BMW X3 M40d × Porsche Macan Turbo Performance
BMW X3 M40d × ポルシェ マカンターボ パフォーマンス
最強のディーゼルSUV「BMW X3 M40d」、カテゴリーの覇者「ポルシェ マカンターボ」に挑む! 【Playback GENROQ 2019】
瞠目すべき2台
高性能ミドルサイズSUVの雄、マカンターボに新たなライバルが登場した。最新の直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、326ps/680Nmもの強大なアウトプットを発生するBMW X3 M40dだ。ハイパワーミドルサイズSUV2台の熾烈な戦いに注目だ。
「Mを冠したスーパーSUVに、ディーゼルを搭載した意味を理解した」
BMWのモデルラインナップにおいて、MパフォーマンスはMとMスポーツの間を埋める位置づけになっている。コスメティックや足まわりだけでなく動力性能も含めてトータルで性能向上をみているそれは、アウディに準えればS系のカテゴリーということになるだろう。日本では既にM240iやM760Li、SUVでもX2 M35iといったモデルがラインナップされている。
そして直近で追加されたMパフォーマンスモデルがX3 M40dだ。X3は言わずもがな、最も売れ筋にあたるだろうDセグメントSUVだ。当然看板たる6気筒モデルもあって然るべきだが、そのラインナップは4気筒エンジンで構成されていた。そこに加えられたのが40d。待望の6気筒は驚くことにディーゼルでの投入となったわけだ。
「トルクは4.4リッターV8を上回るM40d。Mを名乗ることに文句のつけようがない」
M40dに搭載されるB57D30B型ユニットは、現行ラインナップにおいては740d系と同型になるが、パワースペックは若干異なっている。この3.0リッターストレート6の開発にはM社も関与しているとされ、その出力は326ps、最大トルクは680Nm。パワーはガソリン版3.0リッターストレート6のB58系とほぼ同等、そしてトルクはN63系4.4リッターV8のそれをも上回るという。この数値をみればM40dがMパフォーマンスを名乗るのに文句はつけようがない。
この強烈なパワー&トルクを路面に伝えるxドライブは、FR的な駆動配分セットアップをベースに差動を電子制御でコントロールするMスポーツディファレンシャルを備えるなど、曲がりを存分に意識して躾けられている。ちなみに21インチの40扁平タイヤも前後は異幅だ。併せて足まわりはサスペンションセットアップだけでなく、ブレーキも対向ピストン式が充てがわれるなど、強化ポイントに抜かりはない。
「マカンターボの振る舞いにもはやSUVの腰高感は皆無である」
Dセグメント系ディーゼルでは当然最強クラスのパフォーマンスを示すことは容易に想像できるこのX3 M40dに好敵手を用意するとなれば、同じくDセグメント系ガソリンでのトップパフォーマーたるマカンターボ パフォーマンスだろう。3.6リッター V6はベースとなるターボに対して40ps増の440ps、トルクは50Nm増の600Nmとなる。M40dに対してはトルクで劣るもパワーで勝る。両エンジンのわかりやすい特性差が現れている。
まずはそのマカンターボを受け取り、一般道から高速道路を経由して郊外へと向かう。足まわりはパフォーマンスの専用設定となり、その振る舞いにもはやSUVの腰高感は皆無であることは一般道の取り回しからして伝わってくる。オプションの21インチタイヤはX3よりさらにひと回り太いが、低中速域でもその脚さばきに大きな不満はない。凹凸や目地段差でもインパクトは感じるも刺々しいショックはスッと綺麗に抜いていく。PDKのリンケージ感もすこぶる滑らかなのは、試乗車が2万kmを超えていよいよ各部にアタリがついてきたからだろうか。
「曲る止まるの操作において寸分の遊びもなく反応するのがポルシェたる所以」
回せば6800rpmのレッドゾーンまで力感を途切らすこともなくシュンと回るエンジンの気持ちよさに改めて溜飲が下がる。大きなマスをあらんばかりの力で押し出すSUVの速さに魔性を感じる向きも多いかもしれないが、このクルマも十分その期待に応えるだろう。が、それだけでなく曲る止まるの操作においても寸分の遊びもなくピタッと反応するところがポルシェたる所以といえるだろう。ともあれ欠点を見出すことの方が難しい。マイナーチェンジ前のモデルをしてそれである。
