2027年に復活が期待されるセリカの心臓部となるのがミドシップ4WD。1.6Lで開発がスタートし、現在は2Lで市販を目指している。その試験車両にGRの粋な計らいで試乗できることになった。トヨタの開発拠点テクニカルセンター下山のテストコースから、セリカ復活を誰よりも信じ、心待ちにしているベストカーWebがその凄さをお伝えしよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ、ベストカーWeb編集部
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超新鮮! ミドシップ4WDってこんなに楽しいんだ! 誰かに話したくてたまらない
スーパー耐久に参戦し、進化を続けるGRヤリスMコンセプトだが、ミドシップ4WDのコンセプトはセリカに搭載されて市販化されるとベストカーWebではずっと言い続けている。もちろんGRの開発陣は誰も肯定しないし、話しかけようとすると微妙に距離を取られることが多い(笑)。
しかし、GRのブランド価値を向上させるにはGRヤリスとGR GTの間に、魅力的なスポーツカーが必要だ。そこにはまる一番のモデルはやっぱり”セリカ”なのだ。
ただ、新しい2Lターボエンジン+4WDというだけでは、もの足りない。トヨタも未だものにしたことがないミドシップ4WDを開発することで、挑戦するGRというブランドヒストリーが紡がれていく。きっとGRの狙いはそんなところにあるのではないだろうか?
セリカも気になるが……ミドシップ4WD先に味わっちゃいました!
さて今回試乗したのは初期段階の1.6Lの開発車。ざっくり言えばGRヤリスのパワートレーンを前後逆にして搭載したモデル。ダートラをやるような広いグラベルコースで、比較車両として用意されたGRヤリスの25式とともに乗った。
まずはGRヤリスの25式。自由に乗っていいというので、定常円でアクセルを踏んでいく。自分ではしっかりとカウンターを当てているつもりだが、微妙なアクセルとステアリング操作が足りないのだろう(自覚あり)、アンダーが出てしまう。「楽しいけれど、イマイチ下手だなオレ、チッ!」が乗った印象。
続いて1.6Lの試験車に乗る。走り出しからリアにトラクションがかかる新鮮な印象。ミドシップの代表格であるポルシェのケイマンのような、リアからドンと押し出されるような感覚とは違い、軽ろやかに、そしてスムーズに加速していく。定常円でもアクセルコントロールがしやすく、グングン曲がっていく。
初期型は最高出力272ps、25式は304psだから32psもパワー差があるが、乗った感じは、試験車のほうが速い印象だ。おそらく自分が思い描くラインに近いイメージで走れているからだろう。半面、アクセル操作がラフになると、オーバー気味になり、「ヤベ!」と冷や汗をかく場面もある。
それでも味わった新鮮な感覚は、身体に染み込み、誰かに伝えたくてエンジニアとしばらくしゃべり続けてしまった。なるほど、これがミドシップ4WDの魅力なのだろう。1.6Lでもこんなに楽しいなら2Lはどんなものなのだろう?
開発ドライバーの佐々木雅弘さんの横乗りで体験する異次元の速さ
舞台はテクニカルセンター下山の第3周回路。ニュルブルクリンクサーキットを模し、4分の1のスケールにしたもので、全長約5.3km、高低差約75mの難コース。ガードレールにはいくつも黒くぶつかった痕跡が残っている。
このコースを開発ドライバーである佐々木雅弘選手のドライブに同乗することが許された。
はたして搭載される2LエンジンG20Eの走りはどんなものなのか?
「暑いですからね。エアコンを使わせてくれないんですよ」と佐々木選手は笑いながらスタートする。
すぐに佐々木選手は全開モードにスイッチ! クルマには加速もブレーキングもうねる路面もあって、ものすごい入力がかかるが、まったく悲鳴を上げることなく、次々とコーナーをクリアしていく。同乗する自分にも容赦なく後ろから爆音と熱風が襲いかかってくる。
まったく前が見えないコーナーに思わず目をつぶってしまうが、佐々木選手は何事もなく、シフトダウンし、余裕でステアリングを切っていく。「何千周もしているんですか?」と野暮なことを聞いてみたが、「1.6Lの開発が始まった5年前くらいからずっとです」とのことです。クルマは暑いが、佐々木選手はあくまでクールだ!
しかし、この速さはいったいなんだろう? 速くて安定していて横に乗っていても楽しさが伝わってくる! もちろん1.6Lの数倍ポテンシャルは上がっている2LのG20Eエンジンは、社内測定値で400ps、450Nmとされるスペックだが「もっとパワーがあっていいでしょう」と佐々木選手は物足りないようだ。
「(運転の)上手い人がもっと楽しめるような味付けにしていきたい」と語る佐々木選手は、どこにもない唯一無二のスポーツ4WDをつくろうとしているようだ。
いよいよセリカ再誕見えてきたんじゃないかコレ!?
なお、テスト車両は前後のトルク配分を50対50から0対100まで可変させることもできることも教えてくれた。どうやら苦労してきた熱対策もなんとかメドがついたようだ。全開で走り込んでクルマを追い込み、鍛えることでブレークスルーが見つかったのだろう。ここは、走って、壊して、直して、また走るというGRのクルマづくりの最前線だ。
設計上余裕のないGRヤリスで熱対策が可能になれば、よりワイドでそもそもミドシップとして設計されるセリカならサイドからの空気を入れることができるから、きっと余裕で冷却することができるはず。さらにMTはもちろん、DATもしっかりと開発しているというから楽しみだ。
来年、セリカに搭載されてこのミドシップ4WDが日の目を見るはずだ。世界を驚かせるスポーツカーがもうすぐ誕生する!
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