この記事をまとめると
■ホンダがアコードに新グレード「e:HEV Honda SENSING 360+」を設定
「ACC」のせいというウワサも! 高速でやたら「ブレーキランプ」が連灯するクルマを見かけるワケ
■先進安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」が搭載されている
■高速道路において一定の条件下でのハンズオフが可能になった
「Honda SENSING 360+」を高速道路で試す!
本田技研工業が新型アコードに投入した先進安全運転支援システム「Honda SENSING 360+」。この革新的なシステムを東名高速道路で試乗テストした。そのメカニズムや作動方法、ハンズオフ機能の作動と操作性などをインプレッションしてみよう。
自動車の安全技術はつねに進化を遂げている。とくに運転支援システムの分野では、その進化は目覚ましく、ドライバーの負担軽減と事故防止に大きく貢献している。ホンダが新型アコードに新たに搭載した「Honda SENSING 360+」は、従来のHonda SENSING 360をさらに進化させ、一定の条件下では完全ハンズオフが可能となり、高度な運転支援を実現したシステムとして高い注目を集めている。
今回、このHonda SENSING 360+を搭載した新型アコードで東名高速道路を走行し、その実力を検証してみた。天候は晴れ、交通量は平日ということもあり輸送トラックなどが多い状況だ。速度差の大きな車両が多く走行していてシステムの実力を試すには適した交通環境だったといえるだろう。
まず、Honda SENSING 360+のメカニズムについて触れておこう。このシステムは、従来のミリ波レーダーと単眼カメラに加え、新たに前後左右に合計5つのミリ波レーダーを追加することで、文字どおり360度全方位の監視体制を確立している。これに高性能な画像認識プロセッサーを組み合わせることで、自車周辺の状況をより詳細かつ正確に把握することを可能としている。
具体的な作動方法としては、高速道路や自動車専用道路において、アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム(LKAS)を組み合わせることで、車線中央の維持、先行車との車間距離の保持、さらには車線変更支援や合流地点での速度調整といった、多岐にわたる運転支援を行う。
速度70km/h以上でステアリング右手の全方位マークのスイッチを押し、速度プラスマイナスのトグルをマイナス方向に押し下げると稼働する。この辺の所作は従来のACCと変わらない。
システムが起動すると、まずACC、LKAとして作動し、車速を保ち前走車との距離をモニターしてメーター内にグリーンで表示する。その後、周辺をモニタリングしハンズオフが可能と判断すると、メーター内表示がブルーに切り替わり、またステアリング左右スポークのセンター付近にブルーのLEDライトが点灯する。
これでドライバーはステアリングから両手を離し、ペダル操作からも解放され、ただ前を見て着座するだけの状態になれるのだ。
作動までの時間は約5秒で非常にスムース。作動後は乗員に不自然なGを感じさせることもなく、まるで熟練ドライバーが運転しているかのような自然な挙動を実現している。
また、ライントレースにもこだわりがあり、Rのある部分ではイン側を走りアウト・イン・アウトを意識している。側方にトラックがいれば車線内でやや距離を空けるようにズレてくれるのもベテランドライバー的な動きだ。
とくに印象的だったのは、車線変更支援機能だ。前方に車速の遅い車両などを検知すると、メーター内に車線変更のレコメンド表示が点灯する。ドライバーはステアリング上の承認ボタンを押し、ステアリングに手を触れ、そちら側のサイドミラーに視線を移すだけで自動的にウインカーが作動し車線変更してくれる。
車線変更はハンズオフとはならないが、ステアリングに触れるだけで静電センサーが認知し、自動的に車線変更してくれるのだ。
これまでの運転支援システムでは、ドライバーが主体的に車線変更の判断を下す必要があったが、Honda SENSING 360+はより積極的にドライバーをサポートする姿勢を示している。後方から接近している車両があるとレコメンド表示はされない。その辺の精度は高い。また、ルート設定で出口が近いと出口側車線への変更をレコメンドしてくれていた。
