威風堂々とした威厳が漂うマジェスティ
ミッドナイト・ブルーのボディにハバナ・ベージュのレザー内装でコーディネートされた、シトロエンDS 21 マジェスティ。磨き込まれたアルミ製のホイールカバーが、印象を引き締める。他のDSと同様に、大きなドアガラスにはフレームがない。
【画像】高貴なコーチビルド シトロエンDS 21 マジェスティ 現代版DSクーペ 最新のDS 9ほか 全103枚
極めて状態は良いが、ダニー・ドノヴァン氏が率いる英国のDDクラシック社によって、レストアを終えたばかり。ベルギーのカーコレクターが、長年大切に管理してきた個体だという。
筆者はDS カブリオレを何台も運転した経験を持つが、コーチビルダーのアンリ・シャプロン社が正式に手掛けたモデルだったのか定かではない。ちょっと気持ちが引き締まる。
実物を目の当たりにすると、威風堂々とした威厳が漂う。フロントフェンダーにはフラッグホルダーが備わらず、ホイールベースは通常のDSと変わらないようだが、フランスの要人が乗っていそうにすら思える。
トランクリッドはスクエアで、荷室は大きい。しかし、リアエンドは第一印象より細身。故シャルル・ド・ゴール大統領が、自信のために長く大きいDS プレジダンジェルを希望したことにもうなずける。
ダイヤモンド・キルト加工された天井
ボンネットを開くと、控えめな直列4気筒エンジンがスペアタイヤの奥に隠れている。ハイドロニューマチックのパイプ類とエアコンのコンプレッサーが、大きく見える。
エンジンルームの後方、バルクヘッドにはアンリ・シャプロン社のシャシープレートが残っている。レストアに一切の抜かりはない。オリジナル状態のまま、シトロエンのエンジンルームをこれ以上美しくすることは不可能だろう。
スリムなダッシュボードには、イェーガー社製の丸いメーターが6枚と、警告灯が並ぶ。珍しい眺めに、シトロエン・ファンとしては思わず興奮してしまう。
すべてのDS マジェスティが、このように仕立てられたわけではない。巨大なエアコンの送風機が、必ずフロントシートの間に装備されていたわけでもない。
縦にリブの入ったレザーシートは、マジェスティとしての別注品。天井の内張りもレザー張りで、見事なダイヤモンド・キルト加工が施されている。リアシート側の空間は、大柄な大人でも充分なゆとりがある。
レザー張りのドアパネルを観察すると、パワーウインドウのスイッチは見当たらない。ダッシュボードのフェイクウッドは、希望すれば本物に差し替えることが可能だった。この例ではそのままのようだが。
魔法のようにロンドンの路面の不正を均す
DS マジェスティの走りには、正直なところ特に注目すべきところはない。美しさを保ったまま進むだけで満足だ。
それでも、ハイドロニューマチックからのカチカチというノイズや、呼吸するようなささやき、西ロンドンの路面の不正を均すしなやかさには、触れないわけにはいかないだろう。まるで女神がかけた魔法のように。
シフトレバーを左に倒しながらスターターを回し、エンジンを始動する。穏やかにアクセルペダルを傾けると、セミ・オートマティックで1速から2速へ、クラッチペダルを踏まずにシフトアップされる。
始動から10分ほどは特に、右足を優しく動かす必要がある。調子良く機能するように調整することも難しいが、修理には相当な費用が必要になるはずだ。
もっとも、急いで走れるわけではない。慣れてくると、シングルスポーク・ステアリングホイールの奥、上部に突き出た細いレバーを意識ぜずに倒せる。指を伸ばせば届く位置にある。
ブレーキペダルは、マッシュルームのように丸いボタン。そっと重みを加え、優しく速度を落とす。
対象的に、2175cc 4気筒エンジンは至って凡常。それでも、現代の都市交通にも順応できるほど粘り強く回り、ストレスは小さい。おおらかに走る姿へ、ロンドンっ子の熱い視線が向けられる。
本国でも認知度の低いシャプロンのDS
クラッシックカーに関心を持つ人なら、シトロエンDSの認知度は高いだろう。とはいえ、アンリ・シャプロン社を知っている人は殆どいないと思う。このDS 21が、極めて特別だという事実も。
フランス製のエレガントなボディをまとう、セミ・コーチビルドのシトロエンは本国でも広くは知られていない。欧州の外では、目にする機会すら殆どないはず。ドーバー海峡を挟んだ、グレートブリテン島でも。
シトロエンDS 21 マジェスティの価値を理解する人は、情熱的に維持し手放すことは滅多にない。DDクラシック社が前オーナーから引き受けた1台も、この記事が読まれる頃には次のオーナーが決まっていることだろう。
協力:DDクラシック社
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