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姿・カタチが思い出せない!? かつて一世を風靡した車の最終モデル5選

掲載 更新 76
姿・カタチが思い出せない!? かつて一世を風靡した車の最終モデル5選

■忘れ去られた存在!? 最終モデルを振り返る

 かつて大ヒットを記録したクルマでも、ユーザーのニーズが変わったり流行の変化によって、代を重ねると人気がなくなってしまうケースがあります。

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 さっぱり売れなくなってしまったクルマは、最終的には販売を終えることになりますが、そうした最終モデルは人気がなかったことから、忘れ去られてしまうのではないでしょうか。

 そこで、ヒットしたクルマの最後のモデルを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「ソアラ」

 トヨタ初代「ソアラ」は1981年に発売され、ハイソカーブームをけん引し、若者だけでなく幅広い層から人気となりました。

 ボディはロングノーズのスタイリッシュな2ドアクーペで、全グレードで直列6気筒エンジンを搭載して、デザインの美しさだけでなく先進的な装備も注目されました。

 1986年に2代目が登場すると、デザインは初代をほぼそのまま引き継ぎ、好景気に湧いていた時代背景もあって初代以上のヒット作になります。

 1991年に発売された3代目は、北米でレクサス「SC」として販売されたため、より大型化し、トップグレードには4リッターV型8気筒が搭載されるなど、ラグジュアリー路線へと移行しました。

 そして、ソアラとして最終モデルとなった4代目は2001年に登場。先代と同様に北米ではレクサスブランドでも販売されたメタルトップのオープンカーとなり、それまでのコンセプトから大きく変化します。

 すでにソアラの主戦場は北米だったため、オープンカーの人気が高いアメリカの趣味嗜好を取り入れたかたちです。

 その後2005年に日本でもレクサスブランドの展開が始まると、ソアラはレクサスSCに車名が変わることで消滅。SCも2010年には生産を終了しました。

●日産「セドリック/グロリア」

 日産を代表するアッパーミドルクラスのセダン「セドリック/グロリア」の誕生は、ちょっと複雑です。

 セドリックは1960年に初代が発売され、重厚なデザインのボディに1.5リッターエンジンを搭載した高級車でした。

 初代グロリアは1959年に、プリンス(当時は富士精密工業)によって開発された同じく高級車で、1.9リッターエンジンを搭載して、セドリックよりも格上のセダンとなっています。

 そして、1966年に日産とプリンスは合併し、1971年に姉妹車となったセドリック/グロリアが誕生。セドリックは3代目、グロリアは4代目にあたります。

 ライバルはトヨタ「クラウン」で共に人気を博し、この1971年モデルはクラウンを上まわる販売台数を記録したほどです。

 また、1979年に登場した5代目セドリック/6代目グロリアは国産乗用車で初のターボエンジンを搭載した、記念すべきモデルとなっています。

 しかし、1988年に「シーマ」が登場したことや、1990年にクラウンの人気が歴代最高となるなどの影響で、セドリック/グロリアの販売台数は減少傾向となりました。

 1999年に発売された10代目/11代目では、大出力エンジンに対応した世界初のトロイダルCVTを搭載するなど、意欲作でしたが、2004年に「フーガ」に統合されるかたちで、セドリック/グロリアは40年以上続いた長い歴史に幕を閉じました。

●三菱「ギャラン」

 1969年に三菱は初代「コルトギャラン」を発売。国内のラリーで勝利を重ね、海外のラリーでも勝利するなど、高性能なセダンというイメージを構築します。

 そして、スポーティカーのニーズが高まり始めていた1970年に、派生車として2ドアハードトップである「コルトギャランGTO」が登場。

 流麗なフォルムのボディが特徴で、高性能な1.6リッターDOHCエンジンや、2リッターSOHCエンジンを搭載するモデルに発展するなど、三菱を代表するスポーツカーとなります。

 その後、排出ガス規制の強化で高性能なモデルは鳴りを潜めますが、1980年代にターボ化のトレンドが襲来。

 1987年には、世界ラリー選手権に参戦することを前提に開発されたフルタイム4WD車の「ギャラン VR-4」を発売します。シリーズ6代目にあたるギャラン VR-4は、最高出力205馬力を発揮する直列4気筒DOHCターボエンジンを搭載し、好景気の背景もあり人気を博します。

