はならなかった。その理由を尋ねると、角田はこう語るにとどまった。
「それは言いたいんですけど、言えないです。ごめんなさい」
Q2では1セット目のタイヤを履いてコースイン直後に、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がコース上にストップして赤旗中断となり、残り10分は新たなニュータイヤ1セットでの勝負となった。それが関係していたのか?
「そうですね。でも、同じような状況のクルマは僕以外にも何台かいたので……。まあ(問題は)その前から始まっていました」
つまり、Q1を終えて、Q2に臨むにあたって、角田とレースエンジニアとの間で意見が対立してのではないかと考えられる。というのも、Q2の最後のアタックでアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)に抜かれた後、角田は無線で、「ハジャー! これは本当にアンフェア。こうなるってわかっていたのに」とコメントしていたからだ。
レースエンジニアと意見が対立していたのかという問いに角田はこう答えた。
「それは言えないです」
モナコGPの予選は終えた。しかし、角田とレースエンジニアの戦いはまだまだ続く。しっかりとミーティングし、納得のいく答えを出してほしい。
[オートスポーツweb 2025年05月25日]
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