そんなマカンターボの感触を刷り込んだ後では、さすがにX3も分が悪いところはある。それは主に低中速域での乗り心地にあって、轍はともあれ微妙な凹凸のいなしや目地段差の乗り越えなどでの応答はやや粗い。この辺りはマカンターボに対して走行距離的にこなれていないところもあるだろう。それでも巨大なバネ下の動きに淀みや濁りを残さない辺りはさすがだ。そしてブレーキの効きやコントロール性もマカンターボに肉薄している。
「X3はサルーンにも等しい快適性で乗員をもてなしてくれる」
速度が乗れば乗り心地のアラも収まり、X3はサルーンにも等しい快適性で乗員をもてなしてくれる。足まわりはしっかり固めても車高が必要以上に下がっていないのか、SUVらしい見晴らしの良さが維持されている辺りは乗員にも喜ばれるだろう。8速ATを介しての100km/h巡航はエンジンの回転数も1200rpm付近に抑えられ、車内は実に静かだ。いかにもディーゼル的なガラガラ系の音は総じてきっちり抑え込んである。
そのディーゼルユニットのパフォーマンスはやはり強烈なものだった。とりわけ最大トルクが発せられる2000rpm手前から3500rpm辺りの蹴り出し感は、例えようにも対象が見当たらないほどに豪快だ。流れに乗るような運転ならばエンジンは2000rpmも使えば必要な駆動力は足先の動きだけで即座に得ることができる。そこから一気に加速体制に入ると21インチタイヤが悲鳴を上げ、景色がぐっと歪むようなGをもって速度計の針が跳ね上がる。その猛烈な力がきめ細かな粒感で伝わってくる辺りは、まさに直6の恩恵といったところだろう。吹け上がりの軽さやヌケの良いサウンドも相まって、ディーゼルの重さや粘り気は殆ど感じられない。
「使い勝手のいい速さが低燃費と相反することなく両立するX3 M40d」
この激烈かつ個性的、かつ使い勝手のいい速さが、低燃費と相反することなく両立している。M40dの魅力は他のモデルでは叶えられないものだろう。800万円台に抑えられた価格を知れば、この選択肢はますます説得力の高いものと思えてくる。
REPORT/渡辺敏史(Toshifumi WATANABE)
PHOTO/市 健治(Kenji ICHI)
【SPECIFICATIONS】
BMW X3 M40d
ボディサイズ:全長4725 全幅1895 全高1675mm
ホイールベース:2865mm
車両重量:1980kg
エンジンタイプ:直列6気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:2992cc
最高出力:240kW(326ps)/4400rpm
最大トルク:680Nm(69.3kgm)/1750-2750rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前245/40R21 後275/35R21
燃料消費率:14.9km/L(JC08モード)
車両本体価格:878万円
ポルシェ マカンターボ パフォーマンス
ボディサイズ:全長4699 全幅1923 全高1609mm
ホイールベース:2807mm
車両重量:1925kg
エンジンタイプ:V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量:3604cc
最高出力:324kW(440ps)/6000rpm
最大トルク:600Nm(61.2kgm)/1500-4500rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション:前ダブルウィッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前235/55R19 後255/50R19
燃料消費率:9.7-9.5L/100km(EU複合モード)
車両本体価格:1194万円
※GENROQ 2019年 5月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
トラックの頭と積荷が載ったトレーラーの知られざる接続部! 最後のロックはあえて「手動」にしていた
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
何故、MのX3をマカンターボと比較しないのか不思議?