学校前に潜むリスク
春は交通事故のリスクが高まる時期だ。警察庁は2025年3月、4月から6月にかけて交通事故の死傷者数が増える傾向にあると発表した。なかでも、最も死傷者が多い年齢は7歳だった。新学期が始まり、通学に不慣れな子どもが多いこの時期は、特に注意が必要だ。
【画像】「えぇぇぇぇ?」 これがトヨタ自動車の「平均年収」です! 画像で見る(計11枚)
子どもの安全を守ろうと、車で送迎する保護者が増える時期でもある。しかし、その
「送迎時の運転」
こそが危険を招いているという。カナダで行われた最新の研究によれば、保護者による運転の多くは
「許容できないレベルの危険性」
を含んでいた。学校前に車が集中することで、むしろ子どもたちを事故のリスクにさらしていると指摘されている。
「反対側降車」の危機構造
Taylor&Francis Groupが主宰した国際合同研究チームは、2025年4月に学術誌「Traffic Injury Prevention」で研究成果を発表した。カナダの500校以上の小学校から得たデータを分析し、親による送迎時の危険運転が、皮肉にも通学中の子どもを危険にさらしている実態が明らかになった。
研究によれば、
・二重駐車
・交通違反
などの危険行為は、朝の登校時間帯に98%の小学校で確認された。こうした違反が日常的に発生していることが浮き彫りになっている。
調査は、カナダ国内七つの自治体にある552校を対象に実施された。最も多く見られた危険行為は、
「道路の反対側で子どもを降ろす」
ことである。その結果、子どもが車の直後に道路を横断し、事故に巻き込まれるケースが少なくないという。
研究チームは、送迎時の安全意識の欠如が交通弱者に直結するリスクを警告している。とくに歩行中の児童や自転車利用者が巻き込まれる事故の発生率は、危険運転によって45%増加するとして、事態の深刻さを訴えている。
通学路対策を迫る環境改善ニーズ
研究チームは、子どもの乗降用に専用スペースを設ける案を提案した。また、障がいのある子どもをもつ家庭のために、バリアフリー対応の駐車区画の整備も求めている。
アルバータ州カルガリー大学の研究員であるトナ・ピット氏は、Taylor&Francis Groupのプレスリリースのなかで、次のように言及している。
「結果は、スクールゾーンにおける危険な運転行動のレベルと種類が許容できないことを示しています」
さらに、ピット氏は次のようにも警鐘を鳴らす。
「危険な行動は二重の悪影響を及ぼす可能性があります。交通弱者を巻き込む衝突事故が増加し、スクールバスの積極的な利用が阻害される可能性があります」
学校周辺の混乱ぶりについては、保護者や地域住民、教師など関係者から以前から声が上がっていた。とくに登校時間帯は、交通が錯綜しやすいとされる。
「この研究はそれを少し定量化するのに役立ち、ランダムに選ばれた日にほぼすべての学校で何らかの危険な運転行動が発生しているのを観察しています」(ピット氏)
こうした分析を踏まえ、研究チームは
「学校周辺の物理的な環境を見直す」
ことが、深刻かつ緊急の課題である危険運転への有効な対策になりうると結論づけた。研究チームによれば、危険運転の発生率は容認できる水準を大きく上回っているという。その頻度とパターン、さらに運転行動が起きやすい空間特性を理解することが、学校や教育委員会、自治体による介入策の立案に資するという見解である。
学校前Uターン82%の衝撃
子どもの通学に自家用車を使う割合は、年々大きく増加している。たとえば米国では、1969年から2009年の間に47.5%増加した。一方で、徒歩や自転車といったアクティブな通学手段は減少傾向にある。カナダの「児童の積極的移動の安全と環境調査(CHASE)」によれば、同国の通学児童の45.8%が何らかの車両を利用して通っている。
今回の研究では、学校周辺の道路環境に対する現地監査も実施された。対象となったのは校舎正面玄関の両側で、授業開始の20分前から5分前までの時間帯に、交通の流れと運転行動を観察した。
調査の結果、すべての小学校で少なくとも1件以上、交通安全に影響を及ぼす危険運転行為が確認された。とくに目立ったのが、学校前で子どもを降ろした後、保護者がその場でUターンして帰るケースである。この行為が混雑や渋滞の一因となっていた。
また、都市ごとに特定の行動が偏る傾向も見られた。Uターンの発生率が最も高かったのはトロントで82%に達した。一方、学校入口の視界を遮る違法駐車はピール地域で多く、全体の75%を占めた。
さらに、車内での携帯電話の使用やメッセージ送信といったながら運転も問題となっている。全体の平均では20%だったが、カルガリーの学校では38%と突出して高かった。
保護者不信が招く送迎依存
今回の研究では、スピード違反は調査対象に含まれていなかった。だが、危険運転の種類が最も少なかった学校群では、隣接道路の制限速度が比較的低かった。
また、これらの学校では正門以外に車を停められる場所がほとんどなかった。いわゆるスクールゾーンによる交通規制が、有効な対策であることが改めて裏づけられた。
道路整備や乗降場所の設置、横断歩道警備員の配置といった対策は、一定の効果を持つ。ただし根本的な課題は、保護者が
「自ら送迎しなければ安心できない」
と感じている点にある。スクールバスや公共交通による通学でも安心できる環境の整備が、今後の都市計画に求められている。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
トヨタ「リッター47km」走る“エンジン車”に反響殺到!「プリウス」超える“超低燃費”実現した「3ドアハッチ」に「マジで買います!」の声も!「究極のエコカー」目指した“ES3”コンセプトに注目!
「買ってはいけない新車」4つの特徴──元ディーラーがこっそり教える“在庫優先”の罠、なぜ多くの消費者は見誤るのか?
「迎撃困難なミサイル」発射 ロシア軍の戦闘機基地 ウクライナの反撃を受ける MiG-31およびSu-34が損傷?
ダイハツ「快速・軽ハッチバック」に大反響! 「絶対買う!」「市販化お願い!」熱い声続々と! “パワフル”ターボ×5速MT搭載「ミライース GRスポーツ」まもなく登場に期待!
だってオタクのメーカーが作ったクルマでしょ? いくらゴネても「旧車」のメンテを「ディーラー」じゃ行ってくれない理由
だってオタクのメーカーが作ったクルマでしょ? いくらゴネても「旧車」のメンテを「ディーラー」じゃ行ってくれない理由
「買ってはいけない新車」4つの特徴──元ディーラーがこっそり教える“在庫優先”の罠、なぜ多くの消費者は見誤るのか?
不正改造車「6台」に「ただちにクルマを直しなさい!」国交省ブチギレ! “大迷惑”な「爆音マフラー装着」「違法ミラー外し」車を“一斉検挙”! 常磐道「友部SA」で検問を実施 取締り強化へ
7年ぶり全面刷新! トヨタ新型「RAV4」に反響多数! 「全部カッコよすぎじゃない?」「SUVにしてはパワフルすぎる!」「走行性きになるねぇ」の声! 初の“パワトレ&ソフトウェア”搭載で進化した「クロスオーバーSUV」が話題に!
クルマの消耗品って高け~! 安い社外品でいいや……ってそれでOK? クルマのパーツ「ケチッてもいいとこ」「ダメなとこ」
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
利便性最優先で、迷惑やリスクを考えられない可哀想な人達