いちばん売れているボルボはXC60
かつてはボルボといえばエステート、つまりステーションワゴン、現在のモデル名でいえば『V○○』が主流だった。
【画像】マイルドハイブリッドモデルとなる、ボルボ XC90ウルトラB5 AWD! 全42枚
しかし、21世紀に入った頃からSUVモデルの『XC○○』やワゴン系のクロスカントリーモデル『V○○XC』といったモデルにトレンドが移り、いまや日本でも世界でも、いちばん売れているボルボ車はミドルクラスSUVのXC60だという。
現在、ボルボのXC系は小さいほうからXC40/XC60/XC90がラインナップされているが、今回紹介するXC90はプレミアムEセグメントにあたる、ボルボのフラッグシップSUVだ。
初代は2002年に発表され、現行型は2015年に発表(日本仕様は2016年に発売)された2代目にあたる。日本デビューからも10年近く経つが、今年中には世界で100万台の販売台数を達成する見込み。日本でも毎年コンスタントに1000台以上のペースで、今までに1万台以上が販売されているロングセラーモデルなのだ。
日本仕様のバリエーションは、従来型と同じ
そんなXC90が、ビッグマイナーチェンジされた。日本仕様のバリエーションは、従来型と同じ。プラグインハイブリッド車の『ウルトラT8 AWD プラグインハイブリッド』がトップグレードで、マイルドハイブリッド車の『ウルトラB5 AWD』、そして『プラスB5 AWD』の3グレード。今回はマイルドハイブリッド車の上級グレード、ウルトラB5 AWDを試乗する機会を得た。
『ウルトラ』と『プラス』の違いは、ヘッドアップディスプレイ、シートの機能や生地、オーディオ、リアドアのサンブラインドといった快適装備くらいで、パワートレーンや安全装備などは基本的に変わらない。
車両価格はプラスが1019万円、ウルトラが1099万円と価格差は80万円。1000万円クラスのクルマを購入するユーザーは「80万円の差だったら……」と考える人が多いようで、日本でもXC90の販売比率は、プラスB5:ウルトラB5:ウルトラT8が1:6:3くらいだという。
エクステリア以上にインテリアを刷新
エクステリアでは、フロントまわりを一新した。斜線が重なり合うグラフィカルなグリル、マトリックスデザインLEDでスリムになったトールハンマーヘッドライトをはじめ、ボンネットやバンパーもデザインを変更して、日本でも人気のEX30など、新世代の電気自動車とデザインの親和性を感じさせる。
サイドビューのシルエットは変わらないが、アルミホイールもデザインを変更。テールランプも形状は同じだがダークカラーレンズの採用でLED点灯時の視認性を向上している。
フロントまわり以外は従来型と大きくは変わらないから、遠目には区別しにくいので従来型オーナーはホッとしているかもしれない。だが、ドアを開けるとインテリアはかなり刷新されている。
ダッシュボートは直線基調になり、センターディスプレイは9インチから11.2インチにサイズアップ。ピクセル密度も21%向上して、操作性と視認性が大幅に進化した。実際、運転中にディスプレイをチラ見しても情報は把握しやすいし、またタッチのレスポンスやアプリの選択なども分かりやすく、運転中に煩わしさを感じることはない。
ライトアッシュウッドパネルにチャコールのインテリアカラー
シート形状は従来型と同じだが、試乗車は無償オプションのネイビーヘリンボーンテキスタイルという100%リサイクル素材を使用したステッチ入り。これも無償オプションのライトアッシュウッドパネルにチャコールのインテリアカラーという組み合わせは、落ち着いた雰囲気でなかなかオシャレ。
3列シート7人乗りというレイアウトもそのままで、2列目はおとな3人でも余裕で座れ、スライドもするのでヘッド&フットスペースともタップリ。3列目は身長170cmまでと制限されているが、172cmの筆者が座ってみると天井に髪の毛が触れる。体育座りほどではないがフットスペースもミニマムなので、小柄なおとなか子ども用と割り切ったほうがいいだろう。