 1996年に登場した8代目には量産車世界初となるガソリン直噴エンジン「GDI」が搭載されるなど、ハイパワーなだけでなく先進的なモデルとしても注目されました。

 しかし、2000年代になるとセダン人気の低迷からギャランの販売台数は落ち込み、2005年に販売を終了します。

■かつて若者が熱狂したモデルも消滅

●ホンダ「プレリュード」

 1978年に発売されたホンダ初代「プレリュード」は、「シビック」「アコード」という2枚看板から、さらに車種を拡充するために開発された2ドアクーペです。

 しかし、シビックに似たフロントマスクはスペシャリティカーとしては弱く、人気車にはなりませんでした。

 そして、1982年に登場した2代目では、外観のデザインを一新。低いボンネットの先端にリトラクタブルヘッドライトを配置し、全高1295mmのワイド&ローで流麗なフォルムや、充実した装備によって、女性からも人気の「デートカー」としても注目を集めました。

 1987年に発売された3代目は、外観は2代目からのキープコンセプトとしながらより洗練され、デートカーとしての人気がさらに高まります。

 また、量産車世界初の4輪操舵が設定されたことも、3代目の大きなトピックスです。

 1991年に発売された4代目では海外市場を意識したボディ、エンジンとも大型化しますが、日本では先代ほどのヒットにはなりませんでした。

 そこで、1996年に登場した5代目は、3代目をオマージュしたようなシャープなデザインに一新。トップグレードには220馬力を発揮する2.2リッターエンジンを搭載し、優れた足まわりと相まって、走行性能も高められました。

 しかし、すでに2ドアクーペのニーズは縮小しており、2001年に販売を終了。プレリュードはこの代をもって消滅しました。

●マツダ「ファミリア」

 初代マツダ「ファミリア」は1963年に発売された大衆車で、セダン/クーペ/ワゴンなど、さまざまなボディバリエーションをラインナップしていました。

 1967年に登場して2代目ではロータリーエンジン搭載車をラインナップするなどスポーティなモデルとなり、3代目ではオーソドックスなセダン/クーペになります。

 そして、1977年発売の4代目では、これまでとは異なるコンセプトの3ドア/5ドアハッチバックボディに生まれ変わりました。なお、国産車のハッチバックとしては初めて4ドア+ハッチバックのボディ形態を採用した、記念すべきモデルです。

 しかし、他社がFFの小型車を開発するなかFRとしたことで、室内空間の広さでは不利だったことから、1980年に発売された5代目ではFFとなり、若者を中心に支持され大ヒットを記録。

 1985年発売の6代目と1986年発売の7代目では、高性能なDOHCターボエンジンにフルタイム4WDを組み合わせた高性能グレードが設定されて、ラリーなどモータースポーツで活躍することで、ブランドイメージを高めました。

 ところが、1994年に登場した8代目では一転してベーシックカーへと変貌。そして、1998年に発売された9代目ではラインナップを整理してセダンとステーションワゴンとなります。

 このモデルではエンジンや足まわりがチューニングされた「マツダスピードファミリア」が限定販売され、高性能モデルが復活を果たしました。

 しかし、市場ではファミリアのニーズはすでに低く、2004年に販売を終了。後継者は「アクセラ」で、現在も「マツダ3」として販売されています。

※ ※ ※

 今回、紹介したセドリック/グロリアのように、長い歴史があるモデルでも人気が低迷すれば消滅してしまいます。

 また、自動車メーカー自体の体力という問題もあり、三菱やマツダは極端に業績が悪化し、かつて大規模な車種整理がおこなわれ、三菱はセダンの製造、マツダはミニバンの製造から撤退してしまいました。

 世の中の景気にも左右されるため、現在、世界中を蝕んでいる新型コロナ禍を考えると、自動車メーカーの今後の動向が注目されます。

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みんなのコメント

76件
  • うまくいってるのに、わざわざへんてこなデザインに変えて失敗するのが必敗パターンなんだよな。
    これだけ多くの失敗先例があるのに、いまだに同じ轍を踏むモデルがなくならないことが不思議。
  • ソアラは天と地を味わった車だなw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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