愛車をリセールや下取りに出す際、少しでも高く引き取ってもらえるよう、洗車をして、車内もきれいにするという人は多いでしょう。査定士に好印象を与え、大切に乗ってきたことを伝えるための大切なステップであり、基本中の基本です。
しかしながら、見た目を整えるだけで満足してはいけません。同じクルマでも、ちょっとした工夫で数万円、時には数十万円の差がつくのが中古車買取の世界。査定額を納得のいくものにするために、ぜひ押さえておきたい「5つの約束」をご紹介します。
【画像ギャラリー】愛車売るなら少しでも高く!! 査定に出す時にやったほうがいい5つの約束(9枚)
文:吉川賢一/アイキャッチ画像:Adobe Stock_Peak River/写真:Adobe Stock、写真AC
「綺麗にする」は最低条件
クルマの査定において、洗車や車内清掃、純正パーツへの復元をしておくことは、「このオーナーはクルマを丁寧に扱ってきた」という信頼につながる重要な要素です。清潔な状態であれば、査定士も細かいチェックをスムーズに進めることができ、前向きな商談の土台が整います。
しかしながら、査定額のベースとなるのは、業者間で共有されているリアルタイムのオークションデータであり、車種やグレード、年式、走行距離、装備品などから「相場」はすでに決まっています。査定時に引き出すべきはその相場の「上限」ですが、簡単な清掃をしただけでは上限を引き出すことは難しいものです。
ただ、以下の5つの対策をしっかり行うことで、その相場の上限を引き出せる可能性は高まります。
最優先は「競わせる環境」つくり。査定は必ず複数社で受ける
相場上限を勝ち取るもっともシンプルで強力な方法は、複数業者による「同時査定」です。1社のみの査定では、業者側に高値を提示する動機は生まれませんし、相場を熟知している業者と個別に交渉しても勝ち目はありません。
しかし、複数の査定士が同じ場で競合する状況をつくれば、業者側は「ここで決めなければ他社に流れる」というプレッシャーを感じるため、自然と限界に近い数字を出してくるようになります。なかには複数の査定会社と同時刻にアポを取り、同じ条件下で査定額を提示させる人もいます。
ここで大切なのは、「今日、条件が合えば売却する」という意思を伝えることです。売る気があるのかないのかわからない相手に対して、業者が本気の価格を出すことはありません。「いまこの場で決まる案件」だと認識させることで、査定士から本音の回答を引き出すことができます。
※高値を引き出すために売却意思を示すことは大切ですが、契約書を確認しないまま即決するのは避けたいところ。キャンセル条件、入金日、車両引き渡しの時期、契約後の減額可否などは、必ず書面で確認しておきましょう。消費者庁も査定の場では契約しないよう、また契約書は事前によく確認するよう注意喚起しています。
相場と売却ラインを固める。「知らない人」ほど安く買われる現実
事前準備も大切です。査定を受ける前に、まずは中古車販売サイトで自車と同条件の車両を検索し、自分のクルマのおおよその中古車市場価格を知っておきましょう。その販売価格から、業者の利益や整備費用、流通コストなどを指し引いた金額が、買取価格の上限目安。一般的には20万~30万円程度、高額車であれば30-50万円程度の差が生じると考えておくと、現実的なラインが見えてきます。
この調べた買取相場をもとに、「いくらなら手放すか」という自分なりの売却ラインを決めておきましょう。軸がないまま交渉に入ると、査定士のペースに引き込まれてしまいますが、しっかりとした根拠を持って交渉に臨むだけで、不利な契約を結ぶリスクを大幅に低減することができます。
査定士がチェックするのは「履歴」。書類の有無で評価がわかれる
整備記録簿や点検履歴のわかる書類も大切です。これらがしっかり揃っていることは適切にメンテナンスしてきた証拠となり、大きな加点要素になるからです。
査定士は「このクルマをいくらで売れるか」だけでなく、「売ったあとにトラブルにならないか」というリスクも同時に確認しています。履歴が不明瞭な個体は、後の故障リスクを考慮して、査定額が控えめに算出されることも考えられます。
もちろん修復歴や不具合を隠すのは厳禁。査定士の目はごまかせませんし、契約後に発覚すれば減額請求などのトラブルに発展しかねません。最初から正直に伝えることで信頼関係が築け、結果としてスムーズな価格交渉に繋げることができます。
売却タイミングは「価値が落ちる直前」を逃さない
少しでも高く売るためには、タイミングも大切です。どんなに交渉を頑張っても、売却の時期を逃すと価格は伸びません。
とくに影響が大きいのは、モデルチェンジと走行距離の節目です。フルモデルチェンジ/マイナーチェンジの発表があると旧型の相場は下落に動きます。また、年式では3年目(初回車検)や5年目(車検)、走行距離では5万km、10万kmといった区切りを超えると、査定評価は一段階下がる傾向があります。
狙い目は「価値がガクンと落ちる直前」です。年式の節目であれば3~4か月前、走行距離であれば大台到達の手前で査定に出すのがいいでしょう。「価値が落ちる前に動く」発想でスケジュールを組むことで、数十万円の差に繋がることも考えられます。
「攻めの売却」を意識して!!
きれいに掃除をしたうえで、複数社を競わせ、相場を把握し、履歴を整理して、最適なタイミングで動く。これら5つの約束を守ることができれば、相場上限の値が付く可能性は一気に高まります。
クルマそのものの価値を変えることはできませんが、売り方次第でその価値を最大化することは可能です。愛車との最後のお別れを後悔しないものにするために、ぜひ「攻めの売却」を意識してみてください。
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