3列目使用時で314L、3列目を格納すれば692L、2列目も全倒すれば最大1148Lというラゲッジスペースは広大で、2列目シートバックは40:20:40の3分割可倒式だから、乗車人数と積載荷物に合わせてアレンジは多彩だ。もちろんハンズフリーテールゲートやグロサリーバッグホルダーにストレージトレイなど、ワゴンからの使いやすさを踏襲したボルボらしいラゲッジスペースだ。
マイルドハイブリッドでもパワー的に不満はない
今回試乗したマイルドハイブリッド車では、パワートレーンが変更されている。ミラーサイクルを採用し、VVT(可変バルブタイミング)によりインテークバルブの閉じを制御。
ピストンデザインの変更や新形状のインテークマニホールド、VNT(バリアブルノズルタービン)ターボチャージャー、新型オイルポンプの採用などにより、WLTCモード燃費は従来型の11.4km/Lから12.0km/Lへと、約5.3%改善している。
ダンパーも新しくされ、乗り心地を向上させている。もっとも、試乗車は借り出し時に2400kmほどしか走っておらず、まだ馴染んでいない。また従来型を試乗してからかなり時間が経っているため、正直にいって相対評価は難しい。だが、絶対評価として20インチという大径の45タイヤを履いての乗り心地としては悪くない印象だ。
市街地でも高速道路でも、路面の良いところは滑らかでフラットライドに走り抜ける。高速道路の継ぎ目などは少しショックを感じるが不快なレベルではない。実際、ヨーロッパ車では3000kmくらいは走り込まないと足まわりが馴染んでこないクルマは少なくない。あと1000kmくらい走ると、印象はだいぶ変わるのではないだろうか。
2m近い全幅だが、目線が高く視界も良いのでサイズはあまり気にならず運転しやすい。高速走行時のエンジン回転数は、100km/hは8速で1500rpmくらい、80km/hでは8速に入らず7速で1500rpmくらいといったところ。
約160km走行して、平均燃費計は11.1km/L記録
車両重量は2トンを超えるが、250psと360Nmを発生する2Lターボエンジンのパワーは十分だ。アクセルペダルを少し多めに踏み込むと、おとなしめなスタイルからは想像できないほど意外な加速を見せる。
マイルドハイブリッドゆえモーターでの走行はできないが、街中のゴーストップでは頻繁に作動するアイドリングストップ/再始動のショックは皆無でスムーズだ。
今回、約160km(3分の2が首都高&高速道路、3分の1が一般道)走行して、平均燃費計は11.1km/Lを記録した。
日本市場においても、XC90のライバルとなるプレミアムEセグメントのSUVはけっこう存在する。だが、多くは個性を主張しているのか、わりと押し出しの強いスタイリングのものが多い。そんな中で、このXC90はスカンジナビアンデザインらしい落ち着いて知的な内外装は、永く付き合っても疲れないように思える。
プラグインハイブリッド車のT8よりは200万円近く安く、安全&快適装備はほぼ同等。パフォーマンスに不満はない。このB5ウルトラがXC90の売れ筋グレードになるのは、実際に乗ってみれば納得できるだろう。
ボルボ XC90ウルトラB5 AWDのスペック
全長×全幅×全高:4955×1960×1775mm
ホイールベース:2985mm
車両重量:2130kg
エンジン:直4 DOHCターボ+モーター
総排気量:1968cc
エンジン最高出力:184kW(250ps)/5400-5700rpm
エンジン最大トルク:360Nm(36.7kg-m)/2000-4500rpm
モーター最高出力:10kW/3000rpm
モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:フロント横置き4WD
燃料/タンク容量:プレミアム/71L
WLTCモード燃費:12.0km/L
タイヤサイズ:275/45R20
車両価格:1099万円
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