ルート設定下では本線合流時の加速も非常にスムースで、運転ビギナーやサンデードライバーなどには適した支援機能だという印象を受けた。
「Honda SENSING 360+」は自動運転レベル2
しかし、いくらシステムが高度な運転支援を実現したとしても、現状の法規では「レベル2」の運転支援システムに位置づけられる。つまり、ドライバーはつねに運転の主体であり続け、システムが適切に作動しているか監視し、必要に応じていつでも運転を交代できる状態である必要がある。
このため、Honda SENSING 360+には、ドライバーモニタリング機能が搭載されている。これは、ダッシュボードセンターのナビ画面下に設置されたカメラがドライバーの顔を認識し、脇見や居眠りなどを検知するシステムだ。システムがドライバーの注意散漫を検知すると警告を発し、それでもドライバーからの反応がない場合はシステムの作動を停止させるなどの措置が講じられる。
試乗中、意図的によそ見をしたり、目を閉じてみたりしたが、システムは即座に警告を発し、ドライバーに注意を促した。また、赤外線カメラゆえサングラスを着用していても目を閉じると警告が発され、システム精度の高さを実感した。このドライバーモニタリング機能は、ハンズオフ機能の安全性を担保する上で非常に重要な役割を担っており、万が一の事態に備える安全への配慮がうかがえる。
ちなみにドライバーの意識消失をシステムが検知し判断すると警告が発され、ドライバーが反応しなければハザードを点灯させ同一車線内で徐々に減速し停止させる。自動的に緊急サポートセンターに通報が飛び、係員の通話に反応しなければ救急や警察への通報が行われる。もちろんこれは試乗で試すことではない。
ここで、多くの人が気になるであろう「Honda SENSING Elite」との違いについて言及しておこう。Honda SENSING Eliteは、レジェンドに搭載されたシステムであり、日本で初めて国土交通省から「レベル3自動運転」の認可を受けたシステムである。
最大の相違点は「自動運転レベル」にある。Honda SENSING 360+はあくまで「レベル2」の運転支援システムであり、設定車速は高速道路で135km/hまで引き上げられているが、ドライバーが運転の主体であることに変わりはない。一方、Honda SENSING Eliteは、特定の条件下(交通渋滞時など)において、システムが運転の主体となり、ドライバーは監視義務から解放される「レベル3」の自動運転を実現している。
この違いは、法的な側面が大きく影響している。現状の日本の法規では、レベル3自動運転は極めて限定的な条件下でのみ許可されており、車両そのものに搭載されるセンサーの種類や数、精度など、非常に厳しい要件が課せられている。Honda SENSING Eliteは、これらの要件を満たすために、高精度3Dマップデータや高精度GNSS(全地球測位システム)などのより高度なセンサーと、複数系統のECU(電子制御ユニット)によるシステムを搭載している。
対してHonda SENSING 360+は、既存のセンサー群の強化とソフトウェアの進化にGNSSを組み合わせ、レベル2の枠内で最大限の運転支援を実現しようとするアプローチといえる。アコードへの搭載は、より多くの一般車両に普及させることを念頭に置いた、実用性とコストパフォーマンスに優れたシステムである証といえるのだ。その費用は約40万円とのことだが、搭載する価値は間違いなくある。
今回の試乗を通じて、Honda SENSING 360+はさまざまな課題を克服するベースシステムにもなりえると実感した。たとえば近年多発している高速道路の逆走問題や居眠りによる追突などにも適合できるのではないかと思えるのだ。
自動車の完全自動運転技術は、地域や活用方法など限定的にしか機能しないレベルで、まだまだ発展途上の段階にある。しかし、Honda SENSING 360+の搭載で、より安全で快適なモビリティ社会に貢献できるに違いない。さらにいえば常々言及しているカーtoカーの通信機能として拡大し、他車とも連携して稼働させられればと願うところだ。
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みんなのコメント
全く同じように思えるのですが…
もう少し詳しく記事にしてほしい。