引退説が根強く囁かれるメルセデスのルイス・ハミルトン。しかし気になるのは、もし彼の引退が現実のものとなった場合、そのシートを埋めるのは誰なのかというところ。イギリスBBCの人気番組『Top Gear』のWEBサイトでは、そんなハミルトンの後釜をオッズ付きで予想している。
2021年最終戦アブダビGPの悲劇以来、沈黙を続けているハミルトン。彼が噂通り2023年までの契約を破棄してF1を去った場合、メルセデスはその後継者探しに追われることとなる。
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とはいえこれは簡単な作業ではない。ハミルトンが抜けた場合の穴は大きく、それを埋めるドライバーには相応の実績が求められる。チームメイトが新加入の若手ジョージ・ラッセルという状況では、チームを牽引するリーダーシップも必要となるだろう。しかも、すでに全チームが2022年のラインナップを確定させているため、有力なドライバーを得るためには他チームから引き抜くしかない。
この難しい状況の中、『Top Gear』が6倍という最も低いオッズをつけた、すなわち最もハミルトンの後を引き継ぐ可能性が高いと考えているのは、ダニエル・リカルドだ。マクラーレンでメルセデスのパワーユニットを使用する彼は、確かに実績とキャリアを兼ね備えた適任者のひとりといえる。
気になるのは2021年シーズンに彼がチームメイトのランド・ノリスを上回る成績を残せなかったことだが、同サイトは「昨年は(ノリスに)大敗を喫しているため、誘惑に負けてしまうのも無理はないだろう」と、それがかえって彼のメルセデス入りを後押しすると考えている。
『Top Gear』はバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)にも、リカルドと同じ6倍のオッズをつけている。2021年シーズン限りでメルセデスを離脱したばかりの彼だが、やはり5年間をメルセデスで戦った経験は大きい。彼は「安全な予備プラン」だとすら同サイトは語っている。
思い返せば、ボッタスがメルセデスに加入したのもニコ・ロズベルグの電撃引退でシートが一つ空いたからだった。もう一度同じような事が起こる可能性がないとも言い切れない。
彼らに続いて、10倍のオッズとともに名前を挙げられたのはエステバン・オコン。かつてメルセデスのリザーブドライバーを務めていた彼は、チーム代表のトト・ウォルフにその才能を高く買われている。アルピーヌとは2024年までの契約が残っているが、そこはウォルフの交渉次第といったところだろう。
リザーブドライバーといえば、昨年その役割を担っていた3人のドライバーの存在を忘れてはならない。ただし、ニコ・ヒュルケンベルグとストフェル・バンドーンにはブランクがあり、ニック・デ・フリースに至ってはFIA-F2とフォーミュラEのチャンピオンという華々しい成績こそあれ、F1への参戦経験はない。即戦力という観点では彼らには不安が残り、『Top Gear』がつけたオッズもそれぞれ12倍、20倍、20倍と軒並み低めだ。
その後もランキングは続き、下位にはトト・ウォルフ(オッズ5000倍)や、ハミルトン引退説の原因を作り出したとも言えるレースディレクターのマイケル・マシ(オッズ10000倍)の名前すらある。
もちろん『超大穴』のウォルフやマシがジョークとして挙げられているのは言うまでもなく、リカルドやボッタスですら今年メルセデスのマシンに乗る可能性は決して高くない。しかし同時に忘れてはならないは、前述のロズベルグの引退のときのように何が起こってもおかしくないのがF1の世界だということだ。
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